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株式日記と経済展望
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アフガニスタンのアメリカ軍部とホワイトハウスのオバマ大統領の
戦争への認識のズレは、マクリスタル司令官解任で表面化した。
2010年6月24日 木曜日
オバマ大統領とマクリスタル司令官
◆アフガン駐留米軍司令官、更迭不可避か 政権高官批判発言 6月23日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000606-san-int
【ワシントン=犬塚陽介】アフガニスタン駐留米軍トップのマクリスタル司令官や側近らが米誌ローリング・ストーンでオバマ政権高官を批判した問題で、オバマ米大統領は22日、発言に強い不快感を示し、23日に司令官と直接会談した上で処遇を決めることを明らかにした。司令官は大統領に謝罪し、辞表を提出する見通し。文民統制を揺るがす状況に大統領は強い姿勢で臨む方針とみられるが、イスラム原理主義勢力タリバン掃討作戦への影響も否定できず、大統領は極めて困難な決断を迫られる事態に直面している。
オバマ大統領は閣議後、マクリスタル司令官の発言は「まずい判断だった」と不快感をあらわにし、司令官の更迭については「最終判断を下す前に司令官と直接話したい」と語った。
ギブズ大統領報道官は22日の定例会見で、処遇については「すべての選択肢が残っている」と明言を避ける一方、21日夜に記事を読んだオバマ大統領が「憤慨していた」とも述べ、大統領が司令官の召還を求めたことも明らかにした。
対ゲリラ戦が専門のマクリスタル司令官がタリバンの掃討に欠かせないとの指摘もあるが、ギブズ報道官は米国のアフガン政策の遂行は「どんな個人的事情よりも大きい」と述べ、アフガン駐留米軍への信頼感をおとしめた司令官の更迭も排除しない方針を明確にした。
米CNNテレビは国防総省高官の話として、マクリスタル司令官が「職務を維持できる余地はほとんどない」と述べ、23日中に辞職するとの見通しを示した。
問題の記事でマクリスタル司令官は、駐留米軍の増派に否定的だったバイデン副大統領をばかにするような発言をしたり、アイケンベリー駐アフガン米大使を批判的に論じたりしている。
さらに、側近がアフガンでの対テロ戦争を「大統領自身の、いまいましい戦争」などと語り、ジョーンズ大統領補佐官やホルブルック米特別代表(アフガニスタン・パキスタン担当)をさげすむような発言を繰り返していた。
2011年7月の米軍撤退開始を描くオバマ政権だが、01年に始まったアフガンでの対テロ軍事行動がベトナム戦争を超えて米国史上最長の「戦争」となった現在もなお、治安回復は予定通りに進んでいない。
マクリスタル司令官も06年から通算約4年にわたってイラクやアフガンでの任務を続けており、戦争の長期化が米軍の士気や規律の低下を生んでいるとの指摘も出始めている。
オバマ政権と軍部の緊張状態について、米メディアの一部では、トルーマン大統領による1951年の連合国軍最高司令官、マッカーサー元帥の解任劇になぞらえる報道も出ている。
◆増派なければアフガンは勝てないと司令官 2009年9月24日 リベラル21
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-912.html#
在アフガニスタン米軍司令官兼国際治安支援部隊(ISAF)司令官のスタンリー・マクリスタル将軍が、ゲーツ米国防長官に「もっと兵隊と資源を送ってくれなければ、アメリカのアフガン戦争は失敗するだろう」とする秘密報告(8月30日付)を送っていたことが9月20日、ワシントン・ポスト紙にすっぱ抜かれ、オバマ大統領に新たな難題となっている。オバマ氏は当面、ニューヨークの国連総会を舞台に展開中の核軍縮、気候変動首脳会議やピッツバーグでの金融危機G20サミットなどの首脳外交に忙殺されているが、内政最大課題の医療保険改革法案が保守派の反撃で難航しているところへ、新たな難問が降りかかった形である。
ブッシュ政権のアフガン、イラク戦争政策を批判して大統領選に勝利したオバマ氏は、2011年末までにイラクから米軍を撤退させることを決定、イラクに関する限り出口戦略は実行に移されつつある。アフガン政策に関してオバマ政権は今年3月、アフガニスタンとパキスタンに根を張るイスラム過激派タリバンを軍事的に掃討、その一方でアフガン国民に対する民生支援を厚くすることにより、アフガン政府を強化するとの包括戦略を発表した。この新戦略にそって、オバマ氏は年内に2万1千の米軍を増派することを決断。5月には現地の米軍司令官を更迭し、イラクで現地アルカイダ指導者ザルカウィ容疑者の爆殺に成功するなど、米陸軍の特殊作戦専門家マクリスタル将軍を起用した。
マクリスタル将軍は、対ゲリラ戦つまりアルカイダやタリバンのような反政府武装勢力に対する特殊戦争の専門家であり、現地民衆の人心を得ることが作戦の要諦であることを充分心得ている軍人だ。だから敵国の通常軍隊と戦うための大規模編成部隊や大型兵器よりも、イスラム民衆に敵視されるような振る舞いをしない兵隊を必要と考えていた。しかし実際にアフガンに駐留する兵士たちは、イスラムの習慣もアフガンの習俗も知らない西洋人異教徒であり、アフガン民衆からは「外国の占領軍」とみなされ、民衆の敵意にさらされている。
タリバンは厳格なイスラム教徒の集団であり、極めて古典的な戒律を強制するために民衆に恐れられている側面はあるが、同胞であることに変わりはない。タリバンは、いわば「勝手知ったる我が家」で暴れている連中である。国際的シンクタンクICOS(治安と開発の国際審議会)が最近発表した分析によると、タリバンはアフガン全土の97%で活動しており、首都カブールや南部“首都”カンダハルを含め、アフガニスタンで完全に安全な場所はどこにもないと言っても過言ではない。(中略)
7月、8月とアフガン駐留の米軍始め外国軍の死傷者が急増する中、アフガン戦争に対する懐疑的な風潮が出兵国の間で広まっている。米国でも9月初めの世論調査で、アフガン戦争を続ける意味がないと考える人が51%に達し、初めて過半数を超えた。アフガン戦争は「オバマのベトナム戦争」になるかもしれないとの憂慮の声が、民主党リベラル派の間にひそかに広がり始めているとの報道もある。
一方、パキスタン北西部で5月から展開されたパキスタン政府軍によるタリバン掃討作戦は、今のところ予想以上の成功を収めている。パキスタン・タリバンの根拠地である部族地域の南ワジリスタン地区では、タリバンの頭領であるベイトゥラー・メスード司令官が、米特殊部隊の無人機によるミサイル攻撃で死亡したことが確認された。対タリバン作戦が始まったスワット地区でも、タリバン指導者が殺されたり、捕虜になったりしている。この数カ月、米国から見てパキスタンでの「前進」とアフガニスタンでの「後退」が明らかになってきている訳だ。オバマ大統領は今後、タリバンを抑える軍事作戦のために米軍大幅増派を決断するのか、それともアフガン民衆をタリバンから離反させるための、長期的非軍事・民生支援を重視する政策を本格化するのか。あるいはアフガンへの介入を諦め、マクリスタル将軍の言う「敗北」を甘受するのか。難しい決断の時期が迫っている。
険しい山々と渓谷が続くアフガニスタン
(私のコメント)
アフガニスタンは昔から帝国の墓場と呼ばれてきましたが、アレキサンダー大王の遠征以来、そこに手を出す帝国は滅び続けている。最近では大英帝国が手を出して失敗したし、ソ連も10年間も戦い続けましたが撤退してソ連は崩壊した。アメリカもやがてはアフガニスタン戦争での敗北が致命傷となって分裂崩壊の末路をたどるのでしょう。
アフガニスタンは地図を見ても分かるように険しい山国であり小さな車しか入れないところが多い。例えばスイスも山岳国家ですがナチスドイツですらスイスには手を出さなかった。険しい山岳地帯は空からの攻撃もままならず地上戦闘では通れる道も限られるから待ち伏せ攻撃でやられる。
このような近代兵器が通用しない戦争はベトナム戦争でも体験しているのですが、アメリカ軍がアフガニスタンに侵攻して勝利できる見込みは無いだろう。もちろん大軍を送り込んで現地政府を打ち倒す事は簡単だ。しかし全土を完全支配するには武装した山岳ゲリラを絶滅させる事は不可能だ。
アフガニスタンは内陸国だから隣接国に逃げ込んでしまえばアメリカ軍は追う事も出来ない。さらに海に面していないから補給も海路を利用するj事が出来ず補給は空輸するしかない。陸路で補給するにしても険しい峠を越えなければならないからなかなか補給が難しい。ソ連ですら隣接していてもアフガニスタンを攻略出来なかった。
軍事的な常識をわきまえていればアフガニスタンには手を出さないはずですが、ブッシュ大統領はアフガニスタンを攻撃した。イギリスもNATO軍として参加しているが、イギリスは19世紀に二度の対アフガニスタン戦争を行なったが結局は投げ出して撤退している。イギリスのブレア首相はなぜそのような歴史的な経験をアドバイス出来なかったのでしょうか。
アメリカ人のほとんどはアフガニスタンが何処にあるのかも、どんな国なのかも知らないでしょう。アメリカ人は単純だから近代兵器を駆使すれば簡単に制圧できると見ていたのでしょうが、険しい山国にでは近代兵器も通用しない。バンカーバスターという爆弾を投下してみたところで山の中の地下壕には効果が無く、砂漠に水をまくようなものだ。
今朝のニュースでマクリスタル司令官の解任が発表されましたが、ベトナム戦争におけるウェストモーランド将軍も対ゲリラ戦の専門家だった。しかしベトナム戦争では最盛期には55万の大軍を送り込んでも決定的な勝利が得られなかった。このように国民が徹底的な抵抗を示せば政権は倒せても国を支配統治する事は不可能に近い。
他国を支配統治するには大軍を送り込んで支配する事よりも、その国の政治家を買収して傀儡国化することのほうが利口なやり方だ。政治家とマスコミをカネで買収すれば国民世論など自由に操る事が出来る。それでアメリカが一番成功しているのが日本統治だ。アメリカに逆らう首相が出てくればマスコミを使って辞任に追い込むことが出来る。
小泉内閣が一番典型的な例ですが、アメリカが望むような政策を実行できれば長期政権が維持できますが、逆らえば短命政権になる。鳩山政権はインド洋の給油を止めて沖縄の海兵隊基地を追い出そうとしたから辞任に追い込まれたのだ。菅政権はそれを見て現実的に対応しようとしている。アフガニスタンのカルザイ政権も同じ事だ。
しかしイラクやアフガニスタンは米軍にボコボコにされているから、アメリカに対する憎しみが増してしまって統治が取れなくなってしまった。このような状況ではいくら大軍を駐留させていても爆弾テロなどの抵抗が止まない。このような状況になれば大軍を駐留させているアメリカの方が経済的に持たなくなってきたようだ。
主戦場はイラクからアフガニスタンに移りつつありますが、そこには5万人のアメリカ兵と7万人近くの民間の傭兵が派遣されている。アメリカの矛盾した姿が浮かび上がって来ていますが、軍の兵士は送れないが傭兵なら金で雇えばいくらでも送ることができるからだ。そして傭兵なら戦死してもアメリカ兵の戦死扱いはされないから都合がいい。
7万人近くの傭兵を動員しなければならないほどアフガン戦争は異常なのですが、傭兵は民間人だから軍の規律は関係が無い。戦争を職業とする荒くれ者たちだからやりたい放題の事をして民衆の反感をかえって招いてしまう。これではマクリスタル司令官の意図とは逆の方向に行ってしまう。
◆傭兵が米兵の数を圧倒するアフガニスタン戦争 2009年9月13日 リブ・イン・ピース
http://www.liveinpeace925.com/iraq_afgan/afghan_many_contractors.htm
わずか5000人程度の米軍の投入で2002年には勝利したかに見えたアフガニスタン戦争は、みるみる兵員がふくれあがり、現在当初の12倍にもなっている。この数週間内にもマクリスタル将軍が2万人の増派を要求するという議論もされている。米軍拡大への転機はアフガニスタンでの「タリバン復活」と反米闘争の拡大が目に見えて明らかになった06年である。
もちろん、アフガニスタン戦争における民間軍事会社の問題が表面化するのは初めてではない。捕虜虐待や市民銃殺などで問題となり、それが米国の駐留に対する怒りとして拡大していたが、イラクの陰に隠れて話題にされて来なかったのである。オバマによるアフガニスタン重点化によって、あらためてクローズアップされることになったのだ。
ここで驚くのは、民間軍事会社=傭兵の異常な多さである。ブッシュ政権は、イラク戦争の泥沼化で兵力を割くことが困難であった分を、7万人近くの傭兵の派遣で補っていたことになる。オバマにおけるアフガン増派戦略は、もはやアフガニスタンの戦略が、民間軍事会社の軍事活動では成り立たなくなったことへの応急措置という側面があった。いかなる軍事法規にも縛られずやりたい放題の傭兵たちの活動が、アフガニスタン人民の怒りを拡大したことは想像に難くない。これまでのアフガニスタンの戦争は、「傭兵の戦争」でもあったわけだ。実際、3月末の時点で、米軍52000人に対して、傭兵は68000人に上っていたという。この57%という比率は米国の戦争史上最大の比率である。しかも傭兵の85%が米国民ではなく、各国から寄せ集めた人々だというのである。
アフガニスタン市民への殺害や虐待をほしいままにし、米兵と世界から寄せ集めた傭兵によって遂行される「対テロ戦争」をいますぐやめるべきである。
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