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以下は http://www.hrw.org/en/news/2011/02/26-1 から転載。
リビア:治安部隊が西部都市でデモ隊に発砲
エジプト人出稼ぎ労働者が、カダフィ派暴徒の脅迫・暴力でチュニジアへ脱出
February 26, 2011
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More Human Rights Watch reporting on Libya(http://www.hrw.org/en/middle-eastn-africa/libya)
トリポリの西のザウィア市で、政府治安部隊がデモ隊に発砲。流血の惨事と大混乱を引き起こしている。親カダフィ派暴徒はエジプト人出稼ぎ労働者を襲撃。数百名がチュニジアに脱出せざるを得ない状況に追い込んだ。
サラ・リー・ウィットソン、ヒューマン・ライツ・ウォッチの中東・北アフリカ局長
(ラス・イジュディル)− リビア治安部隊と親政府派集団が西部の都市ザウィア(Zawiyah)で、抗議デモ隊とエジプト人出稼ぎ労働者に激しい攻撃を加えている、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。
2011年2月25日、エジプト人移民数百名がチュニジアとの国境を越え、この3日間チュニジアで足止めされている移民数千名に合流した、とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの中東・北アフリカ局長サラ・リー・ウィットソンは「トリポリの西のザウィア市で、政府治安部隊がデモ隊に発砲。流血の惨事と大混乱を引き起こしている」と指摘。「親カダフィ派暴徒はエジプト人出稼ぎ労働者を襲撃。数百名がチュニジアに脱出せざるを得ない状況に追い込んだ。」
トリポリから西に40kmのところにあるザウィア市からチュニジアに脱出したエジプト人出稼ぎ労働者たちがヒューマン・ライツ・ウォッチに伝えたところによると、「自宅に居るようにという政府命令を無視し、金曜礼拝の後にデモを行おうとしたデモ参加者に、リビア治安部隊が発砲した」とのこと。ある出稼ぎ労働者は、「中央広場におよそ3,000人のデモ参加者がいて、そのうちの一部は銃を持っていた」のを見たと話していた。その労働者は、その後、男たちが複数の遺体を墓地らしき方向に運んでいるのを見たとも話した。
「反カダフィ派はザウィア市の大部分を支配下に置いたものの、政府治安部隊は周辺地域をまだ支配していて、郊外に複数の検問所を設置していた」と幾人かの出稼ぎ労働者が報告。しかし、武装親政府集団と治安部隊は市内にも残っていて、自宅の外に出るデモ参加者や住民に発砲していた、とも彼らは話していた。ある目撃者は市内で戦車を見たと報告した。
あるエジプト人出稼ぎ労働者は、治安部隊が家の中にいる住民を怖がらせるために、家のドアに銃撃を加えていたと説明。「やつらはうちの戸を撃ったんだ。何が起きたのか?なんで撃ってるのか?分からなかったよ。一軒一軒撃って歩いているらしく、夜じゅう銃声が聞こえた」と彼は話した。
ザウィア市やその周辺の町から脱出したエジプト人出稼ぎ労働者たちは、撃たれるのが怖くて脱出できず、何日間も自宅に閉じ込められていた、と詳しく話してくれた。ミダン・シュハダツ(Midan Shuhadat)に住んでいたモハマド・リファイ(Mohamad Rifa'ii)は、「4日たったら食料が尽きてしまった。最後、とにかく運にまかせて脱出するしかなくなった。リビア人たちが逃げ出すのを助けてくれました。逃げる途中、通りに戦車がいたのを見ました」と話した。
複数のエジプト人出稼ぎ労働者たちは、カダフィ氏の次男のセイフルイスラム氏(Seif al-Islam al-Gaddafi)の演説の後、ナイフと棍棒で武装した親政府集団から脅迫や襲撃を受け続けた、と語った。セイフルイスラム氏は演説でリビアでの蜂起を外国人のせいにしていた。
アジャイラツ(Ajailat)から逃げ出したあるエジプト人労働者は、演説の後、武装した男たちが、他の労働者たちと同居していた自宅に押し入って来た時の様子を話した。「やつらが入ってきて、木曜日までに出国しなかったら殺すって言った。それで、俺達は自分たちのものをパッキングし始めた。」
もう1人のエジプト人労働者はヒューマン・ライツ・ウォッチに、親政府武装集団の襲撃で受けたという顔の擦り傷を見せて、「カダフィ氏の演説の後、午前2時頃、10人位のリビア人の暴漢たちが俺達の家に押し入ってきて、乱暴を始めた。反乱の原因は俺達だって言うんだ。リビア人の大家さんなどが来て乱暴を止めて出て行くように言ってくれるまで、俺と友だちの3人はヤツラに殴られてた」と話してくれた。
過去数日の間で、出稼ぎ労働者数千人が国境を越えてリビアからチュニジアに流出。複数のエジプト人出稼ぎ労働者がヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、リビアから出国する際の検問所で、リビア治安部隊が携帯電話の電池・SIMカード・メモリーカードを抜き取ったと話した。内2名はヒューマン・ライツ・ウォッチに、治安部隊が自分たちの携帯電話についているカメラも破壊したと言い、「ヤツラは俺達がカメラで何の写真も撮れないようにしたかったんだ」と話していた。
チュニジア軍が国境に設立したテントの中に、数千名のエジプト人がエジプト政府の救出を待ちながら閉じ込められていた。数日間閉じ込められている人びとは、エジプト政府が救出を速やかに行わない事に、怒りと不平を露わにしていた。
あるエジプト人出稼ぎ労働者は「俺たちは、持ち物も仕事も放り出さざるをえなかった。鉄砲と弾から逃げるためにただ逃げて来た。ところがその結果ここのテントで凍えている。他の国の政府が自分たちの国民を船や飛行機で救出しているのに、どうして国境を越えたここに誰も待っていてくれないんだ?俺達が大丈夫だってことを家族に電話する携帯さえもないのに」と話した。
前出のウィットソンは、「国境の内側にいる外国人の安全に対する責任を負うのはリビア政府である。しかし、国際社会は、恐怖から逃れてきた人びとの支援に向けてもっと努力する必要がある」と指摘した。
Also available in:English(http://www.hrw.org/en/news/2011/02/26/libya-security-forces-fire-protesters-western-city)
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