01. hou 2010年10月03日 12:27:46: HWYlsG4gs5FRk
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http://japanese.cri.cn/881/2010/10/02/147s164686.htm2009年5月17日 未来の中国指導者たち ティナ・ワン 中国の若手指導者たち(中国指導者第六世代)は、1980年代に成人した世代に属する。1980年代、中国は経済改革を推進した。彼らは、経済改革の真っただ中に飛び込んでいった。中国の若手指導者たちにとって、文化大革命(Cultural Revolution)は、歴史上の、遠い昔の出来事に過ぎない。現在の中国の指導者たちは、技術者上がりである。一方で、若手指導者たちは、大学で、経済学、法学、政治学を専攻した。彼らは、中国政界のスターであり、10年以内に、中国を動かすようになるだろう。 中国専門家たちの間で、これから出世する若手指導者たちの名前は、中国共産党の機関紙「人民日報」(People’s Daily)でよく取り上げられているから気をつけなくてはいけない、という理解が共有されている。40代の中国の若手政治指導者たちは、2009年4月に発行された「?球(地球)人物」誌(“Global Personalities”)の雑誌の表紙を飾った。この雑誌の発行元は人民日報である。 シンガポールの有力日刊紙「ストレイト・ニューズ」紙は、「中国指導者第五世代の人々も、2007年に中国共産党中央政治局委員に就任する前に、同じ雑誌の表紙を飾った」と報じている。 これから先10年、派閥政治、中国共産党や中国の政治システムに何が起きるかを予測することはできない。中国指導者第六世代の顔ぶれを見ると、第四世代(胡錦濤国家主席や温家宝国務院総理)が、中国をどのように治めていきたいかがはっきり分かる。中国共産党中枢部は、平和裏に、そして、計画的に権力移譲を進めたいと考えているのだ。言い換えると、「権力移譲のルール」(the rules of the game)のようなものを作り、それに従って権力移譲を進めたいと考えているのだ。2002年に、江沢民(Jiang Zemin、こうたくみん)から胡錦濤(Hu Jintao、こきんとう)へと権力が移譲された。それまで、中国の権力移譲には、粛清が付き物だった。それを一新しようというのである。「我々中国共産党は、今の指導者登用システムを維持したいと考えている。この制度では、未来の指導者をあらかじめ指名し、それから20年近くかけて訓練することになる。このような制度にしておけば、胡耀邦(Hu Yaobang、こようほう)と趙紫陽(Zhou Ziyang、ちょうしよう)に起こった問題を回避することができる」 以上の談話は、経済と政治の改革を求める、中国共産党の局長を務めた人々のインタビューを、香港中文大学のマイケル・デイビス教授(政治学専攻)がまとめたものである。 将来の指導者を若い時から指名しておく制度は、保険制度とよく似ている。前出のデイビス教授は次のように述べている。「もし誰かが指導者に不適格だと分かれば、静かに出世のラインから外すことができる。中国の指導者が急激に変わらないということを示すのは賢いやり方だ」 中国政治の新しいスターは次の面々だ。周強(Zhou Qiang、しゅうきょう)湖南省省長、胡春華(Hu Chunhua、こしゅんか)河北省省長、孫政才(Sun Zhengcai、そんせいさい)中国国務院農業部部長(農務大臣)、陸昊(Lu Hao、りくこう)中国共産主義青年団中央書記処第一書記が第6世代のスターたちだ。努爾白克力(Nur Bekri、ヌル・バキリ)新疆ウイグル自治区区長も第六世代のスターと目されている。しかし、そこまで有名ではなく、ダークホース的な存在に位置付けられている。バキリはウイグル族出身である。 中国指導者「第六世代」は、「第五世代」と様々な面で似ている。第五世代の中心人物は、習近平(Xi Jinping、しゅうきんぺい)と李克強(Li Keqiang、りこっきょう)である。習と李は、2012年に開催される中国共産党大会で、「第四世代」の胡主席と温総理の後を受けて、最高ポストに就く。そして、習・李体制で、2022年まで中国を統治する。胡錦濤と温家宝は大学で工学専攻だったが、習近平と李克強は、それぞれ経済学と法学を専攻した。中国共産党では、伝統的に、工学系の出身者が高い地位に就く傾向にあった。しかし、最近では、社会科学系の出身者たちが重要な地位を占めるようになった。第五世代の人々はその顕著な例である。 「中国の指導者層に大きな変化を与えたのは、歴史と経済における変化である。若手指導者たちの時代がやってきたのだ。彼らは、経済声量が中国にもたらした変化に対処しなければならない」中国史専攻のフィリップ・クーン・ハーバード大学教授はこのように述べた。若手指導者たちは社会科学を専攻していた。彼らは、社会科学の知識によって、中国が直面している社会的、経済的大変化に対処することができるのだ。 クーンは続けて次のように言う。「若手指導者たちは、中国の近・現代史を使って、ナショナリズムと外国からの圧力を強調するようになっている」実際、中国の若手指導者たちは、共産党の教義を喧伝する技量を磨いている。多くの若手指導者たちは、中国共産主義青年団(the Communist Youth League)の幹部を経験して、出世してきている。中国共産主義青年団を通じて、胡錦濤は権力の基盤を構築することができた。 「中国指導者第六世代」の周強、胡春華、孫政才、陸昊の4人は、ポピュリスト派(populist group)とエリート派(elite group)という2つの派閥にそれぞれ属している。周強、胡春華は、胡錦濤国家主席と李克強副総理の派閥(ポピュリスト派)に属している。一方、孫政才、陸昊は、習近平国家副主席の派閥(エリート派)に属している。この分類をしたのは、ブルッキングス研究所の主席研究員チェン・リ(中国政治専攻)である。リは現在の中国政治について、次のように説明している。現在、中国の政界には2つの派閥が存在している。エリート派は、中国に育ちつつある中産階級をさらに成長させ、中国経済と世界経済とのつながりを強化しようとしている。ライバルのポピュリスト派は、中国共産主義青年団出身者が多く、「団派(tuan pai)」と呼ばれている。彼らは、貧しい地域、もしくは内陸部地域で党や政府の幹部として働いた経験を持つ。彼らは、現代中国社会に発生する摩擦や、都市と地方の格差の是正に関心を持つ。 2つの派閥分けは、大雑把な分類である。前出のデイビス教授は次のように書いている。「2つの派閥両方に属していると考えられる政治家たちが多数存在する」 「第六世代」で特徴的なことは、誰も「太子党(princelings)」に分類されない、という点だ、と前出のリは述べている。太子党とは、中国の過去の指導者の息子たちのことを指す。習近平など、「第五世代」に属する政治家たちの多くは、過去の中国共産党指導者たちの息子たちだ。 第六世代の若手指導者たちは、現在の年齢が42歳から49歳くらいの人々である。彼らにとって、中国史上、最も「過酷な試練」であった文化大革命(1966年―1976年)は、遠い過去の出来事でしかない。第五世代の人々は、十代の頃、文革の嵐の中で、地方に下放(sent down)され、厳しい労働を体験した。リは次のように述べている。指導者間の政治的な分裂を回避することが、中国の指導者にとって重要な目的となった。彼らは、1989年に発生した天安門事件は、指導者間の分裂によって回避できなくなってしまったと考えている。そうした深刻な分裂を回避するために、2つの派閥は、それぞれに属する若手政治家たちを敢えて、ライバルの派閥に送り込むと言うことを行っている。若手を相手の派閥で数年間過ごさせるのだ。例えば、孫政才は、現在、国務院農務部部長(農務大臣)を務めている。しかし、孫は、元々、エリート派に属する政治家である。 リは、次のように書いている。「第六世代のエースが決定されたと考えるのは時期尚早である。第五世代の政治家たちは、第六世代があまり早く台頭して欲しくないと考えている。しかし同時に、自分たちの派閥の若手をしかるべき地位に就けたいとも考えている。第五世代の政治家たちは、第六世代に課題に注目が集まらないように、と願っている。それは、第五世代の自分たちの時代がまだ始まってもいないからだ」 |