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(回答先: test 投稿者 pochi 日時 2010 年 12 月 14 日 10:07:44)
永田町ディープスロート
2010年12月14日(火)
徹底取材 小沢一郎はいま こう考えている
菅と仙谷をどう始末するか?
民主党を割って自民党と組むのか、それとも・・・
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1717
菅政権のダメさ加減に飽き飽きし、うんざりした気分で後ろを振り返ると、そこにまた小沢一郎の姿が見える。見慣れた光景が何度も繰り返されるのは、日本の閉塞状況を表しているのかもしれない。
■「仙谷はバカだから」
「菅と仙谷は、もうおしまいだ。何もしなくても、あいつらが転がり落ちて来るのを待つだけでいい。民意も天命も、オレに『総理をやれ』と言っている」
小沢一郎元幹事長は、最近、ある会合でそう断言し、その場にいた者を驚かせた。
検察審査会の議決により、政治とカネの問題で強制起訴を待つ身の小沢氏である。検審議決の無効を求める特別抗告も最高裁によって棄却され、司法の場で裁かれるのを待つだけだ。
つまり、政治的には"死人"に近い。小沢氏の師・金丸信氏は、脱税容疑で逮捕・起訴され、すべてを失った。小沢氏もまた、同じ運命を辿るだろう―それが常識的な見方である。
しかし、小沢氏自身はその運命に抗うつもりでいるのだ。
「我に天命あり」
この期に及んでそう言い切る小沢氏を前に、その場にいた者はすっかり気を呑まれ、やや呆然とした。
実際、小沢氏はこのところ極めて意気軒昂で、菅政権の混乱をよそに、活発に動き回っている。
12月1日、小沢氏を支える衆院議員の会「一新会」の懇親会が、東京・赤坂で開かれた。その場に主賓として招かれた小沢氏は上機嫌で、約40人の議員らの間を精力的に動き回った。
「小沢さんは『(来年度の)予算は、誰が仕切って、どう組み立てていくのか。それが見えん』などと話していました。直接、菅政権を批判するのは控えているようですが、政権運営に、かなりの不満を持っている様子は見て取れましたね」(一新会所属議員の一人)
小沢氏はこれまで、他の議員と群れ合うことはほとんどなかった。カネと権力、そして「小沢一郎」という名前にモノを言わせ、他の国会議員を睥睨するのが"小沢流"だったからだ。
そんな小沢氏が、豹変した。11月中旬、小沢氏は4夜連続で民主党の若手議員たちと「意見交換の会」を開催。その間に小沢氏が言葉を交わした議員の数は、のべ90名にも上る。かつては、新人やペーペーの議員など、歯牙にもかけなかった小沢氏が・・・である。
そしてその場では、あのムスッとして無愛想な雰囲気が特徴の小沢氏らしくもなく、次々と放言を繰り出したという。
「私たちが、『仙谷さんが最近、解散、解散と騒いでいますが』と水を向けたら、『そうだ。そう言ってるらしいな』とムッとしていました。ある議員が、『でもブラフ(脅し)ですよね』と聞くと、『いや、あいつは本気だ。あいつはバカだから、ホントにやるぞ。バカだからやるぞ』と吐き捨てていました」(新人議員の一人)
小沢氏は仙谷氏を何度も「バカだ」と連呼した上で、 「いま選挙をやったら、君ら新人は全滅だ。ここにいる連中は一人も残らない。このままじゃ(民主党はもちろん)自民党だって勝てないし、日本の民主主義が崩壊する。日本の政治がまた漂流してしまう」 と、強く警告したという。 まるでゾンビのように死地から立ち上がり、これまでにない行動を取り始めた小沢氏は、いったい、いま何を考えているのか---。 |
「東北生まれの口ベタで」というのが決まり文句の小沢氏は、それを口実に滅多にホンネを周囲に漏らさず、殊更に自分をミステリアスな存在に仕立てることで、政治命脈を保ってきた。
政治をトランプの「ポーカー」に喩えれば、小沢氏は現役政治家の中では随一の名手と言える。小沢氏は政争という、ある種のギャンブル的行為を40年近くも繰り返し、負けて逼塞する時期はあったにせよ、破産するほどの大負けはせず、常にいつのまにやら復活を果たしてきた。
小沢氏が、致命的大敗をしなかった理由のひとつが、「ポーカーフェイス」だ。
仏頂面の小沢氏と対峙したとき、相手は、「この男は、どんな手札を揃えているのか」と、判断に迷う。そしてあり得ない場所で勝負を降りたり、あるいは、不用意に賭け金を吊り上げてしまい、結局は自分が致命傷を負うのだ。
現在の、カジノで博打をしているような危うい民主党政権において、勝負の場にいるのは3人のプレイヤーだ。菅首相と仙谷官房長官、そして、一度は消えたはずの小沢氏である。
■官房長官に岡田、幹事長に細野
9月の党代表選で、菅首相と仙谷氏は結託し、小沢氏に苦杯を舐めさせることに成功した。「首相をコロコロ変えてはいけない」「小沢は検察に起訴される」。そんなカードを次々と切ることで、一度は小沢氏を勝負の場から引き摺り下ろした。
ところが、勝ったのはそれが最後。その後は一方的に負け続け、このままゲームを続ければ、間もなく破綻するのが目に見えている。
「菅君が、こんなに"おぞい"(お粗末だ)とは思わなかった」
つい最近まで菅政権を応援していた、長老・渡部恒三氏まで、そんなことを言い始めている。菅首相は面倒ごとを仙谷氏に丸投げしてきたが、仙谷氏の出番が増えた結果、やり過ぎて尖閣ビデオ問題で大きな失点を喫し、国会でも「暴力装置」発言など、不用意な失言が増え始めた。
11月26日には、参院で問責決議が可決。このままでは来年冒頭から始まる通常国会で、2011年度予算案の審議からして行き詰まるのは確実だ。
国民新党の亀井静香前郵政・金融担当相も、周囲にこう語っているという。
「地方ではいまや、菅より仙谷に対する批判のほうが凄まじい。菅は、仙谷を切れなければアウトだ」
政権が空中分解し始める中、菅首相は突然、「全方位外交」に走り出した。野党には党首同士の直談判を申し込み、取り込みを画策。11月27日には、久しぶりに鳩山由紀夫前首相とサシの会談を行い、「挙党態勢」の構築による、事態の打開を目指している。
ただ、結果は散々。会って話した野党党首たちには、「なんのための会談か、意味が分からない」と糾弾された上、鳩山氏には、会談後に「菅さんは、『たとえ支持率が1%になっても辞めない』と言っていた」などと暴露され(後に否定)、ダメッぷりをいっそう曝け出しただけだ。
そんな菅首相に残された唯一のカードは、「内閣改造」だと言われている。
「永田町では、『2010年12月発足』と日付が入った、『菅直人第2次改造内閣』なる文書が出回っています。官房長官は岡田克也氏、空いた党幹事長ポストには細野豪志前幹事長代理を抜擢し、外務大臣には鳩山由紀夫氏などとなっています。一方で、仙谷氏や前原誠司外相、野田佳彦財務相らの名前は消えている。反小沢の中心人物をあえて外した、意味深な内容です」(民主党中堅代議士)
前出の「菅・鳩山会談」でも、内閣改造に対する言及があったとされる。
「挙党内閣を作らなければ取り返しがつかない」
そう言って迫る鳩山氏に対し、菅首相は、
「わかっている。改造はどうしても必要で、仙谷とも少し話をしている」
などと答えたという。
だが、この菅首相のカードは、起死回生にはなり得ない。仙谷氏の首を切ったところで、首相自身の政権運営能力に大きな疑問符がついている以上、役としてはせいぜい、"ワンペア"程度でしかないだろう。
だいたい、隣でゲームに参加している仙谷氏が、菅首相の構想について、
「そんなもの(内閣改造)は、絶対にない」
と断言しているという。
「仙谷氏は"解散カード"をチラつかせていましたが、いま選挙をやったら民主党が大敗することは、さすがに分かっている。現時点で仙谷氏が持つ切り札は、『小沢除名』です。改造もせず、自分も辞めずに通常国会に雪崩れ込み、自民党の大島理森副総裁とのパイプを使って、小沢氏の証人喚問を要求させる。小沢氏は当然、拒否しますから、それを口実に離党勧告、さらには除名して追放、という流れです」(仙谷氏周辺)
ドン詰まりの菅・仙谷両氏に、体裁を繕っている余裕はない。「改造」「除名」と、なりふり構わず強そうな手をチラつかせ、小沢氏が勝負を諦め、降りてくれるのを祈るしかないわけだ。
■「大連立」に「党分裂」
これに対し、小沢氏自身は、どんな手札を揃えようとしているのか。
冒頭で紹介した通り、小沢氏は「やる気満々」だ。菅首相らが期待するような、決戦放棄はあり得ない。
まず、小沢氏が手にしている1枚目のカードは、「大連立」カードである。
小沢氏の懐刀として知られる平野貞夫元参議院議員は、こう語る。
「先日、議会開設120年記念式典に私も出席しましたが、自民党議員の半分は『小沢待望論者』です。旧社会党系の議員らからも、『小沢さんに積極的に動いてもらわないと、日本がダメになる』という意見をたくさん聞きました」
現在の自民党執行部、谷垣禎一総裁や石原伸晃幹事長、石破茂政調会長らは、小沢氏と距離を置いている。しかし、一方で森喜朗元首相や古賀誠元幹事長ら旧世代の幹部たちは、いまでもしばしば、小沢氏と意見交換する間柄だ。
小沢派中堅代議士の一人が、こんな証言をする。
「先週、福田康夫元首相が、東京で地元の商工会議所の陳情を聞くという機会があったのですが、いつもは民主党への罵詈雑言ばかり並べ立てる福田さんが、今回に限って、民主党批判を一切しませんでした。代わりに、『この閉塞した状況を打破するためには、一定の政治勢力の結集が必要だ』などと、いかにも大連立を念頭に置いた話をしたのです。福田さんは、小沢さんと密会しているという噂がありますが、それを裏付けるかのような発言でした」
小沢氏は最近、新人議員の会「一新会倶楽部」が衣替えした「北辰会」の最高顧問にも就任。周囲には、「その気になれば自分の下に200人は集まり、党が分裂する。だから、菅や仙谷がオレを除名しようとしてもムダだ」などと豪語しているという。
ただ、「大連立」や「党分裂」は、これまでの小沢氏の動きを見れば、容易に予測がつくカードでもある。小沢氏ほどの"ゲームの達人"にしては、やや物足りないようにも思える。
実は小沢氏の手元には、「次の総理はオレが決める」という、"キングメーカー"カードが、まだある。
■勝つのは小沢か仙谷か
起訴を待つ身である小沢氏は、たとえ菅政権が崩壊しても、すぐに自らが先頭に立つのは難しい。目指すとすれば、師匠の田中角栄元首相直伝の「闇将軍」だという見方は強い。とすれば、誰を押し立てるのか。
「11月に京都で、小沢氏と鳩山氏、そして民主党のパトロンである京セラの稲盛和夫名誉会長が会談しました。その席上、稲盛氏は小沢氏に、『菅の次は前原でどうか』と打診したそうです。ただ、その日の小沢氏は首を縦に振らなかった」(財界関係者)
前原氏は小沢氏の仇敵、仙谷氏とともに、小沢下ろしに動いた張本人の一人。小沢氏がすぐに頷くはずもない・・・が、これには別の見方が存在する。
「早く自分が首相になりたくて仕方がない前原氏は、9月の代表選の時には小沢氏と組み、自ら出馬するとの情報も流れました。その時は仙谷氏に『少し待て』と説得され、渋々引き下がりましたが、諦めてはいない。現実主義者の小沢氏と、変わり身の早い前原氏のことですから、組めば政権が取れるとなれば、何が起きるか分からない」(全国紙政治部デスク)
また最近、国民新党の亀井氏と小沢氏が、再び連携を密にしているという。菅政権について、「何もしていないんだから、支持率が下がるのは当たり前だ」と吐き捨てる亀井氏は、若手を集めて足場固めをしている小沢氏に対し、
「そんな悠長なことをしていると、民主党が消えてなくなるぞ!」 と"決起"を促し、「アンタが勝負に出るならオレも応援する」とけしかけたという。これに小沢氏は、 「そうかい。亀井さんの応援は怖いからなあ」 と苦笑したとされるが、周辺では、「いざとなったら、小沢―亀井連合で現政権を割るつもりでは」という憶測が広がっている。 そして、さらにその上で小沢氏が隠し持つのは、「地方首長」カードである。 |
「来年春の統一地方選で、民主党の地方議員は壊滅すると予想されています。一方でその際には、大阪の橋下徹府知事が率いる『大阪維新の会』や、名古屋の河村たかし市長の『減税日本』が、既存政党を押しのけ、大躍進すると言われる。小沢氏は、橋下氏や河村氏と連携し、彼らを将来の総理候補に据え、自分が後見するという選択肢も考えています」(小沢氏周辺)
若手議員との懇談の中で、小沢氏は、「いま選挙をすれば民主党は負ける。だが自民党が勝つとは限らない。こういう時は、極端な第3極が出てくる可能性がある」と語っていたという。永田町で「第3極」と言えば、「みんなの党」がお馴染みだ。しかし、政局マスターの小沢氏には、さらにその先にある"第 4極"が見えているのかもしれない。
「政権を取った」という一度の勝利を守ることに汲々とし、支持率を激減させた菅首相や仙谷氏から見れば、小沢氏の手元にいったいどんなカードが揃いつつあるのか、不気味でしょうがないだろう。
すっかり弱気の菅首相には「ロイヤルストレートフラッシュ」に見えるかもしれないし、強気を崩さず、辞任も拒否して正面突破を図る仙谷氏は、「あんなものは"ブタ"だ」と斬って捨てるに違いない。
だが、小沢氏にしてみれば、自分がどんな手を揃えているかは、大した問題ではない。疑心暗鬼に陥った相手が判断を誤り、焦って自滅することが小沢氏の狙いであり、その心理戦に長けているからこその"マスター"でもあるからだ。
ただここで一つ、忘れて欲しくないのは、彼らプレイヤーがベット(賭け)しているのは、「国民生活」であるということ。権力者たちの保身やメンツで賭け金がムダに吊り上り、挙げ句の果てにボロ負けした場合、巨額の負債を背負わされるのは個々の国民なのだ
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