http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/429.html
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スペインの裁判所、イラクで自国カメラマンを殺害した米軍兵士に逮捕状!
2003年4月8日、スペインTele5(シンコ)のカメラマン、ホセ・コウソが、バグダッドに侵攻したアメリカ軍によって、ウクライナ人ジャーナリストのタラス・プロツユクと共に惨殺されました。
このイラク戦争はジャーナリストを殺す戦争としても有名ですが、コウソはその最初の犠牲者の一人となりました。
(写真:生前のホセ・コウソ)
http://www.larazon.es/images/uploads/image/f0/f5/235967/c617x266_couso.jpg?1280395610
(マドリッドの米国大使館前でコウソ惨殺に抗議するスペインのマスコミ関係者とジャーナリスト)
http://www.elpais.com/recorte/20030409elpepunac_1/XXLCO/Ies/20030409elpepunac_1.jpg
そして、「戦場での事故」を主張して逃げる米国当局と米軍に抗議するコウソの遺族、特に兄弟のハビエル・コウソらの数年間にわたる粘り強い活動が、一つの実を結びました。
7月29日のスペインの新聞とテレビニュースは、全国管区裁判所(日本の高等裁判所のようなもの)に所属する判事サンチアゴ・ペドラスが、コウソ虐殺に直接に手を下した3名の米国軍人、軍曹のThomas Gibson、隊長のPhilip Wolford、そして少佐のPhilip Campに対して、コウソ殺害の容疑で逮捕状を出しました。
極東にある某米国属国の司法当局者とは一味違うように思えますが、これを伝えるエル・ムンド紙記事の最初の方だけを引用して拙訳をつけておきます。
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【引用、対訳開始】
http://www.elmundo.es/elmundo/2010/07/29/comunicacion/1280394672.html
El juez ordena detener a los militares sospechosos de matar a José Couso
判事は、ホセ・コウソを殺害した容疑で米軍兵士の逮捕を命じる
María Peral | Madrid
Actualizado jueves 29/07/2010 11:11 horas
El juez Pedraz ordena busca y captura e ingreso en prisión para los tres militares estadounidenses sospechosos de la muerte de José Couso, y pide autorización al CGPJ para viajar a Irak entre octubre y noviembre para hacer una inspección ocular de lugares de los hechos.
ペドラス判事は、ホセ・コウソを殺害した容疑で、3名の米軍兵士を、見つけ出して逮捕し刑務所に入れるように命令を出した。そしてCGPJ (Consejo General del Poder Judicial、英語訳ではThe General Council of the Judicial Powerで、「スペイン司法権総合委員会」とでも言えばよいか?)に対して、10月から11月の間にイラクに向かい、事件現場の調査を行う許可を要請した。
El Tribunal Supremo ordenó este mismo mes a la Audiencia Nacional que reabriera la investigación por la muerte en Irak en 2003 del cámara de Telecinco José Couso, al estimar el recurso presentado por su familia contra el archivo de la causa.
最高裁は今月になって、全国管区裁判所に対して、テレシンコのカメラマン、ホセ・コウソの2003年の死についての捜査を再開するように命じていた。これは遺族によって申し立てられていた死亡原因の資料に対する上告を考慮してのことである。
El TS establece que la estrategia bélica denominada "de impacto y terror" sobre personas protegidas en caso de conflicto armado "es penalmente imputable a quien tenga dominio sobre la dirección específica de las operaciones bélicas".
最高裁は、この紛争地で保護されるべき人々に対する「ショックと脅威(原文impacto y terror英語ではshock and awe)」に貫かれた軍事戦略は、「軍事作戦の指揮に携わる者が重大な責任を負うべきものである」ことを明らかにした。
【以下、省略】
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もう一つの大手紙エル・パイスもほぼ同じ内容の記事を書いています。
http://www.elpais.com/articulo/espana/Pedraz/ordena/captura/militares/acusados/asesinar/camara/Jose/Couso/elpepuesp/20100729elpepunac_5/Tes
Pedraz ordena la captura de los tres militares acusados de asesinar al cámara José Couso
ペドラスは、カメラマン、ホセ・コウソ殺害の容疑で3名の(米国)軍人の逮捕を命じる
もちろん米国と米軍がこれに応じるとも思えませんが、この、米国とその戦争に対してのあからさまな挑戦は、今後、いろいろな方面に波紋を投げかけるものと思われます。
今でもまるで昨日のように思い出すのですが、ホセ・コウソが殺害されて2日後に、英国の外相ジャック・ストロウが、イラク戦争の旗揚げ式に参加したホセ・マリア・アスナールと会談するために、マドリッドを訪れました。そのときに、首相官邸前に到着したストロウを、数十名の新聞記者、テレビ記者、カメラマンが取り囲み、取材を拒否してカメラもマイクも地面の上において、数十秒間、腕を組んでストロウを黙ってにらみつけていました。代表のTVカメラマン一人がその様子を写し、それが全てのテレビニュースのトップを飾ったのです。
極東にある某米国属国のマスコミ関係者とは一味違うように思えますが、イラク開戦初期には、もう一人のスペイン人記者フリオ・アンギータ・パラド(エル・ムンド紙)も、バグダッドで米軍のミサイルで殺されています。彼は、元スペイン統一左翼党(旧共産党)党首だったフリオ・アンギータ氏の子息でした。
イラク戦争が開始されたときに、たしか、日本の新聞やテレビ局は特派員を送っていなかったのではなかったかと思いますが、スペインのマスコミ関係者たちは命がけでこの戦争を取材しました。その一例を訳していますので、ご覧ください。
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/580.html
12月9日のバグダッド東部のモスクでの惨劇についての記事
今年になって、中道右派系の新聞エル・ムンドは、この戦争に対する怒りを爆発させたような特派員の報告を掲載しました。
http://www.asyura2.com/10/warb3/msg/450.html
米国のイラク支配を痛烈に批判するスペイン大手紙記事:「歴史が彼らを裁くだろう」
イラク戦争は大嘘で始められた戦争です。そして、911事件から始まる「対テロ戦争」は、その最初から隠ぺいとねつ造、大嘘の塊でした。「戦争犯罪」などといいますが、何よりも、最大の犯罪はこの隠ぺいとねつ造、大嘘に他なりません。
(参照)
アングロ・アメリカのテロ戦争:概観(M.チョスドフスキー)、および翻訳後記
http://doujibar.ganriki.net/translations/3-01,angloamericanswar.html
ブレアーが世界をたぶらかし続けた8ヶ月(「ダウニング・ストリート秘密メモ」の巧妙な心理作戦)
http://doujibar.ganriki.net/translations/6-06,downingstreetmemo.html
そして、日本はその大嘘によって次々と財産を掠め取られ、日本人の生活は従来の中南米の状態に向かおうとしています。
(参照)
「ZERO」への熱い思い 日本人の覚醒に向けて
http://doujibar.ganriki.net/911news/ZERO.html
日本を潰すために仕掛けられた「時限爆弾」にスイッチを入れたのが、2001年9月11日のあの忌まわしい事件でした。
911から現在に至る、米国支配者の詐欺ペテンとその手口を、誰にでも分かるようにまとめたものが次の拙著です。
「テロ&戦争詐欺師たちのマッチポンプ」内容紹介
http://doujibar.ganriki.net/bookcontents1.html
この大嘘、虚構への追及抜きに「戦争犯罪」を語るものがいるとすれば、それは「テロ&戦争詐欺師たち」の一員か、あるいは無自覚のうちにそれに手を貸している人々なのでしょう。嘘は、いずれ明らかにされ、歴史によって裁かれることになります。
スペインの判事が、彼の指定したホセ・コウソ殺害者を逮捕できるのかどうかわかりません。しかし、本当の殺害者は、ブッシュであり、ブレアーであり、チェイニーであり、ラムズフェルドであり、そしてその裏にいてネオリベラル経済を操り世界を破壊する金融支配者どもでしょう。彼らは同時に、日本国家の破壊者、日本人の生活破壊者でもあります。この点こそ、歴史に刻まれなければなりません。
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