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投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 4 月 09 日 09:25:26: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=947


セルビア当局は首都ベオグラードで実施されている一連の強制退去をやめ、十分な住宅を提供しなくてはならないと、国際ロマ・デーの前夜に、アムネスティ・インタ―ショナルは述べた。

「政府当局は、まるで私たちが好きこのんで集落に住んでいるかのように振舞っています。でも、私たちに他の選択肢があったでしょうか? あなたがロマだったら、選択肢などほとんどないのです」
(アムネスティに語ったロマの女性。2010年8月)


新たに発表された報告書『家とは、頭の上に屋根があるだけじゃない〜適切な住宅を持てないセルビアのロマ〜』には、2009年4月以来、ロマに対する強制立ち退きが増加していることが報告されている。立ち退きにあったロマの人びとは、隔離された居住区のコンテナで生活をするか、またはセルビア南部に戻り、しばしば家とは呼べない不適切な住宅で、貧しく暮らしている。

「ベルグラードのセルビア当局は、強制立退きをやめるどころか、どんどん推し進め、ロマの家族を追い出し、不十分な住居での生活を強いています」と、アムネスティのセルビア調査員であるシアン・ジョーンズは語った。

「国際法上の義務に従うつもりであれば、当局はこの強制執行をやめなければなりません。国際法上の義務には、下水道が完備した家に住み、公共サービスへのアクセスや雇用、そして強制立ち退きの恐れなく暮らす権利を保障することが含まれているのです」

2009年4月以来、少なくとも7つの無認可居住区の強制立退きがあった。

2010年3月末に、首都のEukarica地域にある居住区から、20〜25の家族が強制的に立ち退かされた。その次の月には、同じ地域から38のロマの家族が強制立ち退きにあい、セルビア南部に移送された。Eukaricaの他の居住区に住んでいる他のロマも、強制立ち退きの危機にさらされている。

2010年の10月と12月には、ニュー・ベオグラードの他の地域から62家族が強制立ち退きとなった。ノビ・ベオグラード(ニュー・ベオグラード)のベルビル集落の住民に対して課された2011年初頭の「再定住計画」は、さまざまな組織の反対により、一時的に停止した。

欧州復興開発銀行と欧州投資銀行の融資を受けた2009年度ベオグラード開発計画には、大規模なインフラ整備プロジェクトが含まれており、その一環として多くの強制立ち退きが実施されている。

この開発計画によって、ベオグラード市内にある100のロマの居住区のうち、少なくとも50の居住区の住人に影響が出るとみられている。

適切な住居に住む権利を否定された、ベオグラードに暮らすロマの人口の3分の1にあたる人びとは、無認可の居住区に住むしか選択肢ない。無認可の居住区には、水や下水道などの基本的なサービスが整備されていない。

ベオグラードの市民として登録させてもらえないため、ロマの人びとが雇用の機会、生活保障、医療サービス、そして教育を与えられないことがしばしばある。

ロマは、ほぼ例外なく、セルビア全土の無認可居住区のほとんどの人口を占めている。

そのような居住区には、1999年のコソボ紛争から逃げてきた人びとなど、弱い立場にある多くのロマが暮らしている。また、仕事や国際的な保護を求めて西ヨーロッパに向かったものの、セルビアに強制送還され、無認可の居留地に住むことを強いられている人びともいる。

「セルビア当局は、提案や、再定住するにあたり可能な選択について、ロマの人びとと協議する必要があります。そして、他の選択をしたいと彼らが希望するならば、代替案を提示することを保障しなければなりません」と、シアン・ジョーンズは述べた。

「ロマだけの居住区の外においても住宅を持つ選択肢があることを保障するために、当局は民族で差別していない地域での一般住宅や、その他の住宅の選択肢を明確にすべきです」

報告書の中でアムネスティは、将来、国際基準に違反するような強制立ち退きを防止し、ロマに対して適切な住居の権利を保証するために、次のような勧告をセルビア当局に対し行っている。

・すべての強制立ち退きを停止し、開発計画のためにこれ以上の強制立ち退きがないことを保証すること

・ベルビル地区からの立ち退き、そしてベオグラード市内のさらなる立ち退きが、開発に基づいた立ち退きに関する国連基本原則及びガイドラインにある国際基準に沿って実施されることを保証すること

・立ち退きにあったロマに対して、賠償や適切な住宅の可能性などを含む、法的な救済策を保障すること

・強制立ち退きを禁止し、ベオグラード市によるこれ以上の再定住計画が強制立ち退きをともなわないことを保障するために、法的な枠組みを確立すること

◆背景情報◆

ロマは、少なくとも14世紀からセルビアに住んでいると記されている。政府の推計によると、ロマの人口は25万〜50万人とされている。大多数のロマが、セルビアで組織的で広範囲にわたる差別を受けている。

この報告書は、2010年から2011年にかけて、セルビアにおいてアムネスティ・インターナショナルが調査した結果に基づいている。ベオグラードで強制立ち退きにあったロマ、ロマの権利保護に取り組むセルビアのロマとロマ以外のNGOおよび個人、政府や自治体の役人、国際NGOなどに対し、インタビューが行われている。

▼アクションに参加してください!

「強制立ち退きにあうロマの人びと」
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3308

▼セルビアの人権状況についてより詳しく知りたい方は

世界159カ国における人権状況を網羅した
アムネスティレポートはこちら
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2616

アムネスティ発表国際ニュース
2011年4月7日
 

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