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(回答先: インドのシン首相: 「ルック・イースト」外交 24日〜26日まで日本を訪問 中国に対抗していく姿勢(毎日 投稿者 hou 日時 2010 年 10 月 23 日 00:48:15)
http://jp.asksiddhi.in/article/99.html
米国はインドの莫大な可能性に注目
米大統領の訪問は、アメリカとインドという二大民主主義国家間が近年感じつつある経済関係の膠着状態に新風を吹き込むことになるか。
米国政府は来月初頭に予定されているバラック・オバマ(Barack Obama)大統領の訪印に合わせ、インドへ58億ドル相当の軍用輸送機の輸出とともに、大口の取引をまとめようとしている。米大統領の訪問は、アメリカとインドという二大民主主義国家間が近年感じつつある経済関係の膠着状態に新風を吹き込むことになるか。
情報筋によればインド政府は米国からボーイング社(Boeing Co.)製C-17型運搬機10機を購入することをほぼ決定しており、これは二カ国間で過去最大規模の軍事取引となる。運搬機の実際の価格については明らかにされていない。取引総額は米大統領訪印中にも合意に至るとされているが、およそ100億ドルから120億ドルほどになる見込みで、これにはゼネラル・エレクトリック(GE)社からの軍用ジェットエンジンの購入や、貨物機関車、偵察機などの輸入も含まれるとされている。
オバマ米大統領は11月5日から9日までの日程でインドを訪問する予定。米国としては経済面・軍事面で成長著しいインドとは、対中国戦略上の要所として関係を強化しておきたい。さらに従来より敵対関係にあり、南アジア地域でともに影響力の強いインドとパキスタン双方とバランスを取った外交を継続することで、対アフガニスタン戦争後の同地域における米国の地位を築きたい。
インドはこの数年来、米国からの防衛機器輸入に積極的になっている。インド政府は今後数年間で数十億ドル単位を投じ、軍事設備の近代化と、老朽化したロシア製機器類の交換を計画している。世界最先端の軍事技術を導入するため、インド政府は米国のほか、フランスや英国などの軍需企業との交渉を進めている。インド政府が購入を計画している126機の多目的軍用機、金額にして100億ドル相当の入札企業の中には、ボーイング社やロッキード・マーチン社(Lockheed Martin Corp.)も当然、含まれている。
米大統領の訪問は、インドに進出している、または進出する計画の、米を中心とする外国企業が、特にエネルギー、テクノロジー、小売、ヘルスケア、バンキング分野において直面する厳しい規制に対し、噴出させている不満も背負ってくるものとみられる。インド政府はまた、長年の課題となっている保険や小売産業における外国企業の介入枠拡大に向けた認可も放置している状態だ。
米政府筋によればオバマ大統領は訪印の際、これら諸課題とあわせ、特にインド市場での参入障壁について各界から挙がる懸念をぶつけてくるものと考えられるが、これ以上の詳細についてはコメントが控えられている。
インド株式市場は好況を続け、外国からの投資を惹きつけている。米国との貿易額も増加の一途を辿り、毎年376億ドルを維持している。いっぽうで米国その他諸外国企業からは、インドは外国直接投資先としての期待に応えず、むしろ9%近い魅力的な年間経済成長率を盾に、参入条件をコントロールしているという批判が高まっている。
「現時点で、インドは極めて自信過剰と言わざるを得ない」デリー郊外ジンダル・グローバル法科学校(Jindal Global Law School)で会社法の教鞭を執りながら、インドにおける外国直接投資を研究しているチャールズ・マドックス(Charles Maddox)氏は指摘する。「米国を相手に瀬戸際の駆け引きをしている」
もっとも情報筋は、オバマ大統領の訪印に先駆けた米政府の懸念の筆頭は、不安定な議論の狭間で揺れる民間核エネルギー協力の問題だと指摘する。2008年に起草された同協定は、インドが過去に行ってきた核実験に対する制裁こそ解いたが、GEを含む米企業からの核技術の輸入はまだ進展していない。最近になりインド国会を通過した、事故発生時には原子力発電所の運営事業者が全責任を負うものと規定した事故責任負担に関する法令が、他国での事例と異なる点に不安を抱えていることも一因としてある。「核責任負担体制が国際標準と合致していない国々との核技術協力は支持できるものではない」GE広報担当者、ミカエル・テトゥアン(Michael Tetuan)氏。
こうした局面については、インド政府内、また米印二カ国の政府間の高官レベルで話し合いが続いていると、情報筋は説明する。インド政府に近い関係者によると、インドは米国企業に安心感を与えるため、施行を前提とした法の整備は行うが、米政府や企業が求めるならば法令の見直しや責任負担の規定を外すことも辞さないというメッセージを送り始めており、実質上、米国からの圧力に屈しつつある。
いっぽうのインド商務省では、現在100%外国企業に所有が認められているヘルスケア部門への外国投資に向け、監視を強化していくことを計画している。その手段のひとつとして、海外製薬会社らに対する、ジェネリック製薬市場での特許許諾を制度化する方針などを話し合っている。
インドに進出している米国企業に対する影響団体、米印法人組織組合(U.S. India Business Council)のグレッド・カルバウグ(Gred Kalbaugh)理事は、「(インド側は)『価格が気に入らなければ、特許強制実施許諾を発行し、技術を奪取すればよい』などと吹聴している」と非難する。「そうした態度が投資家らの間に多大な不安要素をもたらした。多くの人が不信感を抱いている」
これに対するインド商務省側のコメントは得られていない。また、デリーの在印米国大使館の広報担当者も、コメントを控えている。
その他業界の最近の動きも、米国側を不安にさせる要素を添えている。米検索大手グーグル(Google Inc.)やスマートフォンのブラックベリー(Blackberry)端末を製造するカナダのリサーチ・イン・モーション(Research in Motion Ltd.)は、通信内容の監視・検閲を求めるインド政府への対応に戸惑っている。
過去数ヶ月間に渡り、フランス、ドイツ、ロシアの産業影響団体の指導者らによる、各国企業の海外における関心をまとめていたGEのジェフ・イメルト(Jeff Immelt)代表取締役は、オバマ政権が核設備、燃料タービン、ヘルスケアなど米国企業の海外における売上向上に期待されるほどの成果を挙げていないことを指摘している。
インドにおける非課税買収の実現も、英ボーダフォン・グループ(Vodafone Group PLC)が2007年、インド第2位の携帯電話会社を112億ドルで買収した際の政府の攻防を考えると、困難が拡大することは必至だ。インド政府はボーダフォンが、先の買収により源泉徴収されるはずだった26億ドル相当の税金が未払いであると主張している。これに対しボーダフォン側は、取引はともに海外法人との間で交わされたものであり、インドの司法権の影響を受けないと応じている。
「インドに投資を考える、全ての多国籍企業にとって、大いにマイナスな事例となってしまった」ボーダフォンのヴィットリオ・コラオ(Vittorio Colao)代表取締役は最近のインタビューでこう述べている。
インドの道路その他インフラへの投資を考える外国企業も、政府の入札規則が複雑すぎ、また土地の取得も非常に時間がかかると不満を表明している。シティ・グループ(Citigroup Inc.)や香港上海ホールディングス(HSBC Holdings PLC)などの金融サービス企業は、年間で開設できる支店の数を制限されており身動きが取りにくい環境だ。シティ・グループのシティバンクは、規制の少ない消費者金融業に参入を試みたが、クレジットカードや消費者ローンにおける債務不履行者が予想より多く宙を蹴っている状態だ。
近年、インドへ流れ込む外国直接投資額は増え続けている。ただし、2006年度の伸びが146%であったのに対し、2009年度は6%と、減速は否めない。
米政府は、インドにおける市場開放の方針が早い段階で修正されることを期待している。それでもなお、長期的に見れば、二カ国間の経済関係は大幅に改善していることは認めざるを得ないようだ。
フランシスコ・サンチェズ(Francisco Sanchezz)米国際貿易商務次官(U.S. undersecretary of commerce for international trade)は最近、デリーで応じたインタビューの中で、「二カ国間の商業活動が活発化する中では、どんなに良好な関係であっても壁や不合意はあるものだ」と、前向きな意見を述べている。「ただし過去20年間の著しい進歩の流れを汲んで、努力は根気強く続けていくべきだろう」
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