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ドイツ大統領が辞任、海外派兵発言で批判浴び
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201006010004.html
2010.06.01 Web posted at: 10:23 JST Updated - CNN
ワールド
ベルリン(CNN) ドイツのホルスト・ケーラー大統領(67)が5月31日、突然の辞任を表明した。大統領は、世界におけるドイツ軍の役割に関する発言で強い批判を浴びていた。
公共放送ドイツェベレによると、大統領が任期途中で辞任するのは同国史上初めて。夫人を伴って記者会見したケーラー大統領は「連邦大統領職を即日辞任する」と表明、このもようはテレビでも中継された。
ケーラー大統領はアフガニスタン訪問を終えて帰国した5月22日に「有事の際はわれわれの利益を守るために軍事介入も必要になる。例えば自由な貿易路のため、貿易、雇用、収益におけるわれわれの機会に悪影響を及ぼしている可能性がある地域的不安定要因を防ぐことなどだ」と発言した。
この発言をめぐり、アフガニスタンでのドイツの役割には北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての義務を果たすことよりも、自国の利益を守るための経済的目的があることをうかがわせるとして批判が高まっていた。ドイツはアフガニスタン駐留NATO軍に約4500人の部隊を派遣している。
大統領は後に、発言の意図が誤解されていると反論、例えばアデン湾の航路を海賊から守るといったことを念頭に置いたものであり、アフガニスタンにおけるドイツの役割について言及したわけではないと釈明している。
発表の直前になって辞任のことを聞かされたというメルケル首相はイタリア訪問の予定を急きょ中止。ベルリンで開いた記者会見で、大統領の決断に驚いたと述べ、「非常に残念に思う。大統領には辞意を尊重すると伝えた」と語った。翻意を促したが説得できなかったとも打ち明けた。
ケーラー氏は国際通貨基金(IMF)の元専務理事。2004年の大統領選挙で選出され、09年に再選された。ドイツの大統領はほとんど象徴的な存在で、実権は首相が握っている。後任を選ぶ大統領選挙は6月30日までに実施される。選挙は有権者の投票ではなく、下院議員による連邦会議の秘密投票で行われる。
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