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朝日新聞による「陰謀論」の利用のしかた http://www.asyura2.com/10/warb3/msg/661.html
朝日新聞による「陰謀論」の利用のしかた
*************************************** 朝日新聞の論説委員は、週刊朝日を読んでいないのかしら? ここで、この朝日新聞の「窓」欄が、次のサイトに全文(かな?)書かれているので、ご紹介します。 この論説委員が、9・11事件に関する「陰謀論」を自らどこまで研究したのかは知りませんが、フランスのティエリ・メイサンを引き合いに出すとはね。ナノ・テルミットの研究論文とまではいかなくても、せめてレイ・グリフィン博士の本くらい紹介してほしいところです。この論説委員の言う「陰謀論」は、ちっとも「消費」なんかされてませんよ。残念でした。ますます強固に広がっておりますです、ハイ。 「現場には行っていない」ねえ。確かに、目撃者に直接に取材できるという利点はありますが、9・11の「現場」に行ったところでスッカラカンのもぬけの殻なんだから、どうしようもないでしょう。「93便墜落現場」は立ち入り禁止だし、ペンタゴンは壊れた箇所の名残も無いし。写真もビデオも文書も、公開された資料はインターネットと本で出ているし。何年もたって「現場」に行ったことが、何かの「ハク付け」になるのかな? しかしそれにしても、「陰謀論」が『わかりやすい筋書きを提供してくれる』のかなあ? 実際には米国政府の公式説の方がよっぽどわかりやすい筋書きになっていて、『次の展開も読めそうな気にさせてくれる』んだけどなあ…。アルカイダは延々とどこでも「テロ」をやってくれるし、ビンラディンはいつまでもアメリカを脅しているし、それを追っかけてアメリカ軍がどんどん深入りしていくし…。アメリカの国防費はちっとも減らず日本が米国債を買っては補填する構造もまたちっとも変わらない。実に分かりやすい。そこいくと、「陰謀論」は難しくて、「論者」によって『次の展開』が全部違うんですから、困ってしまう。ホント。 きくちさんのサイトに戻ります。 ***************************************
ただ、「インボーロン」ってのは、独自の意味と響きを持っていますね。要は「黙れ!」という恫喝の一種なんでしょうけど、しだいにその脅しの効果が薄まりつつあることを、この朝日新聞の論説委員は知らないのかな? その効果を薄めつつあるのは、事実から身を避けては分別も無く「インボーロン!」を連発す人たちなんですよね。
欧米、特に米国で「陰謀論」を口封じとして利用する手法は、この9年間、全く変わっていないのですが、そもそも、元々ユダヤ人が住んでおらず「反ユダヤ主義」も「親(反−反)ユダヤ主義」も根付きようのない日本で、この用語の口封じの効果は薄いのではないかと思いますけどね。それよりもこの「陰謀論」という用語の使用は、やはり米国に対する忠誠度の表示という意味合いが強いのでは? まあ、どうせこんなふうに書くと「インボーロンジャ!」って言われるんでしょうね。 *************************************** 「陰謀論」の利用のしかた−9・11テロについて 2003年10月06日(月) 2003年9 月11日、暇なときによくするように、私はインターネットで色々な国の新聞記事を走り読みした。たいていはタイトルと最初の一節を読むというより眺めて次 の記事に移る。そのうちに偶然次の文章が眼にとまる。 「730日もたった今、なぜ私たちはあの日に起こったことについてろくろく知らないのだろうか」 こう書いたのは米国・フィラデルフィア・デーリー・ニューズのウィリアム・バンチ記者で、あの日とはハイジャックされた旅客機がニューヨークの世界貿易センターとワシントンの国防省に突っ込んだ二年前の9月11日のことである。彼と同じように感じている人々は米国で少数派であるかもしれない。でも、大西洋を隔てた欧州では事情が異なる。 ●裏に何かがある 今年の夏、ドイツを代表する週刊新聞「ツァイト」に世論調査の結果が発表された。それによると「テレビや新聞が9・11について本当に真実を報道していたと思うか」という質問に対しては、そう思わない人がドイツ国民全体では68%、30歳以下になると78%も占める。また「9・11テロは米政府がやらせた」とまで思っている人は19%、5人に一人を占め、また30歳以下ではこの割り合いが31%に増え、ほぼ三人に一人になるという。ということは、ドイツ 国民の大部分は「ビン・ラディンに操られた19人のアラブ人が9・11テロをひきおこし、米国政治指導者が不意打ちをくらって仰天した」という国際社会の通説をそのまま受け取らず、裏に何かがあると思っていることになる。 米政府がここまでドイツ国民の信用を失ったのは、イラク戦争があって事実を曲げることを厭わない米政治家を目の当たりに見たからである。その結果、9・ 11テロ直後、米国のいうことを鵜呑みにしていた人々も不信感を抱くようになった。この米国観は、西ドイツ国民が親米的であった冷戦時代と比べて今昔の感がある。 ●「パールハーバー」との類似 この傾向はヨーロッパの中でドイツに限らない。例えばドーバー海峡のむこうでも、2003年6月まで6年間も環境相をつとめたマイケル・ミーチャーが「ガーディアン」に「対テロ戦争は偽レッテル」というコメントを寄稿している。 この英政治家は、イラク戦争について論議が起こったのに「対テロ戦争」の端緒になった9・11テロに充分な関心が向けられなかったことを残念がる。彼は、米国が「ネオコン・一極支配」の実現のために同時多発テロを利用しただけでなく、(更に一歩踏み込んで、)米国がテロ事件発生を前もって知りながら拱手傍観したとまで主張する。例えば、米国が事件前に11カ国の諜報部からテロの警告を受けていたこと、テロ容疑者を泳がせていたこと、またハイジャック発生後(通常あるべき)戦闘機の緊急発進もろくろくなかったことに触れ、 「この無為無策は、責任者が状況を正確に洞察できなかったりうっかりしたりした結果であったのだろうか。それとも、9月11日に意図的に防空を放棄したためであろうか。もしそうなら、なぜそうなり、誰の命令でそうなったのだろうか。」 と疑問を投げかけて、「パールバーバー」のときのルーズベルト大統領との類似を指摘する。日本で「真珠湾攻撃」と呼ばれるこの事件で、国内世論を参戦に仕向けるために、米指導者は暗号の解読ができて攻撃を予知しながら2467人の自国兵士を死なせてしまった。ミーチャー英前環境相のこの発言に対して、駐ロンドン米大使館のスポークスマンが憤慨して抗議したのはいうまでもない。 ●「陰謀論」という烙印 9・11テロについて通説を疑問視することは欧米社会では「陰謀論」とされている。陰謀論は欧米社会でフリーメーソンから「シオンの議定書」まで、社会内の少数派の差別や迫害をひきおこした悪しき伝統とむすびつく。 前世紀1980年代から、アウシュビッツのユダヤ人虐殺・ホロコーストは欧米人の意識の中にどっかりと腰をおろし、「ホロコースト史観」というべきものができあがってしまった。ジャーナリスト同志では「論敵に対して最初にアウシュビッツを持ち出したほうが勝つ」といわれる。これは、相手に「反ユダヤ主義者」のレッテルをはり胡散臭い存在にみせることで社会的孤立に追い込み黙らせることができるからである。このあたりの事情は日本から見えにくいかもしれない。 アラブ世界に友好的なドイツの政治家が昨年パレスチナ問題でイスラエルのシャロン首相を非難しているうちに「反ユダヤ主義者」のレッテルをはられてしまう。この結果、コール政権下副総理をつとめたこの政治家は今年に入って党から追放されて自殺してしまった。イスラエル批判をするためにメディアにとって安全な道はユダヤ系の知識人に書かせるしかないのも、このためである。欧米は、パレスチナ問題である程度まで公平な立場をとり、そこから出発して政治的な解決をもたらすことができない。この残念なこともこの事情と無関係ではない。 ブッシュ大統領は2001年11月に国連で演説した。その中の次の箇所もこの背景を考慮して理解されるべきである。 「、、、我々はテロについて真実を語らなければいけない。我々は9・11テロに関して放埓(ほうらつ)な陰謀論をぜったい許してはいけない。それは真の罪人、テロリストの責任をごまかすための悪辣な嘘だからである」 米国の事件説明が「我々が語らなければいけない真実」、国際社会の通説に昇格したのは、世界中の多くの人々が超大国の剣幕の押されたり、事件の凄まじさに仰天したためだけではない。「陰謀論」と呼ぶことによって反ユダヤ主義と重ねて、論敵を黙らせることができるメカニズムがここで決定的に重要である。この結果、通説に疑問を投げかける厄介な人々は、「テロリストの責任をごまかすための悪辣な嘘」をいいふらす「陰謀論者」として扱われる。これが、ミーチャー前環境相も嘆いたが、9・11について議論を起こさせない口封じの仕組みである。 9・11の数日後、「世界貿易センターで働いている4000人のユダヤ人は前もって警告を受けていて当日出勤しなかった」といううわさが生まれて、またたくまに世界中に広がり、イスラエルを憎悪するアラブ世界の通説になった。誰がさいしょにいいはじめたかは別にして、このうわさで見え透いた反ユダヤ主義的陰謀論を9・11テロにリンクさせることになり、欧米社会の内部では口封じの仕組みの機能強化を結果としてもたらした。私にはそう思われてしかたがな い。 ●赤いハチマキと「陰謀論の罠」 町の中で誰かの家が燃えているのに消防車が車庫から出動しなけれ問題である。普通なら問題にされる国なのにそうならないのは、米国がその後「対テロ戦争」に突入し臨戦状態になってしまったからである。その結果、「今そんなことを話す時ではない」という雰囲気になった。このような事情は、「9・11調査委員会」を制限しようとするチェイニー米副大統領の次のような発言から読み取れる。 「・・・副大統領は、9月11日に起こったことの調査が『対テロ戦争』からその遂行能力と人力を奪うことを憂慮した・・・」 次に戦争になったのは、9・11を「21世紀のパールハーバー」と当時米大統領が呼び、米国民にもそう思うようになったからである。 私は、今年の9月11日前後、ドイツのテレビで「9・11、UA93便物語」というドキュメンタリー風劇映画を見た。これは当時ハイジャックされてペンシルベニアで墜落した飛行機の中で抵抗する乗客を描く。映画には乗客が携帯電話でした証言をもとにして製作されたという宣伝文句がついている。 映画を見ながら奇異な感じがした。というのは、ハイジャックをしたアラブ人は赤いハチマキをしている。この扮装が私に9・11の前に封切りされた米国映画「パールハーバー」に出てくるゼロ戦の操縦士を思い出させたからである。興味を覚えてインターネットで調べると、飛行機の乗客ジェルミー・グリックさん にはハイジャッカーが本当にそう見えたことが確認できる。でもアラブ人テロリストは本当に赤い鉢巻をしていたのだろうか。文化的違和感を覚える人は少なくない。 このような瞬間である、自分も「陰謀論者」になりそうになると私が思うのは。というのは、9・11直後、携帯で家族に別れを告げた乗客の話が世界中のメディアに報道されて、私たちの涙を誘った。(当時報道されたものは直接というより第三者、例えばFBIの担当者の話から記事にしたものが多いといわれ る。) でもここまで来ると、技術に弱い文科系出身の私は判断に困ってしまう。冷戦時代に肥大化した諜報活動が議会のコントロールされていない点に大きな危険があると指摘するビュローさんに私は賛成する。でも本当にCIAは何もかも完璧に組織し実行できるのであろうか。これはCIAを過大評価し「全知全能の神」 に似た存在に昇格させてしまうことである。でもこの組織も官僚的で硬直してとんまな失敗をすることだってあるのではないのだろうか。今夏、日本から来たヘーゲル哲学の研究者の友人が陰謀論に熱中する私に警告して、「歴史からすべての偶然を放逐し万象の背後に『神の反対存在』の作為を見ることが陰謀論の罠である」といったのこのことである。わからないことはわからないとか、不思議だとか思っているのが精神衛生上よいことになるのかもしれない。 ●陰謀論的世論操作 イラク戦争では米国と欧州が対立したが、これは大西洋をはさむ両大陸では大きな認識ギャップがあったからである。同じ現実が異なって見えていることに欧州の住人が気づいたのはブッシュ大統領が「悪の枢軸」といいだした頃からである。というのは、これも陰謀論で、皮肉なことに(政治家を含めて)多くのヨーロッパ人には薄気味悪くなってきたからである。 最近、米国民の69%がサダム・フセインも9・11テロにかかわったと思っているという世論調査の結果が発表された。これも見新しいことでなく、米国民は、ハイジャックをしたアラブ人がフセインから派遣されたとずっと思っていて、だからイラク攻撃を賛成した。このように考えることは、アラブ社会主義のバース党とイスラム過激主義とが頭の中でむすびつかないヨーロッパ人には理解できない。このような奇妙な考え方を米国人の多くがもつのは、米政府が欧米社 会全体での「口封じ」のためだけでなく、自国内の世論操作に「陰謀論」を利用していることなる。 少し前、ブッシュ大統領が記者にむかって「フセインが9・11をやらせたという証拠は米政府にない」と認めた。国民の69%が反対のことを信じ、米政府関係者もそのように仕向けたのに、このブッシュ発言は米国で大ニュースになると思うのが普通ではないのか。ところが現実はそうならないで、主要新聞では誰 も読まないような後ろのページに追いやられてしまったといわれる。 こうなってしまうのは、すでに述べた米国内の愛国的臨戦状態ムードと関係がある。(この状況は、大統領選が本格化すると変化するといわれる。)でもニュースのこの扱い方はメディアに関係する者には理解できないことではない。この業界では日々起こる事件が商品で、それを早くお届けすることが重要である。事件とは起こったことであり、その意味づけは二次的である。またそこではたらく者も忙しく事件の意味を考えたり判断したりする習慣を失う危険がある。 よく指摘されることであるが、この点で古いニュース記事がいつまでも読めるインターネットに重要な是正機能が期待される。この事情をしめすために、いつもの私の習慣に反して今回は索引をもうけた。 □引用・参考
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