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投稿者 black9 日時 2010 年 7 月 15 日 07:06:34: gWkPHV3D8TzCo
 

企業・団体献金の全面禁止は譲れない(上)(1) - 10/06/03 | 16:30

藤末健三 民主党参議院議員

企業・団体献金の全面禁止は譲れない(上)(1) | 社会・政治 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン   http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/426941d62914c7d85c1583aa2736a37f/page/1/

 政治とカネに対する国民の怒りが、かつてないほどの高まりを見せている。筆者も、民主党の国会議員として、この問題を看過することはできず、2月に民主党参議院議員有志による研究会を立ち上げ、また、3月の予算委員会では鳩山首相に直接質問をぶつけさせていただいた。

 1994年の細川政権以降、幾度も政治改革が唱えられてはきたものの、相も変わらず政治の舞台では巨額な資金が動き、それが国民の目にはあまりにも不自然に映り、「政権党だけでなく政治家全体への信頼の低下」につながっているのである。

 政治とカネの問題を根本から正すには「企業や団体から政治への寄付を全面禁止」するしかない状況にある。この切迫した事態を明らかにするため、企業・団体献金に関する歴史や海外の事例、国内の声、禁止に向けた具体的スケジュールと、代替案としての個人献金の促進について考えてみたい。

これまでの歴史〜なぜ禁止できなかったのか

 まずは表を見ていただきたい。政治とカネ問題に関する、これまでの歴史をまとめてみたものだ。判で押したように、汚職・疑獄事件(黄色)と政治資金規正法改正(白色)が繰り返されてきたことがわかるだろう。

出典:国立国会図書館政治議会課データより藤末健三事務所作成

 実は最初期1961年の第一次選挙制度審議会答申において、「会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄付をすることは禁止すべき」と高らかにうたわれていた。

 つまり、50年前にすでに、企業団体献金の禁止は提言されていたのである。にもかかわらず、毎回毎回政治家にとって都合の良い抜け穴を作るばかりで、問題の根本的な解決にはなってこなかったのである。

企業・団体献金の全面禁止は譲れない(上)(2) - 10/06/03 | 16:30

 そして、最も大きなターニングポイントが、「政治改革」を最重要命題に掲げて発足した 1994年の細川護煕内閣における政治改革四法である。ここでは、政治資金規正法と政党助成法をセットで成立させ、政党助成金を支払う代わりに、企業・団体献金を5年以内に見直すとまで宣言されていたのだ。

 現在、この政党助成金は国民1人当たりにすると250円、総額で319億円もの額が毎年使われていることとなっている。見直すといいながら、まったく何の検討もなく、なし崩し的に続いている現状でよいはずはない。

海外の事例、禁止している国、禁止していない国

 次に、海外の事例を見てみよう。アメリカでは企業による寄付は1907年から、労働組合による寄付も1940年代から、基本的には禁止されている。しかし、企業や労働組合が候補者を支援するために作る政治活動委員会(PAC)による寄付は、1選挙ごとに5000ドル以内という量的制限を伴うものの、認められている。


出典:国立国会図書館政治議会課データより藤末健三事務所作成

 イギリスでは、企業が一定額を超える寄付をする場合は、事前に株主総会の承認決議を受け、寄付先と金額を取締役報告に記載する必要がある。労働組合は、政治基金を通して寄付を行い、政治基金の設置について組合員の承認が必要である。ただし、いずれも量的制限は設けられていない。

 ドイツでは、連邦・州等の直接の資本参加率が 25%を超える企業による寄付は禁止されている。また、公益団体等による寄付や、政党への転送を条件とする職業団体からの寄付も禁止されている。

企業・団体献金の全面禁止は譲れない(上)(3) - 10/06/03 | 16:30

 アメリカ・イギリス・ドイツといった制限付き禁止の国々とは別の方針を見せるのが、フランス・カナダ・韓国といった国々だ。政治とカネのスキャンダルが相次いだフランスでは、1995年に企業団体献金は全面的に禁止された。

 一昔前のフランスと似た状態である日本は、当然後者を目指すべきと考える。

国内からの声、民主党内からの声

 今後の方針を考えるうえで、外せない考慮事項が有権者からの声だ。実に7割近い国民が、企業・団体献金全面禁止に賛成をしている。これは1年前の数字であり、今、新たな調査を行えば、さらに数字は上がるものと推測できる。この切実な願いを見過ごしてはならない。また、何と政権与党である民主党内においても、5年以内の全面禁止に7割が賛成したとのデータもある。それなのになぜ、全面禁止が実現しないのか。

 たいへん申し上げにくいが、連立相手である国民新党が企業・団体献金の全面禁止に反対していることが、その理由だと言わざるをえない。

 次回は、禁止に向けた具体的なスケジュールはあるのか、そして企業団体献金を補うものとしての個人献金増進の施策などについて述べてみたい。



出典:MSN産経ニュース・2009年4月23日朝日新聞データより藤末健三事務所作成


■民主党 企業・団体献金全面禁止研究会の様子
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/426941d62914c7d85c1583aa2736a37f/page/3/
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(下)1 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/d49f674a378dd23fddbfec05624be68f/page/1/
6月4日に総辞職した鳩山由紀夫内閣。新聞などメディアの世論調査で、鳩山内閣不支持の理由としてもっとも大きな割合を占めていたのが、「政治とカネを巡る問題への取り組み」であった。やはり、政治とカネの問題解決なくして、有権者の政治不信を消し去ることはできない。

 上編では、企業・団体献金に関する歴史・海外の事例・国内からの声を述べた。下編では、企業・団体献金の現状やそれを補うものとしての個人献金増進の施策などについて述べてみたい。

企業・団体献金と個人献金の現状

 企業・団体献金を禁止しても、政治におカネがかかる状況は変わらない。企業献金を禁止する代わりに、何らかの代替案が必要となる。その点に関して、2つ提案したい。入る量を維持すること、そして、出る量を減らすことだ。

 出る面については、過去に連載をさせていただいたインターネット選挙運動の解禁をはじめとするITの政治への活用による支出削減をまずは推し進めたい。

 入る量については、企業献金をなくす代わりに、個人献金を増加させる試みが求められるのではないかと考えている。2009年度で見ると、企業・団体献金の額は約122億円、個人献金の額は約303億円となっている。企業・団体献金は次第に減ってきており、この流れのまま、個人献金の額をもっと増やすことへのシフトができればと思う。



 圧力団体による寄付に頼ってしまうと、どうしてもその圧力団体の顔色をうかがいながらの政策立案となってしまうが、薄く広く集める個人献金ならば、政策決定におけるある程度のフリーハンドを手にすることができるメリットもある。
 実際に、米国オバマ大統領は史上初めて、核廃絶を声高らかに唱えることができた大統領となったが、それは選挙運動において退役軍人に人とカネを依存しなかったために、軍の意向をある程度は気にしなくて済んだからであった。

個人献金増加のための策は?

 また、企業・団体献金の全面禁止を行うにあたり、すでに実施したフランス、カナダ、韓国などの国は、同時に個人献金を促進するための税制措置などを行っている。フランスは66%、ドイツは50%の税額控除を行っていると聞く。韓国に至っては政治寄付は、100%の税額控除(該当金額分だけ納税額が減じられる)となっているのである。

 日本では税額控除といいながら、所得控除に近い仕組みとなっているという疑問がある。菅直人副総理・財務大臣(当時)はちょうど1年前、年間10万円を上限とし個人献金全額を税額控除の対象とするという、個人献金拡大のための構想を発表している。こうした方法に大賛成だ。わが国も税制上の障壁は早急に取り除くべきと考える。

 また、ここでもインターネットが有用だ。米国では、個人献金を集める重要なツールとしてインターネットが使われている。2000年のマケインは640万ドル、04年ディーンは5100万ドル、08年オバマは6億2200万ドルと、ネットのみでもここまでの寄付を集めているのだ。

 一方、日本でも、楽天が行っているインターネット政治献金システムが有名だが、選挙戦が盛り上がった09年総選挙においてでさえ、全議員合計で380件程度、一口平均数千円程度の寄付しかなかったと聞く。

 なぜ日本では、インターネット献金は広がらないのだろうか。
献金しない理由として楽天がアンケートを取った結果によると、1位は「献金がどのように使われるかわからないから」であり、回答者数の約半分がそう回答したという。政治資金費用に関する支出面での情報公開、すなわち台所事情の公開も、積極的に有権者に周知していく必要があろう。将来的には、携帯電話を利用した寄付にまでつなげていきたい。


出典:国立国会図書館データを基に、藤末健三事務所作成

禁止への具体的スケジュールは?

 企業・団体献金の禁止について、今年3月には当時の鳩山首相が与党内そして他党も含めた協議組織を作ると発言していたし、当時の小沢一郎幹事長も記者会見において期待を示していた( http://www.dpj.or.jp/news/?num=17868)。 

 しかし、他の重要法案があること、そして連立相手の国民新党が反対していることもあり、その後いっさい議論は進んでいない。筆者は、民主党単独でも法案を出すべきと考えている。民主党が出さないのならば、議員立法で提出することも辞さない考えでこの問題に取り組んでいきたい。

(参考資料)


(撮影:尾形文繁)
 

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