http://www.asyura2.com/10/warb4/msg/763.html
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(写真はイスラエル軍に惨殺されたトルコ人活動家、トルコ当局の検死によると、極至近距離から銃を発射された)
「イスラエル非難」記事に大きく紙面・時間を割くスペイン各マスコミ
5月31日に発生した、イスラエル軍による、パレスチナ支援船襲撃・虐殺事件は、イスラム諸国のみならず、欧州各国でイスラエルに対する怒りを燃え上がらせています。支援線Mavi Marmara(トルコ籍)には、2名のカタルーニャ出身者と1名のバレンシア出身者の、3名のスペイン人が乗船していました。ここで、この事件に対するスペインの主要マスコミの取り扱いをご紹介しておきます。
全国紙のエル・パイス、エル・ムンド、ラ・ラソンなど、カタルーニャ紙エル・ペリオディコ、バスク紙エル・コレオなど、スペイン全土の新聞が、一面トップ扱いでこの虐殺事件と、続く支援船レイチェル・コリー号の到着を取り扱っています。これは新聞ばかりではなく、国営TVラ・ウノなど、主要テレビ局のニュースでも同様で、ニュース・トップ扱いで、連日、状況と関連情報を伝えています。
5月31日付のエル・パイス紙記事ですが、まだ情報が混乱していたときのもので、見出しには『イスラエルはガザへの人道支援を積んだ船団を攻撃、少なくとも10名が死亡』と書かれています。
http://www.elpais.com/articulo/internacional/muertos/ataque/Israel/flotilla/ayuda/humanitaria/Gaza/elpepuint/20100531elpepuint_3/Tes
Al menos 10 muertos en el ataque de Israel a una flotilla con ayuda humanitaria para Gaza
次は6月3日付のエル・ムンド紙で、『(イスラエル軍は)無差別に発砲し犠牲者を作り始めた』という見出しの記事で、イスラエルを追い出されトルコに着いたカタルーニャ出身マニュエル・タピアルの声を載せています。彼は、イスラエルの公海上での襲撃を激しく非難し、拘束者に対して「暴行を加えた」、「3日間に一回しか食事を与えなかった」などの虐待を繰り返したとの告発を行いました。
http://www.elmundo.es/elmundo/2010/06/03/espana/1275523823.html
'Hubo disparos indiscriminados y empezaron a caer las víctimas'
これは6月5日付のエル・ムンド紙で、トルコを経由してバルセロナに帰還したばかりのマニュエル・タピアルとラウラ・アラウが、早速、約500名のイスラエルを非難しイスラエルへのボイコットを要求するデモの先頭に立ったことを、大きく取り上げています。
http://www.elmundo.es/elmundo/2010/06/05/barcelona/1275755877.html
Unas 500 personas marchan por el centro de Barcelona reclamando el boicot a Israel
またエル・パイス紙は、支援船に乗っていて襲撃を受け、トルコ経由で帰還したバレンシア出身のジャーナリスト、ダビッド・セガラとのインタビューを6月7日に行うことを予告し、読者からの彼に対する質問を募集しています。
http://www.elpais.com/edigitales/entrevista.html?encuentro=6845&k=David_Segarra
2名のパレスチナ支援活動家の地元紙エル・ペリオディコは『死亡した9名の活動家たちは30発の銃弾を受けていた』と題する記事の中で、トルコ当局による検視の結果、そのうちの5名は至近距離から頭をめがけて発砲された、つまり、正当防衛どころか最初から殺す気だったことを明らかにして、イスラエル軍の蛮行を非難しています。
http://www.elperiodico.es/es/noticias/internacional/20100605/los-nueve-activistas-muertos-flotilla-recibieron-disparos/300430.shtml
Los nueve activistas muertos en la flotilla recibieron 30 disparos
そしてどの新聞でも、またテレビ・ニュースでも、レイチェル・コリー号が、襲撃を受けることなく、支援物資を積んでイスラエルの港に到着したことを伝えています。
下はエル・ペリオディコ紙で、『「レイチェル・コリー」号は、イスラエルのはしけに導かれてアショド港に接岸』という見出しの記事です。ここには、さすがに続けさまの襲撃はできなかったものの「我が国には自衛権がある」と叫ぶネタニヤフの声が紹介され、英国の外相ウイリアム・ヘイグが「満足の意」を表したことが書かれています。
http://www.elperiodico.es/es/noticias/internacional/20100605/rachel-corrie-atraca-puerto-ashod-escoltado-por-lanchas-israelis/300390.shtml
El 'Rachel Corrie' atraca en el puerto de Ashod escoltado por lanchas israelís
(なお、支援船レイチェル・コリー号に関しては次の日本語記事をご覧ください。)
http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/388/
『自由船団のレイチェル・コリーMV号は単船、ガザを目指す』
なお、この船の名前「レイチェル・コリー」は、2003年にパレスチナ人の住居を破壊するブルドーザーに殺された米国人支援活動家の名前にちなんでつけられたものです。
そして6月5日付エル・ムンドは、トルコの司法当局がこのイスラエルの襲撃に対して「法的措置」を検討していることを伝えています。
http://www.elmundo.es/elmundo/2010/06/05/internacional/1275749053.html
La Justicia turca estudia acciones legales contra la cúpula israelí
この公海上の支援団惨殺事件に対する私の見解は出さないでおき、とりあえずこちらの新聞やテレビで報道されていることだけを書いてみました。
しかし事実として、スペイン人だけではありませんが、欧州でのイスラエルに対する視線は、以前になく厳しいものになっているようです。インターネットの上では、一般の欧州人やイスラム教徒だけではなく、ユダヤ人たちの間からもイスラエルに対する激しい非難が聞こえます。
イスラエルは孤立してますますヤケクソになってイランに突っ込んで自滅するのか、あるいは単なるごまかしに過ぎない「パレスチナ国家=ゲットー国家独立承認」に方向転換するのか、それとも、パレスチナでのアパルトヘイトをやめてパレスチナ人の帰還(「ユダヤ人国家」の解消)を認める方向に向かうのか、…。
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- ↑ レイチェル・コリー号はすでにイスラエルの港に到着しています バルセロナより愛を込めて 2010/6/06 04:30:45
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