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http://mainichi.jp/select/world/news/20110321k0000m030062000c.html
仏英米など多国籍軍によるリビア攻撃の歴史的意味、今後の事態の展開、アラブ世界への影響などについて、研究活動のためエジプトに滞在中の池内恵・東大先端科学技術研究センター准教授(イスラム政治思想、中東地域研究)に聞いた。【白戸圭一】
カダフィ政権は国連安保理決議の受け入れを発表しながら、自国民への重火器による攻撃を続行し、国際社会を愚弄(ぐろう)する言動に出たため「確信犯」とみなされ、軍事攻撃が正当化される状況になった。「反帝国主義」を掲げてきたアラブ世界の諸政権の正統性が崩れた決定的瞬間だ。アラブ諸国の近代国家形成の失敗が露呈し、従来とは異なる理念に基づく新体制を模索する第一歩が踏み出された。
リビア人は、数万人のカダフィ派以外は空爆を容認するだろう。エジプト人の出稼ぎ労働者がリビア内で多く立ち往生し、カダフィ派が勝利すれば迫害も予想されるため、エジプトでは政府も市民もおおむね空爆に賛成しており、外国の軍隊による一定期間のリビア占領すら賛成するかもしれない。
湾岸諸国も攻撃には賛成せざるを得ない。自国民の弾圧に国際社会の批判の矛先が向きかねない湾岸諸国は体制崩壊の危機にあり、リビア問題を前面に出してその場をしのいでいる。反西欧や反米をあおっても、国内をまとめる効果はほとんどなくなっている。
英仏はカダフィ政権を一気に打倒するような戦力は投入しないだろう。反政府勢力が適切な政権であると確認できれば、おそらくエジプトを通じて東リビアに軍事的補給を進め、海上からの揚陸戦力などを支援しながらカダフィ派を圧迫していくだろう。基本的には、長期戦で主要都市を順に陥落させる展開になる。
カダフィ派が一般市民を盾に取る場合、攻撃はしにくい。カダフィ派が一つ二つの都市に立てこもることは可能であり、反政府勢力側がそれを上回る武力を備えない限り時間がかかる。包囲して投降を誘う、ある種の外交的解決を目指す展開になるかもしれない。(談)
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