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「独りファシズム」より
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「ジョニーは戦場へ行った」
あまり報道されませんが、アフガンでの米兵戦死者が1000人、イラクでは4000人以上を突破したそうです。女性や子供など非戦闘員である無辜の人々も殺戮され、これらの累計死者数は推定75万人以上に上ります。中東の民主化だのテロ撲滅だのと大儀を掲げたところで、アメリカという国にとって戦争は公共事業。ロッキード、ダグラスグラマン、ボーイング、TRWなど「基幹産業」は、一定周期で大規模な戦争がなければ存続できないわけですから、常に戦火を焚きつけるべく莫大な資本を背景にロビイ活動をしまくってるわけです。今更ですが、軍需、金融、エネルギー業界結託の利権集合体が、息のかかった連中を中央政界に送り込む。これがアメリカという国の支配構造です。日本では退官した官僚が民間に天下りして高額報酬の見返りに官庁への口利きを行いますが、アメリカでは逆に民間の企業トップが高官へ就任し、出自企業や業界の利益誘導を行うことが慣習化しており、これを「回転ドア」と言います。
ちょっと例をあげても、デリバティブなど危険な金融商品の規制緩和策を推進し、世界中の金融機関や投資家に大損失を与えたロバート・ルービン元財務長官はゴールドマン・サックス証券のCEOでした。ブッシュ元大統領はカーライルという軍需ファンドを運営し、衆知の通り石油業界の出自です。チェイニー元副大統領はハリーバートンという兵站企業の出自で、湾岸戦争、イラク戦争により莫大な利益を得ました。こんな具合に政官財の癒着は、ある意味、日本より徹底しています。アメリカは建国からからこれまで200以上の戦争・紛争を引き起こし領土と資源を獲得、その都度に国力を拡大させてきたわけです。しかしながら、イラク、アフガンと戦時体制も長期化し、今では租税の半分が戦費に費やされるという惨状です。戦費支出に加え、金融機関は推定6京円にものぼる損失を出し、雇用は途上国に流れ、貧困率は世界一位となり、600万人が食糧配給券で食いつなぎ、パートタイマーや不定期就労を加味した失業率は20%を超え、さすがにここまでくると「戦争ケイジアン」による内需奮起や乗数効果で経済が活性化できるわけもなく、加速的に崩落する国家は、さながらローマ帝国末期の様相を呈しています。
「老人が戦争をおこし、若者が死ぬ」という言葉がありますが、むしろ「死んだ若者」は幸せだったかもしれません。近年はボディアーマー(防弾服)の発達がめざましく爆破物による死亡率は著しく低下していますが、それは四肢や脳、眼球等が損傷され、一生身体的、精神的に重篤な障害を抱えることを意味します。まさに、死ぬ以上の苦しみです。近代戦の課題は「如何に効率よく殺傷するか」ではなく、「如何に効率よく負傷させるか」にシフトされました。要は、戦死者1名より、負傷者1名のほうが救護活動で兵力を効率よく損耗させ、医療費や社会保障費支出により敵国財政を逼迫状態にすることができるからです。また、身体的損傷のない帰還兵でも三十万人以上が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っており、彼らの自殺未遂は月平均1000件以上という報告があります。このまま戦争が継続されると、戦死者の遺族補償、傷痍軍手当て等により、最低でも200兆円規模の財政支出になると試算されていますから、どっちみち、アメリカの覇権は後10年ともたないでしょう。
現在、日本国が保有する米国債、ドル建外貨準備金は官民合算で約700兆円ですが、「預かり証」を保有しているだけで現物証券はニューヨーク連銀の金庫に保管されています。中国やロシアなどは財政事情に応じて売却できますが、日本はこれの自由処分を認許されていません。為替状況に応じた利益確定もできず、ドル建外貨準備金だけでも30兆円以上が毀損されています。結局、戦後65年経った現在も米国による占領統治政策は連面と引き継がれ、国民資産は「アメリカの財布」と化し、そのまま戦費として拠出されているわけです。
「ジョニーは戦場へ行った」という映画を観たのは小学5年生くらいだったと思います。第1次大戦下、砲撃で顔面顔を潰され、四肢を失い、芋虫と化した青年が病院のベッドで日々ひたすら、幼年期から出征するまでの記憶を回想するというストーリーに衝撃を受け、トラウマとなりました。ジョニーが父親と鱒釣りに行った日を思い出す場面では、当時の自分と同じ年代に重なり、いい知れぬ恐怖を感じたものです。ちなみに前線へ送られる兵士約8割がマイノリティの有色人種、平均年齢25歳の若者だそうです。今現在、いったい何十万人の「ジョニー」がこの世の地獄を見てんでしょうね.......
(以上引用)
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