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2月16日に、Europe2020のPublic announcementが出ている。
http://www.leap2020.eu/geab-n-52-is-available-global-systemic-crisis-world-geopolitical-breakup-end-of-2011-fall-of-the-petro-dollar-wall-and_a5927.html
チュニジアに始まるアラブの民主革命は、Europe2020が以前から言っていた、地政学的混乱に
つながるものと思い、今回久しぶりに、腰をすえてよんでみた。
石油−ドル危機の時期の予測については、いつものように、あたるかどうかわからないので、
各自の分析でご判断を。
以下抄訳
われわれは、ちょうど5年前の2006年2月に、「1945年以来の西側世界の秩序が終わるだろう」と
予測し、また、2年前の2009年の2月には、「同年末より、世界的な地政学的混乱が始まる」と予測した。
主要メディアは無視をきめこんだが、ネットの中では議論を巻き起こした。
2011年にはいり、ほとんどの国は、われわれが指摘する地政学的混乱にはいりつつあることは
疑わないようになったようにみえるが、「意志決定者とエキスパートたち」に限り、2006年にその
危機がみえなかったのと同様に、今回も、危機意識をもてないようである。彼らは、ほんの
2ヶ月前に、チュニジアとエジプトの事態が起こることについて予測できたであろうか。
今起きていることは、ベルリンの壁の崩壊にたとえられるのである。
「壁」というのは、誰かが、何らかの目的でつくったのであるが、ベルリンの壁の場合は、
東ドイツ政府によって作られ、それはソビエト連邦による「鉄のカーテン」の一部であった。
その目的は、共産圏をできるだけしっかりと、西側から分離するためであり、それにより、
単独政党による独裁的政治への疑問は抑えられ、モスクワのコントロールが東欧諸国に及ぶ
ことができた。その見返りに、モスクワは、東欧諸国のリーダーたちに、さまざまな保障、
資金援助を与えた。ベルリンの壁崩壊は、この独占支配体制にひびをいれ、その後数ヶ月のうちに、
東欧諸国の体制崩壊がおこり、そして、2年後には、ソビエト共産党の70年の絶対的な権力が
崩壊した。
では、今われわれの目の前で起こっているアラブ世界の壁は、だれが、どんな目的で建てた
のだろうか?答えは、マスメディアの流してるニュースによるイデオロギーの目くらましに
惑われなければ簡単である。この壁はアラブの専制支配者や体制によって作られ、彼らの
権力と、国富の独占を維持させること、単独政党や世襲制に対して、国民に疑問をもたせない
ようにすることが目的である。この意味ではアラブ徒党的な支配者と、旧共産圏諸国の違いは
あまりない。
そして、その壁は、ワシントンが、石油資源を先取的に、アメリカドルで取引することと、
イスラエルの利益を守ることを目的とした、より広いシステムの一部である。この地域の
アラブ諸国の軍隊と安全保障機構は、シリアとリビアを除いて、アメリカの防衛システムに
支持されており、また指導者たちは、資金援助も含めたあらゆる援助を、内外から疑問を呈
されることなく受けている。
だから、ミュンヘン安全保障会議で、メルケル首相は、隣のヒラリークリントンに次のように
たずねることもできただろう。
「チュニジアとエジプトでおきていることは、ワシントンに依存した体制が崩壊しはじめている
最初のサインではないか」
「特に、今後、アメリカの設定している石油の供給システムとドルの役割が急速に崩壊しうる
のではないか」
「この壁の崩壊は、アメリカとイスラエルの関係を、早急に見直す必要を迫っているのでは
ないか」
このように尋ねることができれば、ヨーロッパ−アメリカ関係は、21世紀に向けての地に足の
ついた議論ができるだろう。だが、未だに、仮想的なテロとの戦争という世界観の中で、
ぶらぶらしている状況である。
アラブ世界のシステム崩壊は、われわれが予測している全世界的なシステムの崩壊
と同じ基盤をもったものとして理解することができ、特にその地政学的な混乱に当たる。
われわれは、特に、2011年末は、「石油−ドルの壁の崩壊」として記録される時期になる
だろうと考えている。それにより、主要通貨危機とオイルショックが急速に起こるだろう。
注10)ワシントンはチュニジアとエジプトの事変について、まったく準備していなかった
ことが明らかになってしまった。これは、アメリカの国際的な指導力の終わりを意味
するのみならず、アメリカ政府中枢の麻痺を加速することにもなる。特に、エジプトは
1970年代から、最も直接的にアメリカによって支援、監督されてきた国の一つである。
以上抄訳
ツイッターなどの新世代情報機器の出現による、大衆蜂起、民主化運動の波という面から、
チュニジア、エジプトに始まる事変を考える視点もありうるだろう。これが、ベルリンの
壁のような「情報の壁」を壊したともいえる。実は、アメリカ自身も、オバマを大統領に選出
するにあたって、このうねりの中にいたわけであり、日本の2009年の民主党政権の誕生も
その文脈にある。しかし、米日ともに、既存のワシントン体制に、
民主的に選ばれた代表がまきこまれ動きが取れなくなっている。日本の場合は、「情報の壁」
である、記者クラブ制度、電波利権の独占、大新聞の寡占が、さまざまなチャレンジを受け
ながらもまだ横行している。(もう一つの大きな壁である特捜制度は壊れつつあるが、
「検察審」「強制起訴」という形でゾンビのように報道機関、大衆心理の中によみがえっている)
オバマも、本来のアメリカのあり方から変質した、ワシントン体制に決別したいとは
おもっているのだろう。いわば、ソビエトの最後の書記長 ゴルバチョフといった役割か。
日本に当てはめれば、小沢一郎が、この不当な独占体制である「壁」に正面から向かい合って
いる政治家の代表であり、リアルタイムで、変質した現民主党執行部も属する「壁」の装置に
よって弾圧されている。今回のアラブの問題は、壁の力の源泉でもある、アメリカによってセット
された石油供給システムを壊す可能性があり、それが急速に、他のワシントン依存的な政治家、
法律家、検察官、官僚の力をそぐ可能性があるだろう。日本は自立心を養ういい機会にいるのである。
小沢一郎と周辺、連携議員は、崩壊するシステムと共に、新しいシステムを内包しているであろう
大きな世界の流れを見据えつつ、果断に動いてほしいと願っている。
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