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リビアへの軍事作戦が始まった19日、クリントン米国務長官は記者団に対して、「(この戦争は)我々が主導するものではない」と話した。20世紀後半以降、世界の紛争地域への軍事的介入をほとんど主導してきた米国としてはこれまでになかった姿勢だ。
ニュース週刊誌タイムは、「米国でないフランスや英国の政争」と評した。国際社会の介入の様相の新しい例を示す今回のリビア戦争は、これまで「世界の唯一の警察国家」の役割を担ってきた米国が、その地位を譲るしかない状況に追い込まれていることを物語る。
●米国の思惑
オバマ政府発足後、初の国際的な軍事介入であるリビア空襲は、過去の政権とは違って、単独行動ではなく国際的な連携を重視するオバマ大統領流のスタイルを良く表している。米国は、今回の軍事作戦で、自国の役割と比重が小さいことを浮き彫りにしようとしている。オバマ大統領は19日、「米国が『制限的な』(limited)軍事行動を承認した」とし、「米国地上軍のリビア投入はない」とクギを刺した。クリントン長官も、米国は「支援者」の立場に止まることを強調した。
リビア攻撃は、フランスや英国など、ここ数年ではあるがリビアと友好関係を保っていた国々が主導する形となっている。フランスは19日、多国籍軍の介入を決定した主要国首脳会議を主宰したのに続き、多国籍軍としては一番先に戦闘機を派遣し、リビアを攻撃した。デービッド・キャメロン英首相も18日の議会演説で「自国民を虐殺する独裁者は決して座視できない」として軍事介入の意向を明確にした。
英国とフランスは、今回の事態がそれぞれの「前庭」と言える北アフリカで起きているうえ、「中東情勢に手を拱いている」という自国内の批判的世論を交わすために軍事介入に積極的な姿勢を見せているものと解釈される。フランスのサルコジ大統領は、チュニジアなど中東の民主化デモを放置して独裁者の側に立ったという批判を受けたし、キャメロン英首相も最近、防衛産業メーカーとともにエジプトを訪問したとき、「民主化を口実にした兵器販売外交をやっている」と非難された。
●多極化する軍事介入
韓国戦争以降、米国は各地域の大小の紛争に単独もしくは主導的に軍事介入をしてきた。しかし、圧倒的な軍事力にも関わらず、失敗した例が少なくない。ベトナム戦争で悲惨な敗北を喫して以来、1980年のレバノン、1990年のソマリアでも相次いで撤退した。最近のイラクやアフガニスタン戦争も、膨大な米軍の死傷者や財政赤字を出したまま米国を泥沼に陥れた。
とくに、これまでは中東地域に対する軍事介入は、イスラム世界の反米感情を特に刺激したが、これは米国の安全を脅かすテロの脅威となって戻ってきた。「カダフィー政権の市民虐殺を防ぐ」という大義名分にもかかわらず、米国が前面に出た場合「米帝国主義対イスラム」の対決に本質が歪曲されかねないという点、そしてオバマ政府がこれまでイスラム世界との関係回復に力を入れてきた点も、今回の軍事介入で前面に出るのを憚った理由とみられる。
タイムは「英国とフランスが今回の作戦を主導したのは、米国が責任を引き取るよりは、他の欧米諸国がこれを分けて引き受けるとき、世界がもっと安全になれるという認識が働いたからだ」と分析した。
しかし、米国の一部では、今回の前例で米国のヘゲモニーが揺さぶられることを懸念する声も出ている。保守派傾向のフォックスニュースは、「米国が友邦の裏庭に下がってしまう可能性もある」と報道した。
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