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現在、沖縄島民が米軍の基地移転を強く要望する最大の理由は、ひとえに島民の生活を脅かす軍用機の絶え間ない発着音の問題だろう。
もし、その騒音が100%(!)無くなれば島民も喜んでではないにしろ(他にも若干問題があるから)、或る程度、基地の受け入れを容認するのではないか。
── 米兵による基地外での犯罪や事故に関しては、
人口比から言って日本人と比較しとりわけ多いワケではない
でも、そんな、騒音を完全に遮断することが可能であろうか?
それは、基地の本来の戦術的(さらに戦略的)役割を理解し、現在の主要打撃力である戦闘機を他のものに転換すれば可能となる。
それはズバリ、普天間を戦闘機基地からミサイル基地へと転換することである。
そしてそのミサイルとは、地上基地に設置する対空・対艦・弾道・巡航・防衛ミサイル(アト、威嚇用のダミーミサイル)のことである。
そしてミサイル以外には、哨戒用・警備用に、少数の艦船と航空機があればいい。
これによって普天間は、戦闘機の飛び交う騒音基地から、静かなる防衛基地への大転換が可能となるだろう。
では、沖縄(普天間)基地の意義とは
今や、沖縄の米軍基地は、対中国(そして北朝鮮)のためにあると断言できるであろう。
そしてその仮想敵国・中国あるいは北朝鮮と、軍事対決という事態になった時、基地の戦闘機は有効な作戦手段として働くだろうか?
多分、難しいだろう。
ナゼなら、現在(特に21世紀以降)の近代化された正規軍同士の対決において、徹頭徹尾なされるのはミサイル攻撃の応酬となるだろうからである。そのミサイルは陸上基地や艦船・潜水艦から互いに膨大な数が発射されるはずであり、このミサイル攻撃戦によってほぼ大勢は決するだろう。
そこには、戦闘機も空母も(ヘリによる空挺部隊も)入り込む余地はない。アメリカがこれまで低開発国との戦争においてしたように、戦闘機がワザワザ危険を犯して敵地上空まで出かけて行き、そこでミサイルを単発的に発射するという愚はマズなされないだろう。
アトは核ミサイル(戦術核含め)が使われるかどうかダケの問題となるだろう。
すなわち、現在の沖縄基地に配備された戦闘機は、過去の戦術構想の遺物に過ぎなく、平時におけるデモンストレーション以外の何物ものでもない。今普天間において、それをミサイル配備に切り替えることはまさに時代の要請と言えるだろう。
(すでにこの現実は、北朝鮮がそのミサイル開発一つで、日本や韓国そしてアメリカにも脅威を与え、右往左往させていることからも明らかであろう)
この戦闘機からミサイルへの切り替えにおいて、もちろん日本には、その国土防衛においていかなる損失もないが、アトはそれがアメリカ側にとってはどうなのかと言う点になる。
アメリカが同意するか
確かに、「静か基地におけるジット静止したミサイル」では、平時にアメリカの軍事的威圧を周辺国に与えるには見劣りするかも知れない。
しかしモノは考えようで、定期的にミサイルの発射訓練を日本近海で行いまたそのミサイルの性能・配備の状況を常に世界に発信しておけば、日本防衛の力量を周辺国に理解さすのに困ることはないだろうし、またその方が、戦闘機の絶え間ない発着訓練をしたり、あるいは軍事的緊張関係が生じる度にその戦闘機を搭載した空母艦隊を動かして莫大な経費を費やすよりは、はるかに安く上がり、財政が圧迫されている昨今ではより相応しい軍事的プレゼンスと言えるのではないか。
ただ一方で、アメリカは、日本防衛を口実に、アメリカ側で持て余し気味の戦闘機等のメンテナンスや保管、搭乗員の訓練のために沖縄を利用したいダケなのかも知れない。アメリカにとっても古い戦術構想の遺物に過ぎない戦闘機や空母であろうとも、まだまだ自国が絡む国際紛争において使い道があるし、またそれをアッサリ捨て切るには苦痛が大き過ぎるからだ。
日本が取るべき姿勢
しかし日本政府は、日本の国益と国民の意思の下に、主張すべきことはハッキリ主張すべきだろう。単純にアメリカの利益に迎合することはない。
ただそのためには、予め日本の防衛省が新しい防衛構想(ミサイル防衛戦術かつその戦略性)をしっかりプランニングし、それをアメリカの軍上層部にも納得させなければならないだろう。
沖縄を旧兵器の訓練とメンテナンスの場所にしておきたいウンヌンは別にして、アメリカにとっても、新時代に対応した同盟国防衛体制が構築できるなら、それに越したことはないはずだ。
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