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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=823
7月19日、イスラエル軍がヨルダン渓谷にあるパレスチナ人の家屋を74軒破壊した。これを受け、アムネスティ・インターナショナルは、7月21日、イスラエル当局に対し、西岸地区におけるパレスチナ人家屋と他の建物の破壊を停止するよう要請した。
月曜日、アルファリシヤ地域にあるマイール村とエイン・ガザル村においてイスラエル軍が家屋を破壊し、52人の子どもたちを含む107人が家を失った。
国連の統計によると、2010年に西岸地区の少なくとも198の構造物が破壊され、300人近くのパレスチナ人が強制的に排除された。このうちの半数は子どもたちである。またこの他にも、600人が影響を受けている。
「最近実施された家屋破壊は、ヨルダン川西岸のC地区と呼ばれる地域からパレスチナ住民を退去させるための政府戦略の一環であるという懸念が強まっている。西岸地区のC地区では、建築計画・実施について、イスラエル当局が完全にその管理下に置いている」。アムネスティの中東・北アフリカ副部長であるフィリップ・ルーサーはそのように述べた。
月曜日にイスラエル軍が破壊した建築物は、住居用テント、テントとは別にある炊事場と手洗い場、農業用建物、畜舎などだった。
軍はまた、水タンクや食用および家畜飼料用の小麦にも損害を与えた。
家屋破壊の3週間前に、イスラエル軍は村の住民に退去命令書を配布した。その際、住民たちは24時間以内に退去するよう求められた。
ヨルダン渓谷の他の多くの地域とは異なり、マイールとエイン・ガザルのコミュニティは過去に家屋破壊の被害をうけたことはなかった。
パレスチナとイスラエルの報道によれば、退去命令が出た理由は、家屋が「封鎖軍事地域」にあるためだとイスラエル軍当局は述べているという。
被占領西岸地区のヨルダン渓谷のほとんどはイスラエル軍によって「封鎖軍事地域」と宣言されているか、およそ36のイスラエル人入植地によって占拠されている。
「封鎖軍事地域」では、イスラエル当局はパレスチナ人に対し、建物の建設および土地の開発を禁じている。
6月24日には、ヨルダン渓谷北部のエイン・アルヒルウェ村の2家族(5人の子どもたちを含む15人家族)と、その付近にあるエイン・アルベイダ村の家畜用建物に対しても、イスラエル軍は退去通告を出した。どちらの村もC地区にある。家屋破壊はまだ行なわれてはいない。
7月15日には、西岸地区のヘブロンの南西にあるC地区の一部にある2つの建物が破壊された。
イスラエルの新聞「ハーレツ」の7月19日付けの報道によると、西岸地区のイスラエル軍当局は政府の命令に基づき、C地区で「違法」建造物とみなされたものに対する法令の施行を強化するために行動している。
オスロ合意の下、イスラエル当局はC地区と定められた西岸地区の60パーセント超を占める地域を民間および軍の双方で支配し続けている。
そこに暮らす推定15万のパレスチナ人たちは、建築においても、また移動の自由においても、厳しい制約を受けている。
C地区における建築計画の関係機関にパレスチナ人の代表者は加わっていない。そのうえ、この地域のパレスチナ住民は退去および家屋破壊に異議申し立てをすることがほぼできない。
「被占領西岸地区の大部分におけるパレスチナ人の建築の可否の権限をイスラエル軍だけが持っているという今の制度は受け入れられない。建築の計画・実施を決定する役割は、地域のパレスチナ人コミュニティが担うべきだ」。フィリップ・ルーサーはそのように語った。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年7月21日
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