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「船長も、海上保安官も、告訴は取り下げ」(RFI・BBCの記事より)
日本/中国
記事発表:2010年11月10日水曜日
最終更新:2010年11月10日水曜日
日中両国間の事件:不和の元となったビデオをネット上に流出させたと、日本の海上保安官が告白した
RFI
2010年11月10日水曜日、日本の警察はこの海上保安官を逮捕する準備を進めている。その海上保安官は、ビデオを不当に入手し、インターネットのサイト上で拡散させたことを認めるかも知れない。そのビデオは、9月7日、中国漁船が沖縄南方で日本の巡視船2隻に故意に衝突を試みたことの証拠だ。これで中国当局の主張が反証されるだろう。この新たな一件により、日中2国間の危機が深刻化する危険が生じた。
RFI東京駐在記者フレデリック・シャルルの報告
日本国民は、中国漁船の船長が沖縄南方で、自分の船を日本の巡視船に故意にぶつけたことを証明するビデオを、ユーチューブに流した海上保安官の名前をまだ知らない。
日本国民はこの告発者の名前を知らないが、すでに彼はヒーローと見なされている。それというのも、このビデオがユーチューブに流出したことで、中国首脳部に対する怒りが呼び起こされた。そのために、中国の胡錦濤国家主席は、アジア太平洋協力機構(APEC)の会議の場を利用して、11月13日土曜日に菅直人首相と会談することを拒否している。
日本国民は、神戸のインターネット・カフェを使って、沖縄で録画されたそのビデオをユーチューブに流した、この海上保安官がなぜ逮捕されたのかを理解できないでいる。日本は、日中両国が主権を争う島の周辺で、自国の海上保安官を生命の危機に追いやった中国漁船の船長を釈放しているのだ。
告白のあった少し前、日本の警察は東京のグーグル本部で、ユーチューブに流出したビデオに関するデータを押収した。その海上保安官は間違いなく、沖縄にいる共犯者のおかげでそのビデオを入手できたのだ。
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(BBC NEWS ASIA-PACIFIC)
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-11724318
2010年11月10日最終更新11:05GMT
日本の海上保安官が中国の動画を流出させたことを認める
日本の海上保安官は、日本の巡視船と中国漁船が東シナ海で衝突した事件の動画を流出させたことを認めた。
紛争の対象となっている島々の近くで発生したこの事件は、苦々しい外交紛争を引き起こした。
その動画は9月上旬に撮影され、先週ユーチューブ上に流出した。
動画は当初、紛争を悪化させることへの懸念から、公安当局者と一部の国会議員にのみに公開された。日本の検察当局はこの流出についての捜査を開始している。
火曜日(2010年11月9日:投稿者補足)、検察当局は流出元を特定するためにグーグルから記録を押収したと、報道機関は語っている。
グーグルは動画共有サイト・ユーチューブを所有している。
「その海上保安官は、自分から画像を流出させたと上司に伝えたとの報告を受けている」と、鈴木久泰海上保安庁長官は国会に語った。
同長官は、捜査が進行中であるとし、それ以上の詳細を語らなかった。
問題の海上保安官は、守秘義務に係わる法律に違反した容疑で告訴される可能性がある。
菅直人首相は、この流出について謝罪をした。
「実行犯が誰であろうと、公にされるべきでない特定の情報が流出したという事実は極めて遺憾だ
日本国民に対して心からの謝罪を伝えたい」と、同首相は語った。
サミットがのしかかる
衝突事件そのものは9月7日に、日本では尖閣、中国では釣魚(Diaoyu)として知られる島々の近くで発生した。その島々は日本が支配しているが、中国はそれに抗議している。
中国漁船と船長は、水産資源が豊富な漁場となっているその島々の近くで、2隻の日本の巡視船に体当たりしたために、とり押さえられた。
この事件が引き金となって政治的な紛争が発生し、それに合わせて、両国でナショナリズムの感情に火がついた。
日本政府は月曜日(2010年11月8日:投稿者補足)、ユーチューブに投稿された動画は真正なものであると認めた。
動画には、乗組員が制止を叫んで警告する最中に、その漁船が日本の巡視船に衝突する様子が映されている。
流出後、動画は日本のテレビで広く放映された。
今回の流出は、土曜日(2010年11月13日:投稿者補足)に横浜で日本がホストを務める、アジア太平洋経済協力(APEC)フォーラムを準備している中、発生した。
APECの機会に、中国の胡錦濤主席が日本の菅直人首相と公式な会談を持てるかどうかは、まだ明らかでない。
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(BBC NEWS WORLD)
http://www.bbc.co.uk/news/world-12249794
2011年1月21日最終更新11:19
日本は中国船船長の告訴を取り下げる
日本の検察当局は、中国漁船船長に対する告訴を取り下げることになると語った。その船長を昨年9月に逮捕したことがきっかけで、中国政府との間に大きな外交紛争が発生していた。
・其雄(Zhan Qixiong)氏は、紛争の対象となっている東シナ海の島々の近海で、2隻の日本の巡視船に体当たりした容疑で、告訴されていた。
中国は、船長の勾留は「不法かつ不当」であると語り、日本との閣僚級交流を中止した。
衝突事件の動画を流出したと認めた日本の元海上保安官もまた、告訴を免れる。
一色正春氏(44)は、自分が巡視船の動画をユーチューブに投稿したと語った。容疑を認めたことにより同氏は辞職し、海上保安庁長官など、他の職員も懲戒処分を受けた。
その動画には、日本では尖閣、中国では釣魚(Diaoyu)と呼ばれる、紛争の対象となっている島々の近くで、中国漁船が日本の巡視船にぶつかる様子が映っている。
中国人船長に対する告訴を取り下げる決定がなされることは、広く予想されていた。すでに船長は、事件の2週間後に釈放されて中国に送り返されたからだ。
9月に釈放された時点の話では、・氏はただの漁船船長であり、日本での犯罪歴もないと、検察当局は語っていた。
検察当局は、巡視船を損傷させたことにいかなる計画的な意図も認められず、そのため、中国との関係に及ぼす影響を考慮したとき、船長の勾留を続けながら捜査を続行することは不適切だ、と語っていた。
この動きは、中国政府の圧力を受ける中での、外交的な譲歩と見なされた。
日本経済は、成長を輸出に依存しており、中国は日本最大の貿易相手国である。千単位("thouthands": 投稿者注)の中国人観光客が日本への旅行を取りやめた。
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(投稿者より)
尖閣問題のビデオが流出した件で、海上保安官が自分が流出させたと告白し、そして先日、その保安官が起訴猶予処分となりました。あわせて、中国人船長の起訴猶予処分も決まっています。この一連歩動きについて、フランスRFIとイギリスBBCの記事をつなげてみました。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。
一色氏がビデオを流出させたのは、この公にされるべき情報を、政府が隠蔽し続けたからです。ビデオは海上保安庁内部では閲覧可能な状態だったと聞いています。国境の海を守る任務を担う海上保安官にとって、情報の共有化は必須だったとのことです。
政府がビデオを隠蔽したことが、内外への対応の失敗につながりました。9月は満州事変が勃発した時に当たり、毎年のように、中国の対日感情が敏感になる時期です。このビデオは、初期の段階で公表されるべきでした。政府は事実を提示した上で、誠実な交渉を行うべきでした。記事で言及された菅首相の謝罪は的はずれです。
政府がやるべきことをやらないから、一色氏は個人の責任において、それをやったのです。一色氏の地位と引換にする形で政治と社会は動きました。
対象の違いはあるのですが、全国各地の「伊達直人」氏の動きにも同じものを感じます。怠惰な政府がなすべきことをしないから、個人が率先して自分ができることをやる。この動きが続き、広がると、いつか、政府は国民から置いて行かれ、政府も公務員も無用な存在となる。ひょっとして、そのような日がいつか来るかも知れません。
これから私の言うことは的はずれかも知れません。しかし、日本の歴史には似たような事例が確かに存在しました。かつての開発領主たちは、寺社や貴族の庇護を受けて荘園を広げ、経済力を付けました。荘園には特権があり、朝廷の干渉は拒絶できます。
ところで、犯罪や土地争いなどで、開発領主たちの安全と利益を守ることを朝廷は怠りました。そのため、その対策として、彼らは自ら武装し、自分の身を自分で守るようになったのです。これが、武士の起こりです。やがて、彼らが結束して武家政権が誕生したとき、朝廷は存続しながらしだいに形骸化し、実質的な影響力を失いました。
開発領主を勤労者、荘園を企業と読み替えれば、今にも通じそうな話です。今の勤労者は武装こそしませんが、自発的に集まってデモ行進をするまでになっています。
一色氏と・氏の起訴猶予を決めたことを伝えた、東京新聞の記事を、下に付しておきます。
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(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011012202000041.html
尖閣映像流出 元保安官 起訴猶予で決着
2011年1月22日 朝刊
尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像流出事件で、東京地検は二十一日、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検された神戸海上保安部(神戸市)の一色正春・元海上保安官(44)=辞職=を起訴猶予にした。発端の衝突については那覇地検が同日、公務執行妨害容疑で逮捕後、処分保留のまま釈放された中国人のセン其雄(せんきゆう)船長(41)を起訴猶予とした。
日中外交に影響を及ぼした、漁船衝突事件に絡む一連の捜査は双方の刑事責任を問わないまま終結した。
東京地検は、一色元保安官がインターネットの動画サイトに投稿した映像を国家公務員法で漏えいを禁じた「職務上知り得た秘密」と判断したが、海保の映像管理がずさんで入手は偶発的だったと認定。投稿が利益目的ではなく、名乗り出て保安官を辞職したことなどから、刑事罰は必要ないと判断した。
映像は昨年十月末、乗船していた巡視艇のパソコンから入手した。十一月、神戸市内のネットカフェから映像を投稿し、六日後に「自分が流出させた」と告白して先月、警視庁によって書類送検された。
一色元保安官は処分を受け、「事件の真相を知っていただき、尖閣諸島の問題、日本の領海を脅かす外国船の問題などを考えてほしかった」とするコメントを出した。
一方、那覇地検はセン船長の起訴猶予について、衝突した巡視船の損害が軽く、事件後に尖閣諸島付近で操業する中国漁船が激減したことなどを総合考慮したと説明。船長が既に帰国していることも理由に挙げた。
衝突事件は昨年九月、沖縄県尖閣諸島沖で起きた。中国漁船は停船命令を無視し、海上保安庁の巡視船二隻に衝突した。海保はセン船長を逮捕、送検したが、那覇地検は「日中関係を考慮する」などとして処分保留のまま釈放した。
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