http://www.asyura2.com/11/bd60/msg/105.html
Tweet |
図『福島第一原発から漏れた放射能の広がり(群馬大学 早川氏作)』http://takedanet.com/2011/08/post_5e33.html(武田邦彦 中部大学教授のブログより) についての疑問を述べたい。
陸地上に色分けされ等値線で結ばれた部分は、国・自治体の計測の結果をプロットして作図したのは理解できるが、洋上に描かれた緑色の腕の部分は実際計測されてはいないだろう。水面上にあのような形で放射能の痕跡が残っているとは思えないから。
計測されていないのであれば「洋上の腕」の部分は、どのような考えのもとに作図したのか? あの部分が描いてなければ、一関のホット・スポットは女川原発が原因かもしれないし、柏や松戸のホット・スポットは東海原発のものかもしれない。いずれにしても、福島第一原発がすべての原因だとは判断しにくくなる。
もしSPEEDIの図を参考にしたというなら、拡散予測図は地上でも洋上でも自由に線が引けるが、実測した値をもとに作成した図面に仮定の線は、むしろ描くべきではない。何か別の意図があったのでは、と疑われる恐れがあるから。
地上には「腕」に相当する観測点が見当たらなかった。だから洋上に「仮想の腕」を書き加えただけで、本来は一関も柏も飛び地のホット・スポットかもしれない、と考えたのならなぜそういうふうに描かなかったのか。なぜ、わざわざ福島第一原発と結んだりしたのか。
仮にあの図の通り放射性物質が洋上を通って流れたとしても、海上は遮るものがない通り道だから、たちまち拡散してしまうに違いない。あの「腕」の流れ方はどちらかというと、両側を山などで挟まれた通路を流れる流れ方で、飯館村や中通り地方で起こったような現象だ。
また、北に流れた腕の中には女川原発が位置しているし、南に流れた腕が掠めるように東海原発が位置してる。この図を見る限り、女川か福島か、あるいは東海か福島かの原因判断は難しくなると思う。飛び地のホット・スポットの周辺を細かく計測してみれば、あるいは「ホット・ベクトル」が現れて拡散源を指し示す、ようなことがないとも限らない。もし福島第一以外にも放射能を拡散した原発があったとすれば、福島第一事故が無事収束したとしても、それで放射能拡散が収束したとは言えなくなる。
逆にこの図が正確に実態を反映しているとした場合、放射能の放出は3月11日以降今日まで全時間に渡って放出されていたものではない、と考えらる。なぜなら全時間放出が続いていたなら、風向も全方位に及ぶはずだから。このような明確な2本の腕は形成されず、全方位に拡散しているはずである。
では「ある日にち」の「ある時間」に集中的に放射能は放出された、と考えた場合はどうか。確かに福島県でも、1日のうちに風向が反転することはある。わきを低気圧が通過したような場合、風向は徐々に反転してゆく。しかし「徐々に」変わっていくのであって、いきなり反転はしない。だから、北と南の腕が独立して存在できるとは思えない。風向の動いた範囲で一様に吹き散らされるはずだ。ではこの腕は何なのか?
「つい描いてしまった」のか「ある意図を持って描いた」のかは分からぬが、日本国民がある意味でひと安心したのは確かだ。原因が福島第一原発とはっきり図上で示されたのだから。原因の分からぬ事は、不安が不安を呼ぶし。
いったい原発とは、「全電源喪失」とか「ディーゼル発電機が起動しない」ことだけが重大事故なのか? 配管が地震で破断するとか亀裂が入って冷却水が漏れ出し、原子炉内の水位が下がる事態も事故とはいえないのか? 漏れ出した現場に作業員は近寄れないであろう、放射能が充満しているから。当然、壊れた配管の弁は閉じる作業が始まりだすのは間違いない。
しかしその作業中も水位が下がり続け、燃料棒の温度が上がり、多量の水蒸気が発生するとしたら、原発は「緊急ベント」を絶対にやらないと断言できるだろうか? 壊れた配管が一本ではなく複数管がやられてたとしても。
私は、今回の菅総理の突然の「脱原発宣言」や東電、保安院、安全委員会のドタバタ劇は、なにかもっと大きな秘密を隠した結果のような気がする。浜岡原発だけ停めたのも、今後起こるであろう東海地震のためとういうより、今回の地震で停止した太平洋岸の原発群の一部とみて再点検のため停めたのではないか、と考えるのだが。
ストレス・テストを急に言い出したのも、今回の地震で福島第一原発以外にも公表されない事故が多発したため心配になった、としたら説明がつく。中心部から遠い佐賀や北海道の原発から再稼動させようとしたのも、東日本大震災の影響がより少ない地域を選んだ結果なのかもしれない。TPPや消費税という自民党まがいの考えを持つ首相が「脱原発」などと正反対の事を言い出したのは、単に自分の延命策だけだったのだろうか?
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ60掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。