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http://mainichi.jp/select/world/news/20110326ddm007030155000c.html
【カイロ樋口直樹】シリア南部ダルアーで民主化要求デモに治安部隊が発砲、多数の死傷者を出した事件を受け、首都ダマスカスなど各地で25日、大規模な抗議デモが発生した。AP通信によると参加者は全国で数万人に達する見通しで、アサド政権下では過去最大規模とみられる。治安部隊との衝突で新たな死傷者が出たとも報じられており、事態は緊迫の度を増している。
AP通信などが報じた目撃情報によると、イスラム教の「金曜礼拝」が行われた25日には、ダマスカスで数百人規模のデモがあったほか、近郊のドウマやテル、北西部のラタキア、中部ホムスでそれそれ数百〜数千人規模のデモが発生した。82年の暴動鎮圧で数万人の死者を出したと言われる中部ハマでも数百人がデモに参加した。
ダルアーでは犠牲者の葬儀に数千人が参列し、デモに発展した。
デモ参加者はいずれも、ダルアーでの治安部隊の弾圧に抗議し、自由で民主的な社会の実現を要求。アサド大統領の弟で共和国防衛隊長のマーハル・アサド氏を「泥棒」と非難するなど、反体制色を一段と強めた。デモが行われたダルアー中心部から激しい銃撃音が聞かれた。衛星テレビ局アルジャジーラは、南部サナメインで20人が死亡したと伝えた。
ダルアーでは先週末からの衝突で、少なくとも44人が死亡。事態の悪化を受け、シャアバン大統領顧問が24日、63年から続く非常事態宣言の解除の検討を含む政治改革や、逮捕者の釈放などを約束していた。同顧問は、アサド大統領が「もし警官が殺されても、(デモ参加者へ)実弾を発砲すべきではない」と命じていたと強調。住民の要求には「正当性がある」と述べ、発砲の責任追及▽住民の要求を聞く委員会の設置▽公務員給与の引き上げ▽汚職防止強化−−なども約束した。
ただ、同顧問は「シリアの混乱を狙う外部からの扇動者がいる」「外国メディアは事実を伝えていない」とも述べた。「過激派への対処」などを理由に、今後も治安部隊が実力行使する可能性を残した発言とみられる。
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