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中国:「ポスト胡」習氏確実 5中全会、軍事委副主席選任 12年、党総書記に
<分析>
【北京・浦松丈二】中国共産党の重要方針を決める第17期中央委員会第5回総会(5中全会)は18日、革命第5世代の習近平国家副主席(57)の中央軍事委副主席就任を決め、閉会した。中国では軍掌握がトップの条件。習氏の軍事委副主席就任は、胡錦濤国家主席(67)の後継者として事実上内定したことを意味する。習氏は、12年の次期党大会で胡主席が兼務している総書記を継ぎ、翌13年の全国人民代表大会(全人代)で国家主席に選ばれる見通し。
◇「妥協」で権力闘争回避
習氏は副首相を務めた保守派の長老、故・習仲勲氏の子息で高級幹部子弟の政治勢力「太子党」の筆頭格。同じ第5世代で、胡主席と同じ共産主義青年団(共青団)出身の李克強副首相(55)と、支持勢力を巻き込んだ後継争いを繰り広げてきた。
習氏を推すのは、対日強硬派として知られる江沢民・前国家主席(84)。3年前の党大会で上海市トップの書記から党序列6位の政治局常務委員に抜てきされたのは、上海市書記の先輩でもある江前主席らの後押しがあったとされる。
一方、共青団グループの先輩には1980年代に政治改革を進め、保守派の長老たちから「親日派」と批判されて失脚した故・胡耀邦元総書記もいる。
内部事情に詳しい党幹部は「太子党は(保守的な)長老に連なっており、共青団グループは(改革派だった)胡耀邦氏の流れをくんでいる。両派には80年代からの深い遺恨があり、内政だけでなく対日政策でも大きく考えが異なる」と解説する。
それでも胡主席が後継者問題を決着させたのは、2年後の党大会直前まで後継体制が決まらないと権力闘争が激化すると考えたからだろう。太子党の習氏を次のトップに内定するにあたっては、共青団グループの李氏を次の首相に確定させるなど両派の妥協が成立した可能性が高い。
結果から見ると、両派の妥協は5中全会前に成立した模様だ。3年前に習氏が序列6位、李氏が同7位となっていることから既定路線だとも言える。
ただ、会期中の16日に四川省成都などで起きた反日デモについて、「日中関係が指導部内の主導権争いに利用されているようだ。反日デモには中国内部に向けられた政治的な思惑がある」(中国の大学教授)と不安視する声もある。
デモの後ろに、習氏への早期の権力委譲を胡主席らに迫る政治勢力があったという見方だ。胡主席に比べると日本とのパイプが細いといわれる習氏が、揺れる対日外交のかじ取りをする際、こうした見方が負担になる可能性がありそうだ。
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