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米国とイスラエルとサウジアラビアは、このイスラム原理主義過激派の政権がドミノのように樹立していく様を傍観するだけ
http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/244.html
投稿者 TORA 日時 2011 年 2 月 01 日 14:28:02: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu233.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国とイスラエルとサウジアラビアは、このイスラム原理主義
過激派の政権がドミノのように樹立していく様を傍観するだけ

2011年2月1日

◆エジプト軍、民衆に武力行使せず=「デモの権利容認」、中立鮮明に 2月1日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110201-00000022-jij-int

【カイロ時事】ムバラク独裁政権打倒要求のデモで混迷するエジプト情勢をめぐり、同国軍は31日、「平和的な手段による表現の自由はすべての人々の権利だ。偉大なる民衆に対して武力を行使することはない」との声明を出した。国営テレビが伝えた。1日には大規模デモ「100万人の行進」が予定されており、政権の屋台骨を支える軍部が中立姿勢を鮮明にしたことで、大統領はデモ収拾に向け、一段の譲歩を迫られそうだ。

 声明は「軍は民衆の正当な要求を認識している」と、デモの継続を容認する姿勢を明確にした。また「街頭での軍の展開はあなた方の安全や治安のためだ」と強調した。大統領は、28日に起きた大規模デモに対して大量の警官隊を動員して弾圧したが失敗していた。

 一方、スレイマン副大統領は31日、大規模デモ収拾に向け、ムバラク大統領が憲法や立法機関の改革に関して野党勢力との対話を直ちに開始するよう指示したと語った。さらに副大統領は、大統領与党、国民民主党(NDP)が圧勝した昨年12月の人民議会選に関する異議申し立てを裁判所で審理する意向も示した。


◆エジプト野党、ゼネストと100万人デモ行進呼びかけ 1月31日 朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0131/TKY201101310438.html

【カイロ=石合力、ワシントン=望月洋嗣】ムバラク大統領の退陣を求める民衆デモが続くエジプトで31日、野党勢力は全土での無期限ゼネストと、2月1日に100万人規模のデモ行進を呼びかけた。米ホワイトハウスは30日、オバマ大統領が「エジプト国民の願望に応じる新政府への秩序ある移行」を支持すると発表、ムバラク氏に退陣を促した。同氏は瀬戸際に追い詰められたといえ、エジプト情勢は重大局面に入った。

 オバマ政権は「ムバラク後」の動きが不透明なため、特定の野党勢力への支持は避けているが、「政権移行」への支持表明は、ムバラク政権を支えてきた米国の対エジプト政策の転換を意味する。

 インターネットを通じてデモを呼びかけた市民グループや最大野党勢力ムスリム同胞団は30日、朝日新聞の取材に対し、民主化指導者でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を軸に野党勢力の結集に乗り出していることを明らかにした。ムバラク氏退陣後を視野に暫定政権樹立を探る動きとみられる。大規模デモは1日正午、カイロの複数の貧困地区から出発。抗議活動の中心になっているタハリール広場に結集する。

 25日に始まったデモは7日目の31日も続き、タハリール広場では同日午後、10万人以上が集まった。カイロ市内では、一部商店が営業を再開したものの、銀行や株式市場は営業を停止したままで、事実上のゼネスト状態になっている。

◆「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2月1日
http://www.melma.com/backnumber_45206_5093918/

イスラエル、サウジの情報筋はチュニジア、エジプト政変の背後はイランと分析
  ヨルダンもイェーメンも危殆に瀕し始めた

カザフスタンの独裁者ナゼルバエフは、大統領選挙を繰り上げて実施すると急遽発表した。冷戦終結からすでに20年、この男もカザフスタンに強権的独裁政治を強いて、富を一族が独占してきた。

 チュニジアについでエジプトがこけると、拍手喝采はイランである。
 これは民衆の勝利ではない。シーア派の勝利、イスラム原理主義過激派の政権掌握を意味し、イランの影響力はいや増すことになる。

 レバノンはすでにヒズボラに取られ、ガザはハマス。両テロリストの背後にあって指揮しているのはイランである。シーア派はイラクも抑えてしまった。米国は壮大な徒労を強いられ、得たものはなかった。
 アフガニスタンも、米軍とNATO引き上げの日程がみえ、カルザイはさかんにテヘランを見ている。カルザイがワシントンを裏切る日も近いような気がする。

 米国とイスラエルとサウジアラビアは、このイスラム原理主義過激派の政権がドミノのように樹立していく様を傍観するだけ、「民主化」要求の隙間をイランの陰謀につかれた格好である。
 そうだ。ベトナム戦争で「反共」の戦いと錯誤したマクナマラは戦後二十年以上経ってベトナムへ赴き、あれは共産主義との戦いではなかった。ナショナリズムとの戦争だったと悔悟した。

 チュニジア、エジプトは表面的に「民主化」へのステップを西側は愚直に錯誤している。
 気がつけば、アラブ世界にイスラム原理主義過激派が誕生するという悪夢は、すぐそこにある。


(私のコメント)

チュニジアやエジプトの親米政権の崩壊を、アメリカのオバマ政権は支援することもなく見捨てるようですが、アメリカに忠誠を尽くす日本の政権も他人事ではないだろう。エジプトやサウジアラビアはアメリカの中東政策の要なのですが、ムバラク政権を見捨てるようだ。これがエジプトの民主化への動きならアメリカがムバラク政権を見捨てるのも分かりますが、十中八九はイスラム原理主義勢力の国になるだろう。経済レベルや国民の学歴レベルが高くはないからだ。

イラン革命の時も、アメリカはイラン軍部に中立を保たせてホメイニをフランスから帰国させてイスラム原理主義の国にした。カーター政権が何を考えていたのか分かりませんが、イラン軍部を支援していればイラン革命は防ぐことが出来た。エジプトも同じような状況なのですが、軍部に中立を指示しているようだ。チュニジアに続いてエジプトも親米政権が倒れればドミノ式に連鎖反応が起きるだろう。

このようなアメリカの不可解な行動は昨日書いたとおりなのでしょうが、イラクやアフガニスタンも米軍が撤退すればイスラム原理主義勢力が政権を樹立するだろう。そうなれば中東全体がイランのようなイスラム国家となり、石油などの政策でもアメリカの思い通りにはならなくなるだろう。アメリカにとっては大ダメージなのですが、オバマ政権の容認姿勢は理解しがたいところだ。

ヨーロッパから見ても中東はすぐ隣であり、中東が親米政権からイスラム原理主義国家になっていった場合、イランのように亡命者がヨーロッパに殺到するかもしれない。イギリスをはじめとする国も中東には大きな利権を持っているのですが、エジプトやサウジにイスラム革命が起きれば大打撃をこうむるだろう。それともエジプトやサウジに民主主義国家が出来ると見ているのだろうか?

イスラエルにとっても、エジプトやヨルダンなどがイスラム原理主義国になれば周りを取り囲まれることになり絶体絶命のピンチとなり、パレスチナ問題も解決が不可能になるだろう。それに対するアメリカ国内のユダヤ人勢力はどう動くのだろうか? 当面は民主化革命だと言うことで推移を見ていくしかないのでしょうが、やがてはイスラム原理主義勢力が主導権を持つようになる。

イラン革命もすぐに崩壊するかと思われましたが、30年たってもイランのイスラム体制は保ち続けていますが、イランのような比較的学歴の高い国家であっても民主主義政権は難しいのだろう。イラクにしても宗教対立や民族対立を抱えて一つにまとめるのはイスラム原理主義しかない。こうなるとイスラエルは気が気でないのでしょうが、次のようなニュースがある。


◆イスラエル首相、エジプトのイスラム国家化に懸念 2月1日 日経新聞
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E3E2E28A8DE2E3E2E0E0E2E3E39C9CE2E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000

イスラエルのネタニヤフ首相は31日エルサレムで、混乱が続くエジプト情勢について「我々が恐れているのは過激なイスラム体制が生まれる状況だ」と語り、イスラム原理主義/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EAE7E0E2E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX勢力が主導権を握ることへの強い警戒感を示した。アラブ諸国で初めてイスラエルと平和条約を締結したエジプトは戦略上の重要なパートナー。米欧がムバラク政権に厳しい目を向ける中で同政権存続への期待を示したといえそうだ。

 イスラエルを訪問したドイツのメルケル首相との記者会見で述べた。ネタニヤフ首相は「抗議デモが宗教的な過激主義に基づかないとしても、混乱の中でイスラム組織が国を乗っ取ることもありうる。実際にイランで起きた」と指摘した。

 そのうえで「30分ごとに報告を受けている」と述べ、エジプトの情勢に重大な関心を寄せていることを明らかにした。イスラエル政府はこれまでエジプトでのデモについて論評を避けてきた。

 抗議デモを続ける反大統領派の中では、穏健派の原理主義組織であるムスリム同胞団/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5EBE5E1E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXが最大の動員力を持つとみられる。

 一方、31日付のイスラエル紙ハーレツは、同国外務省が欧米や中国などに駐在する外交官に対し、ムバラク体制の存続を働き掛けるよう指示を出したと報じた。ムバラク体制の安定が中東と西側諸国の利益であるとして、大統領への批判を抑制するよう働き掛けることを命じたという。(カイロ=松尾博文)

(私のコメント)

このような観点から見れば、オバマ大統領やクリントン国務長官の姿勢は不可解なものであり、このままではカーター大統領の二の舞になるだろう。当面は民主国家になるかどうか見守らなければなりませんが、まず無理だろう。そのことを一番知っているのはイスラエルであり、ムバラク体制を維持するように各国に働きかけている。

オバマ政権の脱石油政策は脱中東政策であり、イラクやアフガニスタンからの全面撤退を考えているのかもしれない。これはブッシュ前大統領がやってきたことの正反対であり、ブッシュ前大統領が言った単独覇権主義の全面撤回を目指しているのかもしれない。長期的に見ればアメリカは普通の大国となり、アジアからも撤退して、日本の在日米軍基地も無くなるかも知れない。中東で起きていることは日本とは無関係ではなく、アメリカの世界戦略の変化なのだ。


 

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コメント
 
01. taked4700 2011年2月01日 21:09:21: 9XFNe/BiX575U : dCLjalCs7A
中東政変劇の背景にあるもの。

今回のことは、周到に準備されたアメリカによる中東乗っ取り戦略が背景にあると思います。

1.インターネットを使って政権転覆のデモなどが呼びかけられているが、アメリカの軍産複合体がインターネットの制御を基本的には幾らでもでき、彼らが本当に反対なら、インターネットを使ってこんな行動が可能になっているはずがない。幾らでも、反対のメッセージを流させたり、デモを促す側のかく乱情報を流させたり、または、究極の手段としてサブリミナル効果を使ったデモの切り崩しができたはず。

2.そもそも、チェニジュアのジャスミン革命と言われるものがあまりにできすぎ。ウィキリークスが噛んでいたり、youtubeが一役かっていたり、とても、自然に起こったとは思えない。アメリカが事前に準備したものだ。

3.インターネットが普及し、しかし、パソコン人口はそんなにも伸びなかったので、新たにほぼ全人口をカバーしているテレビをサブリミナル効果の媒体として使うためにデジタル放送を世界中で普及させたのだ。これによって、一定地域の全人口だけでなく、個別的なディスプレーに個別のメッセージを表示することが可能になった。多分、今回の政変は本格的にこれを使ったテストケースという意味もあるはず。

4.中東は、アジアとヨーロッパ、アフリカをつなぐ要の地。イスラエルがその覇権を持ちたい地域だ。一般的なユダヤ人がどう考えているかは不明だが、国家としてのイスラエルはほぼ確実に拡大を狙っていて、アメリカがそれに協力して、中東全体の混乱を故意に起こしているはず。多分、チェニジュアはその第一歩であり、目的は中東の大国エジプトの混乱。独裁政権は独裁者にとっては自国が最も大切な財産であり、その国を究極的に痛めつけることはやろうとしない。そのいい例がイラクのフセイン大統領だった。彼は日本的な意味での善政をしくことはなかったが、基本的に教育に熱心で、民度の向上を図っていた。独裁者の打倒はこういった意味があり、後は、幾らでもインターネットなどを使った世論コントロールやテロによる政治混乱を作り出せる。

5.4で述べたことと同じだが、世界的に支配のやり方が変化しているのだと思う。大昔は武力で征服し相手を奴隷化していた。それが、だんだん、巧妙な支配へ移行し、第二次世界大戦前は傀儡政権を置くことによる支配、そして、第二次世界大戦後は傀儡政権さえおかず、もっと見えない形で巧妙に支配することが行われている。つまり、産業支配、資本支配と言う形だ。政治家・官僚・会社の重役などにスパイを入れ、資本を支配することによって、官僚やマスコミをコントロールして行く形だ。そして、2000年代はそれが、今度はインターネットやデジタルテレビ放送網を使った支配になっているのだと思う。基本的に、これらの変化の背景には通信技術の進歩がある。より遠隔地からより見えない形で、相手に気づかれずに相手の情報を入手し、相手を制御するか、その技術の進歩に支えられる形で、これらの支配構造の変化が起こっている。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番を付しています。<<324>>


02. 2011年2月02日 00:00:35: y3G6t3ZyRU
圧政からの自由を求めてるわけで
原理主義の束縛に行くかなー

03. 2011年2月02日 03:06:36: zKS1PzzjsU
 スタグフレーションが原因だと思います。
アメリカが後ろについてるのに何年経ってもさっぱり暮らしが良くならない。
インフレは進む。中国と比較すればその差は歴然。
日本は65年前に焼け野原になっても必死こいて努力してもっと豊か。
独裁政権で政治を安定させて暮らしももっと良くなるはずが、一体どうなってんの。

04. 2011年2月02日 08:25:50: Td0N6QHNrk

ムバラク大統領には核化の野心があり、核ドミノを嫌う欧米に阻止されたらしい、との観察がある。同時に、反米化すると逆に反米政権が核化する恐れがある。

極東ブログ/米国はエジプトをどう見ていたか、なぜ失政したのか
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/


05. 2011年2月02日 17:07:21: 1vzZKcLqZ6
イラクのフセインは教育に熱心で民度の向上など図っていない。
アメリカに担ぎあげられイランに戦争を仕掛け国内では反対者を
大虐殺した史上最大のワルのひとりだ。
そのアメリカにたたきつけられて殺されたのだ。
アメリカが支援した王制を倒したホメイニ革命は真実正義の革命で
このイラン革命をつぶすために アメリカはありとあらゆる陰謀謀略を
やってきたが30年も続いて倒れないのは民衆に支えられた正義の革命だからだ
アメリカがイランを悪の国のように世論操作していて それを信じている人間が
日本にもたくさんいる。小沢を新聞テレビが大攻撃して悪者にしているのと同じ
アメリカが恐れているイスラム革命が中東全域北アフリカに拡大していき
最後はイスラエルが消滅して中東からアメリカが排除されることになる。

06. taked4700 2011年2月02日 20:23:37: 9XFNe/BiX575U : R6T4V8QIXQ
05さん、「イラクのフセインは教育に熱心で民度の向上など図っていない。」とのことですが、例えば、ウィキペディアの「サッダーム・フセイン」のページ:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%B3
には次のように書かれています。

>イラク近代化 [編集]
独裁者として、イラクを恐怖で統治していたサッダームであるが、1970年代から80年代に掛けて、イラクをアラブで随一の社会の世俗化を図り、近代国家にしたという功績がある。その一つがイラク石油国有化である。
バアス党政権はソ連と共同で南部最大のルメイラ油田を開発させた後、1972年に国家的悲願だった石油事業の国有化を断行した。長年イラクは外資系のイラク石油会社に権益を独占され、石油利益が国家に還元されていなかった。一般に、石油国有化はサッダームの功績の一つにあげられているが、実際に計画を立てて指揮を執ったのは、当時の石油大臣であるムルタダー・アル=ハディーシーであり、政治決断をしたのがサッダームである。
バアス党政権は、国富の公平な配分を掲げていたが、原油収入が限られていたため国有化後も、思うような成果が上がらなかった。事態が好転したのは1973年。石油輸出国機構の原油価格が4倍に急騰した時だった。このころを境にイラクの石油収益は伸び続け1980年には、1968年から比較して50%の260億ドルに達した。
この石油収入を背景にバアス党政権は第3次五ヵ年計画を立て、上中流階級の解体、社会主義経済と国有化推進、イラクの経済的自立を目指した。石油産業、軍装備、原発はソ連、その一部をフランス、鉄道建設はブラジル、リン酸塩生産施設はベルギー、旧ユーゴスラヴィア、東西ドイツ、日本にはハイテク技術分野の専門家や外国人労働者、専門技師の派遣を要請した。
これにより、バアス党政権は約400億ドルを懸けて第4次五ヵ年計画を進め、全国に通信網・電気網を整備し、僻地にも電気が届くようになった。貧困家庭には無料で家電が配布された。また農地解放により、農業の機械化、農地の分配を推進し、最新式の農機具まで配られ、国有地の70%が自営農家に与えられた。また、ソ連の協力によりイラク最大級のモースル・ダム(旧サッダーム・ダム)やハディーサー・ダムも完成させた。こうした政策により、1970年代後半にはイラクの人口は35%増加した。
国内総生産における国営部門の比率も72年には35.9%だったのに対し、77年には80.4%と増加。事実上、バアス党政権が、国民に富を分配する唯一の存在となり、最大の「雇用主」であった。
これらは石油生産性がピークに達するバクル政権と、それが連続するサッダーム政権初期の功績である。がしかし、後のサッダームはイラン・イラク戦争や湾岸戦争での二度に渡る戦争、その後の国連制裁によってこれらの成果を無に帰してしまい、また経済運営も政権崩壊まで、計画経済の方針を採り続けて失敗を重ねる。
他にもサッダームはイラク全国に学校を作り、学校教育を強化した。教育振興により児童就学率は倍増した。イラクの低識字率の改善のため、1977年から大規模なキャンペーンを展開し、全国規模で読み書き教室を開講し、参加を拒否すれば投獄という脅迫手段を用いたものの、イラクの識字率は向上し、80年代に大統領となったサッダームにユネスコ賞を授与する。
また、女性解放運動も積極的に行なわれ性別による賃金差別や雇用差別を法律で禁止し、家族法改正で一夫多妻制度を規制、女性の婚約の自由と離婚の権利も認められた。女性の社会進出も推奨し、当時湾岸アラブ諸国では女性が働くことも禁じていた中で、イラクでは女性の公務員が増え、イラク軍に入隊することも出来た。男尊女卑の強い中東において「名誉の殺人」が数多く行われていた中、この「名誉の殺人」を非難した人物であることは、あまり知られていない。(この点だけはイスラーム世界の女性解放運動家に支持されている。ソマリア出身のオランダ下院議員であるアヤーン・ヒルシ・アリもサッダームのこの一連の女性政策を支持している)。もっとも、91年の湾岸戦争以後は、イスラーム回帰路線を推し進め、この「名誉殺人」も合法化している。

他にも、サダムフセインについての本で同様なことを述べてある本があります。

ブッシュ父による湾岸戦争を負け戦で戦い、しかも、政権崩壊しなかったのは、こういった業績があったからだと考えています。


07. taked4700 2011年2月02日 20:36:52: 9XFNe/BiX575U : R6T4V8QIXQ
05さんへ。

勘違いをしていただきたくないのは、アメリカの軍産複合体を支持しているわけではないということです。

軍産複合体は、アメリカという国籍をやがて失うでしょう。そして、浮草のように、単に利益のみを追求する強欲な集団として国際社会に君臨するはずです。しかし、その君臨の仕方は醜悪なものになる。マフィアやヤクザが基本的に暴力に基礎を置いているのに対し、軍産複合体は、ダマシに基礎を置くしかないからです。人の生命は限られていて、次世代の育成が欠かせません。しかし、ダマシによって自分の生活を成り立たせるしかない軍産複合体は、次世代の育成がどんどんできなくなっていくはずです。ダマシをさせるための仕組みはますます巧妙化し、ますます下劣なものになるでしょう。そこで育つ人間性はますます弱い、ひ弱いものになるはずです。

その意味で、軍産複合体の未来は決して輝かしいものではなく、暗く、ますます閉ざされたものになるしかないでしょう。


08. 2011年2月03日 00:05:29: hKV9DT1zdE
なぜアメリカがイスラエルの周辺国家(アフガニスタン、パキスタンまでを含む)に傀儡政権を樹立しようとするのか。それはイスラエルの番犬としての役割を担っているからだ。アメリカは国民の利益につながらない無益な戦争に国民をかりたててきた。アメリカの支配層の軍産複合体の正体はユダヤなのだ。アメリカの戦後政策の中心はイスラエルのためにあったといっても過言ではない。イランを敵視するのもイスラエルの利益にかなっているからだ。世界中のアメリカの傀儡政権は打倒されなければならない。日本もしかりだ。パレスチナのガザ地区の人々のためにもエジプトの一日も早い民主化が望まれる。

09. 2011年2月04日 15:27:06: cNTQxcUeqA
無茶苦茶だったけど愛国者だったんだなフセイン。

10. 2011年2月04日 17:43:48: NSC3lmAbO2
フセインは無茶苦茶ではない。ユーゴのチトーと同じことをしただけ。

シーア派やクルドの弾圧と言うけれどあれはいうなればアルカイダや極右民族主義を取り締まったわけで、ユーゴが民族融合、連邦国家維持のためにやっていたことと同じだ。
チトーの死後、恩赦で獄中から解き放たれたそうした民族主義者たちが故郷へ戻りたちまち地中に埋もれていた民族主義が息を吹きかえしユーゴはほどなく民族主義者と異宗教のぶつかり合い、血の実験場へと姿を変えた。

チトーはナチスと供にセルビア人を虐殺したクロアチア人だがチトー自身はナチスに抵抗したレジスタンスであり、サダムも多数派のスンニ派出身だがイギリスからの植民地抵抗運動に身を投じバアス党に入党した。
バアス党はスンニ派だけでなくシーア派やクルド、キリスト教徒まで世俗主義的に抱え込んで融通と飴と鞭の支配で勢力を拡大していたがイラク政権の欠点は軍部の措置にあり、軍部がたびたびクーデターを起こすのでこれをどう遠ざけるかが最重要課題となっていた。実際サダムもクーデターを利用してのし上がってきたが自分が政権につくと軍部の力を削いで軍の近代化にいい顔をしなかったといわれている。

これにはもうひとつ理由があり、軍より国内産業の発展と教育の近代化に力を注いだので軍は後回しになったともいわれているが、イランに戦争を仕掛けてイランに押し返されて始めてイラク軍の近代化の必要を感じて、やっつけ仕事的に武器を買い漁り悪戯に兵器ばかりが増えて湾岸戦争時にはソ連製のグレードダウンした兵器や戦闘機で超軍事大国アメリカ相手に驕って立ち向かったのでなすすべもなくやられてしまったともいわれている。

サダムはいうなれば国際問題化しているテロリストと呼ばれる集団をいち早く見つけ捕らえ国内の安定を最優先したテロ対策のオーソリティーであった。ブッシュジュニアのやろうとしていたことを就任当初から実践していた本来ならブッシュや米国にとって歓迎されるべき男なのである。
そのフセインを潰してしまうのだからブッシュやアメリカのやることは無茶苦茶というか支離滅裂なのである。
そのためにイラクは地獄絵図と化し、多くの無辜の民、子供たちがいがみ合いぶつかり合い殺された。
独裁という言葉を付ければなんでも倒すべきと直情的に考える前にその国の歴史、とくに近代史と地政学的状況を良く調べてみる必要がある。
民主主義と名が付けばなんでも正しいと言うのと同じくらいに危なっかしい言葉だと思う。


11. 2012年7月08日 21:19:28 : xhA8GtjSsI
宮崎氏の分析は,あたっているところもありますが,的外れと言わざるを得ません。

イランの影響力が強まっているとのお話でしたが,
シリアはどうなんですが!?・・・

シリアがいたからこそ,イランはハマスを支援し,ヒズボラに武器援助を行うこともできたのです。

宮崎氏は,イスラム過激派=同胞団=イラン,という単細胞的な思考方法で考えたと思いますが,イランの目的は,イスラム革命の輸出と単純に言い切れません。

また,イスラエルも単純にイラン憎しということで,行動をとるとは思えません。
なぜならば,シリア情勢が変化しなければ,イラン核施設攻撃もあり得たと思います。しかし,シリア情勢は,確実にバッシャール政権崩壊の道をたどっています。

もし,シリアにスンニ派同胞団の政権が誕生すれば,確実に親エジプトであり,
親サウジカタールの政権になるでしょう。それは,イラン牽制という意味では,有利ですが,スンニ派イスラム政権に囲まれるという非常に危険な状況を作り出してしまいます。この状況を打開するには,イラン・カードを使うことも考えられるのです。

例えば,アフマディーネジャドや彼のグループは聖職者支配に反対しています。そうした政権が誕生すれば,イスラエルとの和解も夢ではありません。少なくとも,サウジアラビアのような不安定な国家よりも信頼できます。
サウジアラビアという存在自体が不安定であり,世界にイスラム主義を撒き散らしている国家の体制が,崩壊しない限り,中東の不安定化は終わりません。


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