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生存者は今:9・11から9年/4 英雄、一転「政府陰謀説」唱え
◇真相知りたかっただけ
ニューヨークの世界貿易センター(北タワー)の管理人だったウィリアム・ロドリゲスさん(49)はあの日、30分以上遅れてビル地下の事務所に到着した。その直後、1機目の航空機がビルに突入した。遅刻しなければビル最上階の食堂で朝食中だった。67人の同僚は食堂で死んだ。
清掃が主な仕事のロドリゲスさんは、5本ある非常階段のカギの一つを持っていた。消防隊員らと39階まで階段を駆け上がり、次々と解錠して回った。救助作業をビル崩壊直前まで続けた。
テロの犠牲者、被災者には多くの中南米系の不法移民がいた。彼らが米政府の補償対象外と知ったプエルトリコ出身のロドリゲスさんは、担当者の記者会見に乗り込んで支援を訴えた。スペイン語のテレビで被災者に呼びかけて2200人を集めた。政府は、彼らの個人情報を強制送還に用いないと約束し、補償を行った。
20歳の時にマジシャンとして米国に来たが、鳴かず飛ばずで管理人になったロドリゲスさんは一躍、英雄としてホワイトハウスに招かれ、ブッシュ大統領と握手した。「祖国」からも表彰された。
だが、活動は意外な方向に進む。ロドリゲスさんは「テロ発生時に、地下1階よりさらに下から爆発音が聞こえた」と、別の爆発があったと訴えて真相究明運動に参加。テロの背後に米政府の思惑が隠されていると主張する「9・11陰謀説」信奉者の「顔」となった。世界中を講演して回り、日本も訪れた。
04年にブッシュ大統領ら156の個人・団体を陰謀の共犯者として告訴。当然、有効な証拠を提出できず06年、告訴は棄却された。
あらゆる陰謀説を告訴に盛り込んだのは「弁護士がやった。僕は真相を知りたかっただけだ」。ロドリゲスさんはそう釈明する。「陰謀があったのは疑いない」と強調するが、自ら口にすることはなくなった。
現在は、テロ後に結婚した妻と子供2人と暮らす。講演は続け、多くは無償で「メディアへの対処法」や「リーダーシップの獲得の仕方」など、9年間の体験を語る。生活費は妻頼みだ。
「テロの生存者には2通りある」と言う。「PTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥るか、体験を話して回って自ら癒やすかだ」。自身は後者だ。ロドリゲスさんは「誰かを助けていないと、落ち着かない」と続け、生存者が背負わされたものの大きさを、うかがわせた。【ニュージャージー州ノースバーゲンで山科武司】
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