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不注意か故意か ムンバイのテロ事件の真相をめぐって
ゲオルギー ヴァネツォフ
19.10.2010, 13:42
http://japanese.ruvr.ru/2010/10/19/26999370.html
どんな秘密もいつかは暴かれるものだ。2008年11月にインドのムンバイで発生したテロ事件も例外ではない。以来、インドは長い間、事件の首謀者と実行犯について詳細な情報収集を行ってきた。そして最近、アメリカの特務機関がこの事件が発生する何年も前に、こうしたテロ事件が準備されていることを知っていたことが判明した。166人もの市民が犠牲となったこのテロ事件を未然に防ぐため、アメリカはインドに警告することができたはずだ。しかしアメリカはなぜそれをしなかったのか。
この問いに対し、はっきりとした答えを出すことは難しい。不注意か、それともほかの理由からか。明らかになったところによれば、アメリカで今年3月にテロ犯として有罪判決を受けたパキスタン系のアメリカ人、デヴィッド・ハドリー被告の妻が2005年の夏、夫婦喧嘩をした後、ニューヨークの特務機関に夫の秘密を打ち明けた。妻の証言によって、ハドリー被告はパキスタンのテロ組織「ラシュカル・エ・タイバ」のメンバーであり、テロ事件を起こす準備として何度もムンバイを訪れていたことが明らかとなった。ハドリー被告が、インドやアメリカで活動が禁止され、アメリカが作成した活動禁止組織リストに含まれている「ラシュカル・エ・タイバ」のメンバーであるという事実から、FBIを含むアメリカの特務機関は警戒する必要があっただろう。事実、FBIの職員らはこの情報がかなり興味深いものであったことを認める発言を行っている。しかし、そのときに彼らがどのような措置を講じたのかについては未だ明らかになっていない。そもそも何らかの措置が取られたのかどうかも明らかではない。ハドリー氏はまったく別の容疑で逮捕され、まもなく保釈金によって自由の身となった。
この情報をめぐってはさまざまな見解がある。ハドリー容疑者に厳しい罰が与えられなかったのは、氏が過去にアメリカの麻薬対策局に情報を提供していたからだろうという意見。あるいはアメリカが自らの戦略的同盟国であるパキスタンのイメージを壊したくなかった、またパキスタンとインドの関係や地域全体の情勢を悪化させるのを避けたかったからだという声もある。しかし、実際にはすべて逆の結果となった。ムンバイでのテロ事件発生後、パキスタンとインドの関係は急激に悪化し、地域情勢も激化した。アメリカがテロ事件に関して知り得た情報について警告を発さなかったことについてはもうひとつの見方がある。モスクワのインド研究センターのタチヤナ・シャウミャン所長に伺った。
―アメリカが今、インド・パキスタン関係の悪化を望んでいるとは思わない。冷戦が終わり、核保有国であるインド・パキスタンの間で紛争が発生する脅威もありえない。おそらくアメリカはこの情報にしかるべき注意を払わず、インドに通告しなかっただけだ。アメリカのこの過ちによってインドは大きな代価を払うこととなったわけだ。
最近インドを訪問したアメリカのCIA(中央情報局)のパネッタ長官は、CIAとインドの特務機関は共同のテロ対策と情報交換を継続すると発言した。しかしアメリカが伝達すべき情報を自らの基準で選別しつづけるとしたら、ムンバイで起きたような事件は今後も繰り返されることになるだろう。
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