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Re: @test
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投稿者 上葉 日時 2010 年 4 月 23 日 21:31:30: CclMy.VRtIjPk
 

(回答先: Re: @test 投稿者 上葉 日時 2010 年 4 月 23 日 21:21:11)

技術事始/藻類から作るバイオ燃料:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
技術事始/藻類から作るバイオ燃料:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20090417/101276/


2009年04月17日

日経エコロジーリポート
技術事始/藻類から作るバイオ燃料
食料競合せず工業的に生産 面積当たりの収量はけた違い
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文/山根小雪(日経エコロジー)

湖沼などで繁殖する微細な植物「藻類」を原料にしたバイオ燃料が世界中で注目を集めている。食料と競合せず、狭い面積で大量に培養できる点が特徴だ。軽油と同程度の価格にまで下げられる潜在力を秘める。


 トウモロコシやサトウキビなど、食料を原料にするバイオ燃料を第1世代とすれば、ジャトロファなどの草本や建築廃材(木材)、藻類など非食料を原料にするものは第2世代に当たる。第1世代が、食料価格の高騰を引き起こしたとして、国際社会の批判を浴びたことで、第2世代の開発競争が加速している。

 中でも藻類が優れているのは、狭い面積でも大量に油が採れることだ。下の表のように、大豆は1ha当たり446Lしか油を生産できないが、藻類なら9万8500Lとけた違いに多い。バイオ燃料は、ガソリン代替のバイオエタノールと軽油代替のバイオディーゼルに大別されるが、藻類を原料としたバイオ燃料はバイオディーゼルに含まれる。

 米国では藻類を原料にしたバイオ燃料を開発するベンチャー企業が続々と登場。研究室レベルのものから、大規模な培養を試みるものまで様々あるが、実用化は5〜10年後といわれる。すぐにビジネスになるような話ではないが、産業界の藻類への関心は並々ならぬものだ。

 CO2削減を迫られる航空業界では、米ボーイングの航空機に藻類から作ったバイオ燃料を搭載した飛行試験が相次いでいる。従来のジェット燃料にバイオ燃料を20〜50%混ぜる。約1%が米サファイアエナジーが生産した藻類によるバイオ燃料だという。ある関係者は、「航空だけでなく、化学や食品、重工業、医薬など、幅広い業界が藻類に触手を伸ばしている」と明かす。






性能の高い藻類を探す
油の量とため方がポイント

 藻類とは、単細胞植物の総称で、微細藻類とも呼ぶ。顕微鏡をのぞかなければ、その姿を見ることはできないほど小さく、ちょっとした水辺ならどこでも存在する。少なく見積もっても地球上に数万種いるといわれ、未発見の種も多く残る。例えば、富栄養化が進んだ湖沼が緑に染まる「アオコ」は、藻類の一種である藍藻類が大繁殖したものだ。

 藻類の細胞内には、脂質が多く含まれている。細胞を破壊し、脂質を取り出して化学反応させればバイオ燃料が得られる。藻類の中には、石油の主成分である炭化水素用語解説)を生産する種類も存在する。藻類の種類によって、採れる油の種類や量が大きく異なるため、いかに優れた藻類を見つけるかが研究開発の最大のポイントだ。米ベンチャーの中には、藻類の種類を明かさない企業もある。どんな藻類を使うかがノウハウそのものなのだ。

 国内の研究グループは、いずれも使用している藻類が異なる。この分野の草分けである筑波大学大学院生命環境科学研究科の渡邉信教授は、100種類以上の藻類を比較検討した結果、「ボトリオコッカス」という種類にたどりついた。

 ボトリオコッカスは油の生産量が多いのが特徴だ。オイルシェール用語解説参照)の成因のひとつともいわれており、炭化水素を多く生産する。しかも、細胞内だけでなく細胞外にも多くの油を出す。細胞を破壊して油を取り出すのには大きなエネルギーが必要なので、油を細胞外に出す特性は、バイオ燃料の生産に非常に有利だ。やり方によっては、生かしたまま油を採取できる。

 だが一般的に、燃料として取り出しやすい油を持つ藻類は、生命力が弱い。また、細胞分裂して2倍に増殖するための期間を見ると、速い種類なら数時間なのに対して、ボトリオコッカスは約1週間と遅い。そこで渡邉教授は、バイオベンチャーのネオ・モルガン研究所(川崎市)と組んで、品種改良を開始した。

 同社は遺伝子組み換えではなく、突然変異を人為的に起こす進化工学的な手法を得意とする。「通常の遺伝子工学よりも短期間に安く良い性能を持った藻類を得られる可能性が高い」(渡邉教授)





性能の高い藻類を探す
100tの大量培養に成功

 藻類を原料にバイオ燃料を生産する場合、性能の高い藻類を獲得するのが第1ステップである。第2が、藻類の大量培養で、第3が効率の良い燃料製造工程の確立だ。コストと投入エネルギー量をいかに抑えるかがポイントになる。

 徳島県内の産学グループは、容積100tの培養槽で大量培養に成功した。グループを構成するのは、技術系人材派遣会社のWDB傘下の環境バイオ研究所と徳島大学、四国大学短期大学部、ベンチャーのアムテック(徳島県石井町)である。同グループが数カ月前に見つけたイカダモの1種は、油の量こそボトリオコッカスに及ばないが、真冬の寒さでも、40℃を超える水温でも、1日で約2倍に増えるなど環境変化に強い。

 大量培養が難しい種類もあり、この段階で苦労している研究グループも多い。徳島県のグループの成功には、真珠の養殖技術が生かされている。WDBの環境バイオ研究所の前身は、田崎真珠の研究所で、2009年2月に事業譲渡されたばかり。真珠を育てる貝の餌として、藻類の大量培養を20年以上研究してきた蓄積がある。

 藻類の大量培養には、光合成に必要なCO2を通気し、太陽光がまんべんなく当たるように、攪拌などの操作が欠かせない。また、培養槽の形状もコストや投入エネルギー量に影響する。閉鎖系の培養槽を使えば、他の動植物が混入するのを防げるが、コストが高くつく。一方、プールのような開放系の培養槽は安価だが、混入が起きやすい。

 同グループの培養槽はプールのような開放系のものだ。環境バイオ研究所の鬼木浩所長は、「イカダモの生命力が強いので、他の動植物が混入する余地が少ない。50Wという小さな電力で100tの培養槽を攪拌する技術を見つけたことで、培養にかかるエネルギーも極めて少なく済む」と自信を見せる。今後は、藻類から油を取り出し、燃料にする工程を詰めるという。






製造工程は日本のお家芸
発電所との併設をにらむ

 第1世代のバイオ燃料は、原料が農作物だったため、米国やブラジルといった農業大国の独壇場だった。だが、藻類なら、日本が得意とする生産管理技術が生かせる。企業もここに着目し、続々と参入している。

 その代表格がデンソーだ。同社は、筑波大学の渡邉教授と共同研究をしているが、慶応義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)とも、「シュードコリシスチス エリプソイディア」という藻類を研究している。

 同研究所は生物の代謝経路を明らかにする手法「メタボローム解析」(用語解説参照)で世界トップクラスの研究設備を誇る。メタボローム解析で藻類が油を作り出すメカニズムを解明すれば、効率良く安定的に油を産出させるための培養条件が明らかになる。「プラントの建設地域が藻類の生育に合わなくても、培養条件がわかれば日本が得意とする生産管理技術で対応できる」(伊藤卓朗研究員)

 東京工業大学と竹中工務店が中心になって2008年6月に設立した「海洋バイオマス研究コンソーシアム」も、バイオ燃料の製造工程の検討を進めている。コンソーシアムには複数の電力会社が参加。石炭火力発電所のCO2回収・貯留CCS用語解説参照)施設に培養槽を隣接し、分離したCO2の有効活用を狙う。

 東京工業大学統合研究院の小田拓也特任准教授は、「CCSはCO2を分離して地中に押し込むために余分なエネルギーを消費する。CO2をためるだけでなく、藻類などの育成にも有効利用すべきだ」と力説する。

 第1世代のバイオ燃料は、条件によっては、バイオ燃料で削減できるCO2よりも、生産時に排出するCO2量が上回るという指摘もある。各研究グループともに、投入エネルギー量やCO2排出量には配慮して進めており、藻類では問題がないという。

 環境バイオ研究所の鬼木所長は、「将来的には軽油と同等価格にできる」と断言しており、コスト削減の潜在力も大きい。筑波大学の渡邉教授は、「2025年に日本を石油輸出国にする」という壮大な目標を掲げる。

 性能の高い藻類を見つけ、得意の生産管理手法を生かせれば、エネルギー大国への飛躍も夢ではない。


用語解説
【炭化水素】
炭素原子と水素原子でできた化合物の総称。石油や天然ガスの主成分である

【オイルシェール】
炭化水素を多く含む堆積(たいせき)岩で、油母頁岩(ゆぼけつがん)、油頁岩(ゆけつがん)とも呼ばれる。地中からの採掘後、熱分解すると石油が得られる。石油を得るまでのコストが問題だが、オイルサンド(油を含んだ砂岩)と並んで注目されている

【メタボローム解析】
メタボロームとは、生物の代謝物を意味する造語であり、代謝経路を明らかにする分析手法のこと。代謝に伴って、細胞内で増減する化学物質を突き止め、この物質を基に代謝経路全体の姿を推測する

【CO2回収・貯留(CCS)】
火力発電所や工場などの大規模排出源からCO2を分離・回収して地層や海中に圧入して貯留する技術。CCSは「Carbon Dioxide Capture and Storage」の略で、CO2の回収・固定とも呼ばれる

日経エコロジー(2009年4月号)より

上記の記事「Technology 技術事始 食料競合せず工業的に生産 面積当たりの収量はけた違い 」は、『日経エコロジー』2009年4月号に掲載された記事です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2009年4月号掲載時の内容となっております。
 『日経エコロジー』は環境経営やCSR(企業の社会的責任)推進体制の構築、ISO14000の導入・運用を担当される方々に向けた、月刊ビジネス誌です。
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 これは、2009年4月の記事です。
 どうして今ごろ話題になっているのかと思ったのですが、『クローズアップ現代』で放送され、話題になったのですね。

 トウモロコシなどを原料にした環境破壊をもたらすだけのバイオ燃料より、はるかに筋がよいことは確かですが、これで日本が「石油輸出国」になるということはありません。こうした技術で作られるバイオ燃料は、地中から“湧き出てくる”石油と比べて、EPRが低いと考えられるからです(石油のEPRが極端に高いと言ったほうが正しい)。金額的なコストではなく、エネルギーのコストが重要なのです。生成した燃料を運搬するのにもエネルギーを使うのですから、いわば“地産地消”であるほど効率がよいのです。こうしたバイオ燃料の生成工場を各地に作り、地域で消費するエネルギーは地域で作るというのがあるべき姿です。
 こうした技術は「近代」を持続させるための技術ではなくて、終焉を迎える「近代」を軟着陸させるための技術だと考えるべきです。エネルギーをばかすか使う近代的な生活様式をやめれば、環境問題も自然に解決するはずです。CO2を処理するためにエネルギーを使うなど、本末転倒もいいところです。近代・グローバリズムは、石油が人類にもたらした一時の夢(バブル)でした。  

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