01. hou 2010年3月23日 07:11:51: HWYlsG4gs5FRk 中国社会科学院日本研究所と全国日本経済学会が共催する「中日経済協力の回顧と新たな地平」国際シンポジウムが3月20日に開かれ、中日両国のマクロ経済情勢、ポスト金融危機時代のホットな問題などについて、突っ込んだ討論が行なわれた。全国日本経済学会の王洛林会長は基調講演を行い、中国の2010年の経済成長率、インフレ予期と資産価格バブル、経済政策と人民元為替レートなど、中国のマクロ経済情勢と密接に関わっているいくつかの問題について分析した。ホットマネーの流入は、中国政府では管理できないところから 入っていると思われる。 統制はとれてないと思う。 http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2010-03/22/content_19659741.htm 2010年の中国の経済成長率は9.5%以上に 王洛林会長は、一国の経済成長は主に国際情勢やその国のマクロ政策の発展の変化によって決まると話す。中国の現在の体制下で、マクロ政策の影響が一層際立っている。政府活動報告では、経済の過熱を防ぐため、中国は適度に緊縮的な通貨政策を実施する可能性が示されたが、1年の動きで見ると、「緊縮的」から「緩和的」への政策の起伏は必ずある。温家宝総理は今年の「両大会」で成長率8%維持の目標を打ち立てた。これは政府が構造調整を比較的重要な位置に置いているためで、これは一定期間内に中国の経済成長に影響を与えると考えられる。実状から見ると、多くの地方政府は経済成長を最も重要な位置に置き、構造調整をその次に置いている。そのため、王洛林会長は、今年の実質経済成長率は8%を超え、9.5%以上となると予測する。 中国は資産価格バブルをより警戒すべき ここ数年、経済を発展させるため、中国は通貨緩和政策と拡張的な財政政策を実行し、インフレリスクへの懸念が高まっている。しかし王洛林会長は、中国が直面しているさらに現実的なリスクは資産価格バブルのリスクだと指摘する。 王会長によると、1995年に日本を訪れた時、当時の日本銀行金融研究所所長は、「日本は金融危機から1つの教訓を得た。それは一時期、日本政府はインフレ率を気にかけるだけで、資産価格バブルを考慮しなかったことである。中国にもこの教訓を汲み取ってほしい」と話した。現在、中国の不動産市場のバブル問題はますます注目されるようになり、多くの学者は90年代初めの日本の不動産市場を研究対象とし、中国は日本と同じ失敗を繰り返そうとしており、さらには日本より深刻な結果になると見ている。このような見方に対し、王会長は、「現在の中国における金融自由化は当時の日本より遅れており、中国政府と銀行の不動産ローンへの抑制が強いため、中国で日本のような深刻なバブルは発生しない」と話す。 しかし、王会長は、ここ数年の経済成長は不動産に大きく頼っているとも指摘する。特に地方政府の財政収入や予算外収入の3分の1、さらには半分以上が不動産に頼っている。中央政府は不動産価格の抑制措置を打ち出したが、地方政府はそれに対する策を講じており、これが不動産価格抑制の難度を高めることになる。その上、中国の不動産バブルは反復を続け、根本的な抑制は難しい。これが直接的な影響を及ぼし、インフレを促進する主な要素となるだろう。 短期的に経済刺激策の中止はない 世界経済が徐々に回復する中で、各国では経済刺激策を中止すべきではないかという声が強まっている。中国は金融危機が発生した国ではなく、また一連の刺激策を打ち出したため、比較的早く回復の道を歩んだ。こうした状況で一部の学者は、中国は経済刺激策を中止するべきではないかと言っている。しかし今のところ政府は政策を調整しておらず、温家宝総理は閉幕したばかりの「両大会」で、引き続き緩やかな通貨緩和政策を実施していくと明らかにした。それは一体どうしてなのだろうか。 王洛林会長は、中央政府が示している中国経済の情勢は根本的には好転しておらず、将来的に見ても不確定な要素が多いという理由以外にも、3つの重要な理由をあげる。 まず中国が昨年に打ち出した刺激策の実施により、今でも多くの新たなプロジェクトが進行中だ。もし今の時点で資金の投入を中止すれば、これまでの努力がすべて無駄になる。また地方政府や企業、金融市場の経済刺激策に対する依存度は高い。さらに引き続き刺激策を実施すれば、短期的に見て明らかなマイナスは表れない。 人民元相場へのプレッシャーは愚か 人民元相場が国際社会の注目を集めている中、一部の米国の議員が人民元相場の問題についてさらに中国に対抗措置を実施するよう提出した。これに対して王会長は「長期的に見れば人民元の自由化は必ず行われるだろうが、今の情況では次第に為替レートの形成メカニズムを改善させるほうがより現実的だ」と話す。 王会長によると、中国の学術界や金融界はすでに人民元相場の柔軟な増強や、逐次的かそれとも1回に限り人民元の切り上げを実施するかなどについて討論を行ったが、米国のプレッシャーでもともとリラックスした討論の雰囲気は厳しくなり、かえって人民元相場の改革プロセスが妨げられたという。これは米国議員の愚かさだと言わざるを得ない。 要するにポスト危機時代の発展と変化には心理的な準備が欠け、経済発展には不確定な要素も多いことから、マクロ経済政策の制定には多くの問題を考慮しなければならない。そのため2010年は中国経済にとって最も複雑な1年になるだろう。王会長は、中日両国の学者が研究や交流を強化し、政府側に有益で多くのアドバイスを出すことを期待している。 「中国網(チャイナネット)」 2010年3月22日 |