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中国の艦隊増強と、アメリカ海軍の数的減少がこのまま続けば、中国は第一列島線の内側でならばアメリカを圧倒する力を蓄積する。 http://www.asyura2.com/10/warb4/msg/548.html
株式日記と経済展望 2010年5月21日 金曜日 ◆中国はドイツ帝国の轍を踏むか? 5月20日 リアリズムと防衛を学ぶ 今回は論文の紹介です。「History Rhymes:The German Precedent for Chinese Seapower」は、現代中国とドイツ帝国の比較論です。著者のJames R.HolmesとTOshi Yoshiharaはアメリカの軍大学の研究者です。 この論文はアメリカの対外政策研究財団「Foreign Policy Research Institute」がだしている雑誌「Orbis」の2010年冬号に収録されているものです。最近一部で話題になっている論文「アメリカはいかにして2015年の海戦に敗北したか」(参考)が同じ巻に収録されています。そちらは2015年にアメリカ海軍が中国に空母を撃沈され、西太平洋の支配権を失う、という衝撃的な想定を提起した論文です。 今回とりあげる「History Rhyme(歴史の韻)」も同様に、アメリカの海洋覇権に挑戦する中国の台頭について論じたものです。現代の中国をドイツ帝国と比べ、シーパワー論の観点から共通点と相違点を吟味しています。比較によって現代中国のシーパワーとしての特質を明らかにしようというわけです。(中略) ◆大事なのは広い外洋への出口があるかどうか ドイツとイギリスの競争をシーパワー論の観点からみるならば、ドイツは明らかに不利なポジションにありました。マハンはシーパワーの必要条件として、外洋にアクセスできる1つまたは2つの港を挙げています。 そこへいくと、ドイツの外洋へのアクセスはイギリスによって遮断しやすい立地にあります。ドイツの主要な軍港はバルチック海または北海に面しています。イギリスはその南部の軍港からドーバー海峡をコントロールし、またスコットランド沖のスカパ・フロー軍港から北海を哨戒できます。ドイツがもつ外洋へのSLOCs(Sea lines of communications:海上交通路)を封鎖し易いのです。実際、第一次大戦においてイギリス海軍はドイツを遠方封鎖し、窒息させた、とHolmesとYoshiharaは論じています。 他方、中国は「海はあるが、大洋は無い」(Ma Haoliang 2009)というポジションにあります。長大な海岸線に多数の港を持っているものの、太平洋へダイレクトに出られる港は持っていない、ということです。東部中国から黄海へ出ると、どうしても太平洋に出る前に第一列島線に阻まれます。第一列島線(the first island chain)とは九州、南西諸島(奄美群島、沖縄、先島諸島ら)、台湾、フィリピンへと至る線のことです。また南部中国から南シナ海にでると、今度はベトナムやマレーシアら東南アジア諸国に取り囲まれています。 ただしYuFeng liuによれば、中国艦隊は沿岸基地からのカバーから独立して活動できるといい、またその行動には柔軟な選択肢がある、といいます。例えば第一列島線を突破すると見せかけて他に戦力を集中する、というような柔軟なオプションは、ドイツ帝国には無かったところです。 ◆もし台湾を併合すれば、中国はさらに格段に有利になる また、中国の大洋進出において重要になるのが台湾です。台湾は第一列島線の一部です。日本からみれば、台湾が存在することで中国と直接対峙せずに済んでいます。中国軍の脅威を、まずは台湾の軍事力が受け止めてくれているので、その分だけ日本に向けられる脅威が減っているわけです。中国からみればこれはまさに目の上のたんこぶ、玄関口に置かれたやっかいな障害物です。 しかしもし台湾が中国に併合されるか、又は軍事的に従属した場合どういうことになるでしょう。台湾は中国にとって「出海口 走向世界的戦略通道」(Zhan Huayun 2007)、極めて重要な戦略的通路となります。「Taiwan's Ocean facing side on the east is the only direct sea entrance to the Pacific」(同上)であり、台湾島東岸に軍事基地を建設できれば、中国は有事の際、第一列島線の国々に邪魔されずに太平洋へ戦力を送り込めるようになるからです。 中国海軍が労せずして第一列島線を越えられるようになれば、第二列島線(the second island chain)への直接攻撃が可能になります。第二列島線は日本の伊豆諸島にはじまり、小笠原を経て、グアム島、サイパン島を通ってパプアニューギニアへと至るルートです。もっとも重要なのはグアムへの攻撃です。 第二列島線の中央に位置し、最も重要なのがグアムです。グアムはアメリカ軍が西太平洋で作戦をするとき、最も重要な中継地(ハブ)として機能します。グアムは第一列島線より大陸側の同盟国軍、および米軍基地と連携して機能します。岡元もと空将の解説によれば、この地域(たとえば台湾)で有事があった場合、グアムは次のように機能します。 本格的な投入部隊はグアム島に所在することとなる。 しかし、こうした本格的投入部隊がグアム島から紛争地に機動展開するためには、約3〜4日を要する。そこで、紛争が発生すれば直ちに初動対応部隊として沖縄駐留の部隊が緊急展開し、橋頭堡を形成し、ほかの部隊との調整を実施し、約3日間の戦闘を維持する。 そして、グアム島からの本格的対応部隊の来援を待つのである。 徳之島もグアムも論外、長崎と辺野古を提案する 迷走する普天間問題に元空将が緊急提言 JBpress(日本ビジネスプレス) もし台湾問題を解決―つまり、外交的手段と軍事的手段のいずれによるかは別として、台湾を併合できれば太平洋への直通出口が手に入り、中国はさらに有利な戦略的ポジションを手に入れることになるということです。 ◆中国の非対称戦略――A2AD 中国はアメリカに対し非対称な艦隊をもって、正面決戦ではない非対称な戦いを想定している、と考えられます。これを「Anti-access strategy(接近阻止戦略)」と呼びます。アメリカ艦隊と正面から殴り合って勝つのではなく、足を引っぱる方式です。 中国はこの戦略に従って、古典的な機雷から新鋭の潜水艦、さらには対艦弾道ミサイルなんていう珍しい兵器までもを投入します。例えばある海域に中国の潜水艦が潜んでいたり、あるいは対艦弾道ミサイルの射程内だったりすれば、アメリカの空母機動艦隊はその海域に入るのに慎重になります。あるいは弾道ミサイルや爆撃によってグアムや沖縄の基地が打撃をうければ、戦力展開に遅れが生じるかもしれません。 その軍事的目的は、以下の3つです。 1:アジアの特定の作戦領域に、アメリカと同盟国の軍が到着するのを遅らせる 2:アメリカの軍事作戦を支える地域の重要な基地の使用を妨害するか、中断させる 3:アメリカの戦力投射アセット(空母や揚陸艦)を中国沿岸からできるだけ遠くに留めておく こうしてアメリカ艦隊の接近を阻止するか、または遅らせることで、中国が戦争目的を達成するために十分な時間を稼ぎ出します。これに加え、作戦領域内までの接近を許した後も、アメリカ艦隊の行動を邪魔する「area-denial(領域拒否)」を行うと考えられます。接近措置と領域拒否をあわせ、略して「A2AD」戦略と呼びます。 支配的な海軍への非対称戦略は、ドイツ海軍が積極的に採らなかった、しかしやってみると実に効果的であったものです。もちろんUボートが効果的であったからといってキロ級も効果的であるとはいえないのですが、対称戦を避けている点が中国の独自性です。 ◆中国はドイツよりも巧妙なチャレンジャー このような吟味を経て、この論文は「ドイツ帝国らかつてのランドパワーたちと同じように、中国もまた失敗するであろう、という楽観的な予言に安住していてはならない」と説きます。なぜならドイツ帝国と中国の比較から明らかなように、両国はともに支配的シーパワーに挑戦する立場ではあっても、その戦略的ポジションや艦隊、戦略らに明確な違いがあります。そしてそれらの違いは、ドイツ帝国よりも中国のほうがより困難な相手であることを示唆しています。 ドイツにとっての北海と異なり、中国にとってのシナ海は、支配的海軍が容易に封鎖することを許しません。そこにはアメリカ、日本、韓国らにとって致命的な貿易ルートが通っています。また中国は艦隊建設にあたって非対称アプローチをとってきました。中国の艦隊増強と、アメリカ海軍の数的減少がこのまま続けば、中国は第一列島線の内側でならばアメリカを圧倒する力を蓄積するかもしれません。そこまではいかずとも、最低でもその政治目的を果たすのに十分な時間だけ抵抗できる程度には強大化するでしょう。そうなれば中国はアメリカとその同盟国から主導権をもぎ取ることもできるようになります。 また、ドイツと異なって潜在的にはシーパワーの伝統を有しています。かつて中国中心の海洋秩序が存在しました。そして今、中国は確固たる戦略的意志(Strategic will)に基づいて、着実な海洋進出を行っています。 中国はドイツの興亡から多くを学んでいます。その行動は英独建艦競争に突き進んだウィルヘルム二世のドイツ帝国よりも、鉄血宰相ビスマルク時代のドイツ帝国に似ています。ビスマルクがたくみな同盟戦略をとって、ドイツを台頭させながらも周辺諸国がそれを深刻な脅威として受け取らないようにしました。中国の外交には「平和的台頭」「平和的発展」そして「責任あるステークホルダー」といった穏健フレーズがちりばめられており、中国は信頼できる温和なパワーだというメッセージを伝えています。その一方で、大規模な軍拡を行っています。このような思慮深さもまた、中国がドイツと違うところです。 これらを検討すると、周囲の環境と、リソースの急成長、思慮ぶかい外交、そして不屈の戦略的意志が結びつくところ、中国はドイツがかつてそうであったよりも恐るべき、確固とした競争者となるだろう、とこの論文は結論しています。
北朝鮮は中国にとっては鉄砲玉であり、金正日独自の判断でやったことであるにしても中国の暗黙の指示がなければ出来ない事だ。アメリカが国連による制裁には動いてもイラクのようには攻め込まないのは何のメリットが無いからだ。韓国も休戦中の朝鮮戦争を再開するような武力報復には出れない。中国はじっとアメリカの出方を見ていることだろう。 中国海軍が第一列島線を越えて西太平洋に艦隊を定期的に航行させるようになりましたが、それに対するアメリカ海軍の出方も反応はない。中国艦隊の航行に監視行動を取ったのは海上自衛隊の護衛艦だけでアメリカの海軍艦船が監視行動は取ってはいないようだ。ならばアメリカは中国による西太平洋の覇権を認めたのだろうか? 現代の戦争はミサイルや砲弾が飛びかう戦争ではなく、コンピューター上でシュミレーションして勝敗が決まる。アメリカの空母機動部隊も中国の対艦ミサイルによってやられる事がわかっている。先日もゲーツ国防長官の海軍の時代遅れの装備についての記事を紹介しましたが、中国は非対称的な海軍力を拡充して来ている。 ドイツ海軍と中国海軍は英米の海軍力に対してのチャレンジャーですが、中国は潜水艦隊を拡充してアメリカの空母機動部隊に対抗しようとしている。中国の潜水艦隊は南シナ海を航行する商船の航路でもあり、海南島に基地を持つ潜水艦部隊は航行する商船を血祭りに上げるのが目的だ。 現在の潜水艦はシュノーケルを使わずとも1週間以上の潜行活動が可能であり、原子力潜水艦と違って機関を完全に止める事が出来るし小型で静粛性にも優れている。既に第一列島線内では中国のミサイルと潜水艦によってアメリカ海軍といえども手も足も出なくなってしまったようだ。 韓国海軍の哨戒艦を雷撃したのは北朝鮮の小型潜水艦であり、軍事衛星などによって行動を探知しており、2,3日前から出撃した潜水艦があったようだ。韓国海軍の対潜能力が試されたようですが、小型潜水艦を探知できなかったのだろうか? 40メートルの水深だからソナーなどで探知できなかったのだろうか? 魚雷なども探知できるはずですが油断していたのだろうか? ネット上ではアメリカの原子力潜水艦が沈んでいるとか言う書き込みがありますが、北朝鮮工作員の撹乱工作だろう。水深40メートルの海に巨大な原子力潜水艦が潜行できるのだろうか? 現場は複雑な海底地形であり潮流も早くて座礁する危険性がある。小型の潜航艇か潜水艦しか行動できないし見つかったら逃げ場がない。 中国海軍が外洋型の大型原子力潜水艦より通常型潜水艦を多く建造しているのも中国沿岸の浅い海域を作戦海域としているからだろう。ところが日本の海上自衛隊では潜水艦は16隻体制でとても数で太刀打ちが出来ない。アメリカ海軍でも原子力潜水艦は30隻程度ですが中国は60隻以上の潜水艦を保有している。 韓国ですら25年には潜水艦を26隻にまで増やそうとしているのに日本はこれでいいのだろうか? 日本としては中国海軍を第一列島線で食い止めなければなりませんが、キーポイントになるのが台湾の存在だ。その台湾に対してはアメリカ政府はきわめて曖昧な政策に終始しているのですが、台湾が中国の手に落ちれば中国海軍は正々堂々と西太平洋に進出できる。 裏ではアメリカと中国とが密約して太平洋を東西に二分轄して管理しようという話が出ているようですが、いずれアメリカはハワイからグアムにラインまで後退していくだろう。中国の中距離ミサイルに対抗できないからですが、日本の米軍基地も抑止力どころか、親中派のオバマ大統領がG2と言っているくらいだから、中国と手を組まれたら日本も台湾も韓国も一巻の終わりだ。 沖縄の普天間基地問題は日米間の問題というよりも、韓国や台湾や東南アジアの問題であり、日米が離反すれば東アジアは中国のものになってしまう。にもかかわらずアメリカのオバマ大統領と鳩山首相は会談も出来ない状況であり、このまま行けばアメリカは日本という橋頭堡を失うだろう。橋頭堡を失えば韓国から東南アジアに至る海域は中国の勢力下に成り、アメリカはアジア市場から追い出される。 クリントン政権以来のアメリカの対中国外交はきわめて親密なものであり、三つのNOで台湾の独立を認めないと中国に約束した。そしてクリントン政権は日本に対してはジャパンバッシングやナッシングで叩き放題にしてきた。それだけ中国が経済市場を餌にアメリカに対して食い込んで来ているのです。 アメリカが中国に対して対抗できないなら手を組もうと言う勢力があるのは事実だ。日本にとってはアメリカと中国が手を組まれるのは悪夢ですが、どうなるかは日本の出方にかかっている。日本国民の民意としては普天間問題で見られるように米軍基地は歓迎されてはいない。 問題の根本原因としては中国の軍事的台頭があり軍事バランスが崩れかけている事だ。日本政府も国民も中国の軍事力の増大に対してみて見ぬ振りをして日中友好を唱えている。アメリカと中国は経済的に深く結びついてしまって離れられない関係になり、クリントン大統領やオバマ大統領は日本とは距離をおくようにして中国の言いなりになっている。 アメリカにも親中派と反中派がいて、日本としては反中派にがんばって欲しい所ですが、反中派のネオコンはイラク問題などで失敗して力を失ってしまった。親中派のオバマ大統領は日本には1日しか滞在せず中国には4日間も滞在して親密ぶりをアピールした。問題が拗れかけているにもかかわらず鳩山首相は会談を申し込んでもオバマ大統領は応じない姿勢だ。 当面の課題はアメリカが台湾に対して守る姿勢を見せるかどうかですが、中国が外洋に進出して台湾を取り囲むようにしてしまうと台湾が孤立してしまう。オバマ大統領は一部武器輸出を台湾にしましたが及び腰のものだ。最終的には自分の国は自分で守れという事なのでしょう。ならば在日米軍基地の存在は何のためにあるのかという問題が出てくる。 アメリカは核の傘とか抑止力といいますが、北朝鮮はやりたい放題の事をしているが、これはアメリカが動かないと舐められているからだ。北朝鮮が核爆弾を開発してもアメリカはついに動かなかった。だから日本も在日米軍基地に対して疑心暗鬼になるのは当然の事だ。結局は自分の国は自分で守るしかないのであり北朝鮮のようなキチガイ国家が傍にあるのに、日本国民は平和平和と唱えれば平和になると思い込んでいる。
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