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NHKスペシャル「海軍400時間の証言」の見方
2009/08/11 13:41
9日夜からはじまった、連続NHKスペシャル「海軍400時間の証言」が、興味深い。戦前、世界第3位の規模を誇った日本海軍には、当時の日本の秀才たちが競って受験した兵学校出の、エリートのなかのエリートが集まっていた。
それなのに、海軍は、どこで、どう、まちがってしまったのか。この問いに、すくなくとも、この番組は、かなりの部分で答えていると思った。
旧海軍の中枢部にいた人たちが、戦後、集まって、自分たちの失敗を後世に残すために、長年にわたって「海軍反省会」をひらいていた。時間にして400時間にもおよぶ、反省会のテープも保存されていた。番組は、このテープを中心に構成されている。
この反省会が注目されるのは、出席者のなかに軍令部の中枢にいた人物がいたからだ。日本海軍というのは、おおざっぱにいって、海軍省、軍令部、連合艦隊にわけられるが、いちばん力をもっていたのは、いわゆる統帥権を利用しつつ、作戦や軍備をうけもっていた軍令部であった。
「責任は、東條英機ひとりじゃない。むしろ海軍側にある」(元大佐)
「陸軍は暴力犯、海軍は知能犯。いずれも陸海軍あるを知って、国あるを忘れていた」(元大佐)
「本当に事実を後世に伝えなければ、本当のことがわからない」(元中将)
こういったコメントのなかには、宮様軍令部総長にたいする疑問とか、山本五十六神格化批判など、およそ戦前では考えられない辛辣な内容もふくまれている。
ほんとに、そう思っていたのなら、戦後ではなく、戦前の、現職中にいってほしかったが、ま、それはないものねだり、というものだろう。
ナマの証言をとりあげた番組といっても、視聴者のほうも、それなりに構えてみたほうがよい。発言者は、自分の証言が、後世にどう評価されるかを十分に意識して語っているし、証言の選択、構成などは、番組制作者の編集のままである。「400時間の証言」といっても、放映されたのは、ごく一部であり、すべて送り手によって取捨選択されていることを念頭においておきたい。
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