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アハマディネジャドとオバマの間接的な論争(仏『ヴォルテールネット』より)
http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/810.html
投稿者 さすれば 日時 2010 年 9 月 30 日 18:59:09: reQxnNwQ2shuM
 

国連総会におけるアハマディネジャド・イラン大統領の演説については、すでにこの板でバルセロナさんが紹介しているが、フランスでも『フィガロ』や『リベラシオン』などの一流紙が取り上げた。テレビ局『ヨーロッパ1』でも演説の様子を放映した。どれもが、演説中の911事件の内部陰謀に関する発言に絞っており、またその反響を報じている。反響は、西欧の外交筋のコメントが多く、いずれもアハマディネジャドに批判的である。しかし、ニュースとして彼の演説内容を一応客観的に報道した点では、日本のマスゴミと違って、ヨーロッパにはまともなジャーナリズムがまだ残っていると思うのは私だけであろうか。

さらにこの国連演説の翌日、アメリカのオバマ大統領が、テレビのインタビュー番組で「憤慨ものだ」などと感想を語ったことがまたまたニュースとなった。『ロイター』やAFPが流し、『フィガロ』『レクスプレス』カナダの『サイバープレス』などが記事にしている。
ここでは、9月26日に『ヴォルテールネット』に掲載された主筆ティエリ・メイサンの記事『アハマディネジャドとオバマの間接的な論争』から、911関連の小部分を抜粋して翻訳してみる。
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アハマディネジャドとオバマの間接的な論争

国連におけるアハマディネジャドの演説は、西側で情報操作の大きなキャンペーンと、オバマ氏のイラン国民に向けた即興的な応答を引き起こした。通信社の歪曲された速報とは異なり、本来のテキストに基づいて、ティエリ・メイサンが二人の国家元首の間接的な論争の真の問題点を明らかにする。
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イラン大統領と米国大統領は、メディアによって断片的で歪められて報じられたが、異例な一種の論争に耽ったところだ。マハムド・アハマディネジャドは、9月23日午後、国連総会でスピーチを行った。バラック・オバマは翌朝、BBCテレビのペルシャ語放送でそれに応えた。二人の発言は、共にそれぞれ戦略の変化を表現している。それはもはや、両陣営が互いの理想について述べるチャンピオン争いではない。ののしり合ったりもしない。互いに相手の尊重すべき国民に対して革命を呼びかけたのだ。

(中略)

ここにアハマディネジャドのスピーチがある。まずは「文明の衝突」理論の拒否である。主唱者であるバーナード・ルイスとサミュエル・ハンチントンにとっては、「文明の衝突」は不可避である。だから西欧世界は、殺されるよりはむしろ殺すために軍事力の整備を選択するほかない。イランの大統領から見れば、それは馬鹿げたことである。グローバリゼーションの時代、商取引や文化交流の発展により、人々は自らを知り、相互に尊重し合う方向に向かっている。ユダヤ教徒、キリスト教徒やイスラム教徒にあっては、それぞれが共同体的信仰を持ちながら、互いに調和した関係を築くように導かねばならない。
しかし、アハマディネジャド氏にとっては、「文明の衝突」は、世界を分割し支配する目的で、シオニストの運動によって不自然に推進されているイデオロギーであり、そこには人間性を素通りした紛争があるのみである。

(中略)

インタビューは、BBCのペルシャ語放送で実現した。このペルシャ語放送は、米国のペルシャ語放送よりもイラン国内に多くの聴取者を持っている。
・・・・オバマ大統領はバハマン・カルバジから質問された。カルバジはイラン人ジャーナリストで、2001年に祖国の独裁体制から逃げ出したと称している。
最初にカルバジは、イラン大統領の911に関する演説についてオバマ大統領にコメントを求めた。彼は答えた。「憤慨している。これは悪意に満ちている。そんな話をここで、マンハッタンでよくできたものだ。まさに家族が身内を亡くしたグラウンドゼロの北側でだ。このような言明は許せない」
次いでオバマ氏は、大したことではないが、911テロ翌日のイランの民衆の反応を述べ、その時の犠牲者に対する感動的な同情の表明と、今回のアハマディネジャド演説との違いを指摘している。
インタビューの後半で、彼はアハマディネジャド政権の政策は行き詰っていると説明した。彼によれば、政治は実りなく、制裁をもたらすばかりで、イラン人は日常生活で過酷な結果に耐えなければならなくなる。彼はこのロジックを多くの分野で展開し、パレスチナ問題に至って結論とした。急進主義は無益であり、平和はイスラエルとの妥協でのみ達せられると。

(中略)

要約すると、イラン大統領は、すべての一般の人に対して、そして特にアメリカ人に向けて、911の死者たちはイスラムの犠牲者ではないのだと言明した。彼は国際的な調査委員会の設立を求めた。そこで出される結論は、中東における死者たちと同様、米国の死者たちも等しく、(米、英、イスラエルの)世界支配システムの犠牲者であることを示すことになるかもしれない。
一方で、米国の大統領は、放送を通じてイラン人に語りかけた。指導者は911関連の組織に加担しても、この事件については疑問を抱かないよう示唆し、さもなければ彼らは新たな制裁に耐えなければならないだろうと。

つまるところ、ワシントンの反応の迅速さはその弱さを暴露している。もしオバマ大統領が即刻反論することを選んだのだとしたら、遅れれば危険があるということだ。米国人の74%は、政府の構成員が911テロを仕組んだか、またはテロを知りながらわざと放置したと信じている。しかしながら彼らは、約3000人の死に責任がある権威者に対して反抗しない。つまり今のところ、国家安全保障の狂信者たちが、国家の重大事に役立つと想像される際には、民衆に対する犯罪をも企てることができるという論理に、彼らは納得させられているということだ。
ところが、アハマディネジャドが示唆しているのは、それと反対に、陰謀家たちは、一般の米国人の利害を犠牲にして、多国籍グループの利益の範疇で行動したということだ。一般米国人は、広がりつつある中東の戦場で死ぬことを運命づけられている肉弾と考えられている。この考えは、世界支配のシステムを危険な目にあわせる。なぜならば、それは米国民の意識を目覚めさせ、反乱へと押しやる可能性があるからである。

http://www.voltairenet.org/article167073.html  

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