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リビア東部アジュダビヤ(Ajdabiya)からブレガ(Brega)に向かうトラックに乗る反体制派の兵士たち(2011年7月17日撮影)。(c)AFP/GIANLUIGI GUERCIA
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2814310/7517179
【7月19日 AFP】リビア反体制派が掌握する西部都市ジンタン(Zintan)では、戦闘以外のすべてが停止している。働く者は誰もおらず、店舗や学校は閉鎖され、現金もほとんど出回っていない。人びとは配給される物資で飢えをしのいでいる。
ジンタンの男性たちにとってそれは戦闘と倦怠の日々で、女性たちにとっては料理とストレスの日々だ。
ロケットランチャーや機関砲、それに多数の戦闘員たちを前線に運ぶ車両が見あたらないとき、ジンタンは、まるで7月の熱気がもたらした重たい眠気に覆われたように見える。
リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐への反乱が始まった2月半ば以降、首都トリポリ(Tripoli)の南西40キロ、ナフサ(Nafusa)山脈にあるジンタンには、戦いと生存競争しかなかった。
この5か月間、ジンタンで給与をもらった者は1人もいない。町の2つの銀行では、紙幣が手に入らない状態が4か月続いている。
今週、銀行のうち1行が初めて営業を再開し、地元住民が殺到した。だが、引き出せる額は1人あたりわずか200リビア・ディナール(約1万2000円)だった。カリラ・アフメド(Khalila Ahmed)さん(65)は、カウンターにたどりつくまで3時間ほど並んだという。「家には金がない。革命以降、硬貨1つも持ってない。人からの施しで生活している」と、アフメドさんはAFPに語った。
ここ数か月、ジンタンの多くの人はチュニジアから届く救援物資で生き延びてきた。物資は、国外からの資金をもとに地元の慈善団体が運んできている。配給券があれば数日分の十分な石油や水、パスタ、トマトを得ることができるが、肝心の物資がときおり届く程度で、商店の大半は閉鎖している。
「ここには何もない。毎日がギリギリの生活」と、研修医のハナ・アクラ(Hana Akra)さん(24)は語る。
■毎日が助け合い
ジンタンは衝突が起きる前から貧しい町だったが、現在は東部ベンガジ(Benghazi)を拠点とする反体制派にすべてを依存している。アルワーダ(Al-Wahda)銀行が再開できたのは、ベンガジ側から送金された資金のおかげだった。さらに反体制派の国民評議会(Transitional National Council、TNC)が、西部に暮らす世帯に初めて資金援助をした。
「だがその額も少ない。われわれは寄付金やカダフィ大佐の凍結資産が提供されるのを待っている」と、地元議会職員のモハメド・マルル(Mohammed al-Malul)氏は述べる。
その間、ジンタンでの合い言葉は「連帯」だ。学生のアファフ・ボウサ(Afaf Boussa)さん(20)は、「食べるものが何一つなくなったとき、近所の人たちが野菜をくれたんだ」と語る。
裕福な住民はチュニジアまで買い出しに行くが、ガソリンも不足している。給油できるガソリンスタンドは町内に2か所。国境を越えて石油を運んでいる。一方、病院での治療も最低限のものになっている。医師は、「慢性疾患や腎感染、糖尿病、高血圧などの医薬品が不足している」と嘆く。
だが不平を漏らす者はいない。町の周囲で待機しつづける退屈な時間が、ときおりの熱気あふれる戦闘で中断される――住民の半数は町を離れたが、残った人びとはこの奇妙な生活に適応せざるをえなかったのだ。
学校にも行けず、女子学生たちはふさぎ込んでいる。「友達はみんなチュニジアに行ってしまった。退屈よ」と、ファティマさん(17)は不満を口にした。
男たちが戦闘に向かう中、母や妻、姉や妹たちは生活のやりくりに苦心している。男たちが前線で戦闘を続ける間、女たちは、走り回ったり、革命歌を歌ったり、兵士ごっこをする子どもの世話もしなければならない。
ハナ・アクラさんの悩みはつきない。「兄が出発するときはいつも、もう2度と戻ってこないんじゃないかと思う。それがものすごいストレスなの」
一方、気だるそうな若い戦闘員たちは、次の戦いを待ちきれない様子だ。「戦闘がないときは弾薬を確認し、武器の手入れをする。あとは寝るだけ。少し退屈だよ」と、モハメド・ベルカセム(Mohammed Belqasem)さん(23)は、兵舎となった校舎で語る。兵舎内には、ぐったりした様子でテレビを眺めるベルカセムさんの同志たちの姿があった。(c)AFP/Deborah Pasmantier
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