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福島第一原発で起きた原子力災害で人々は見えない放射線に対する恐怖を思い知ることになった。このことは過激な思想を抱くテロ組織に改めて「ダーティボム」の威力を認識させることになっただろう。
ダーティボムの製造に必要な部品やノウハウが手に入るようになったため、実際にそれを実行しようとした者がいる。2002年5月に、アルカイダを支持している米国籍のアブドラ・アル・ムハジルが、ダーティボムの製造・使用を計画した容疑で逮捕された。このことはダーティボムの製造に興味を抱く者が存在することを示している。
この放射能兵器はTNT火薬のような従来の爆発物に強い放射性物質を加えただけの単純な装置だ。爆発によって起きる高熱で放射性物質が気化したり霧状になって広範囲に拡散する。爆発した地域は長期間立ち入り禁止になるので経済活動を大混乱に陥れられる。問題はこの兵器の製造者が大量の放射線を浴びる危険があることだ。しかし放射線の影響は遅れてでるため自爆を覚悟したテロリストには障害とはならないかもしれない。
製造にはプルトニウムやウランが必要だが旧ソ連諸国で政情が不安定だった1990年代初めには管理がずさんで、核物質が拡散している可能性が指摘されている。
ダーティボムの爆発によって3500キュリーの放射能をもつセシウム137が拡散したとする。これだけの放射線源を用意して爆発させると、天候によって幅はあるが汚染地域は約800平方キロになる。国際放射線防護委員会(ICRP)が提案した許容値を超えて、移転が勧告されると予想される地域は15平方キロに達する。大都市の中心で爆発が起きれば人々の健康に及ぼす影響はもちろん、経済的にも甚大な被害を被ることになる。
ダーティボムの製造は細菌兵器の製造より簡単だ。細菌兵器で致死性の細菌を生きたまま拡散することは技術的にかなり難しい。化学兵器の製造は簡単だが兵器が影響を及ぼす範囲はダーティボムに比べてかなり小さい。テロ組織がダーティボムを使用することは時間の問題かもしれない。
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