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戦争に勝ちも負けもない、あるのは滅びだけだ (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/874.html
投稿者 祈り 日時 2011 年 8 月 15 日 08:44:14: HSKePa2Cm.aPs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-7c43.html
2011年8月15日 (月)
戦争に勝ちも負けもない、あるのは滅びだけだ


 永井隆博士は『花咲く丘』に次の言葉を残された。

「戦争に勝ちも負けもない。あるのは滅びだけだ。」
 
 この永井隆博士が残された『いとし子よ』を転載させていただく。

 「いとし子よ。
あの日、イクリの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一よ、カヤノよ。
お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世に留めて、ついにこの世から姿を消してしまった。
そなたたちの寄りすがりたい母を奪い去ったものは何であるか?
――原子爆弾。・・・いいえ。それは原子の塊である。
そなたの母を殺すために原子が浦上へやって来たわけではない。
そなたたちの母を、あの優しかった母を殺したのは、戦争である。

戦争が長びくうちには、はじめ戦争をやり出したときの名分なんかどこかに消えてしまい、戦争がすんだころには、勝ったほうも負けたほうも、なんの目的でこんな大騒ぎをしたのかわからぬことさえある。
そうして、生き残った人びとはむごたらしい戦場の跡を眺め、口をそろえて、――戦争はもうこりごりだ。これっきり戦争を永久にやめることにしよう!
そう叫んでおきながら、何年かたつうちに、いつしか心が変わり、なんとなくもやもやと戦争がしたくなってくるのである。
どうして人間は、こうも愚かなものであろうか?

私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。…

わが子よ!
憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。
憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。
どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。
自分が実行するだけでなく、これを破ろうとする力を防がねばならぬ。
これこそ、戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。

しかし理屈はなんとでもつき、世論はどちらへでもなびくものである。
日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。
そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて、世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。

もしも日本が再武装するような事態になったら、そのときこそ…誠一(まこと)よ、カヤノよ、たとい最後の二人となっても、どんな罵りや暴力を受けても、きっぱりと戦争絶対反対≠叫び続け、叫び通しておくれ!
たとい卑怯者とさげすまされ、裏切り者とたたかれても戦争絶対反対≠フ叫びを守っておくれ!

敵が攻め寄せたとき、武器がなかったら、みすみす皆殺しにされてしまうではないか?――という人が多いだろう。
しかし、武器を持っている方が果たして生き残るであろうか?
武器を持たぬ無抵抗の者の方が生き残るであろうか?・・・

狼は鋭い牙を持っている。それだから人間に滅ぼされてしまった。
ところがハトは、何ひとつ武器を持っていない。
そして今に至るまで人間に愛されて、たくさん残って空を飛んでいる。・・・
愛で身を固め、愛で国を固め、愛で人類が手を握ってこそ、平和で美しい世界が生まれてくるのだよ。

いとし子よ。
敵も愛しなさい。愛し愛し愛しぬいて、こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。
愛すれば愛される。愛されたら、滅ぼされない。
愛の世界に敵はない。敵がなければ戦争も起らないのだよ。」

 戦争の放棄、不戦の誓いを貫く者に、世間は「非現実的な夢想家」というレッテルを貼るのだろう。
 
 しかし、いま私たちは、あえて、自らの意思により、「非現実的な夢想家」になることを目指すべきである。
 
 村上春樹氏が述べるように、
「それが広島と長崎で亡くなった多くの犠牲者に対する、我々の集合的責任の取り方」
であり、
「福島で原発放射能事故の被害を受けた被害者に対する、我々の集合的責任の取り方」
なのだと思う。
 
 村上春樹氏は以下のようにも述べている。
 
「我々は夢を見ることを恐れてはなりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。人はいつか死んで、消えていきます。しかしhumanityは残ります。それはいつまでも受け継がれていくものです。我々はまず、その力を信じるものでなくてはなりません。」
 
 敗戦の日から66年の歳月を経たいま、私たちは永井隆博士と村上春樹氏の言葉を、もう一度、虚心坦懐に噛みしめてみるべきだと思う。

 

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コメント
 
01. 2011年8月15日 15:55:04: y2UYF1WZ2I
いや戦争に勝者は存在する。対立国の両方をけしかけて、両方の人民を戦線に駆り立ててボロもうけする奴らは間違いなく戦争に懲りることはない。敗者は徴兵されて戦死する若者、銃後で爆撃されて死ぬその家族だ。

02. 2011年8月15日 22:47:36: GjDXKiga7s
【動画(Ustream)[録画]】【終戦特集】辻真先 × 岩上安身 (IWJ:CH2)

(1)http://www.ustream.tv/recorded/16660382
(2)http://www.ustream.tv/recorded/16662792


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