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ビンラディンの住居とされる建物は、パキスタンの首都イスラマバードから車で2時間ほど郊外のアボタバードにあり、近くにはパキスタン軍の駐屯地がある。見方によっては最もビンラディンが潜伏していそうもない場所ではある。しかし、そういう見方が成り立つのはパキスタン軍がビンラディンを本気で捜索しようとしていた場合に限られるだろう。
現在ではパキスタン軍の情報機関 ISI が、タリバンなどのイスラム過激派勢力と親密な関係を築いていたことは公然の秘密となっている。ISI がタリバンを支援した理由は、「パキスタンとしてはアフガニスタンに自国の傀儡政権とも言うべきタリバンを作らせておき、中央アジアにおける貿易やアフガニスタン経由のパイプラインを独占したかった」ということがいわれている。また「インドと軍事的に対決するに当たって後背のアフガニスタンに親パキスタン政権が建設される事は、パキスタンにとっては極めて重要な関心事項であった」ともいわれている。
ISI は「国家内の国家」と呼ばれるほど強大な権限を持ち、政府の統制も及びにくい組織である。ISI に限らず、パキスタンの多くの権力者が、アフガニスタンで高まるインドの影響力を弱めるためにもタリバンの弱体化は好ましくないと考えているとされ、あるパキスタン軍高官はアメリカ国家情報長官に「アフガニスタンへの影響力を保持するために、私たちはタリバンを支援する必要がある」と語っている。
ビンラディンが居住していたとされる邸宅は、2005年に建築されたもので、周囲の家より約8倍広く、100万ドル(約8100万円)の価値があるという。主要住居とみられる3階建ての家にはほとんど窓がなく、高さ3〜5メートルの壁やワイヤに囲まれていた。主要住居に行き着くまでに2カ所の検問所があり、厳重な警備が敷かれていた。周辺の人々はその邸宅を「要塞」と呼んでいたという。周囲の建物からは不自然に浮き上がり目立っている。軍の施設の近くにこのような不審な「要塞」が立てられたことにパキスタン軍が気付かなかったとは考えにくい。
米政府高官らは、パキスタン政府とイスラム武装勢力が裏でつながっていると繰り返し指摘しており、CIAのレオン・パネッタ長官は、「パキスタンと共同作業すると情報が(ビンラディン容疑者らに)漏れ、作戦が危うくなると判断した」と米誌タイムに語っている。これらの事実は米国がパキスタン政府をまったく信用していなかったことを如実に物語っている。
パキスタン軍がビンラディンをかくまっていた可能性はかなり高いと言わなければならない。
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