http://www.asyura2.com/10/social8/msg/829.html
Tweet |
止まらない「いじめ問題スパイラル」 「鬼女」から「教師自殺」まで
2012年08月03日 (10800文字)
いじめツイッター事件子ども若者
滋賀県大津市のいじめ事件でクローズアップされたのは、いじめという現象を前に、なすすべもなく立ちすくむ日本社会の姿。教育現場では、管理職や教育委員会、保護者、生徒との板挟みになる教員が、慢性的な過重労働や管理強化の中で、生徒間の問題に効果的に対処できない現実がある。他方、ネットの発展は、「裏サイト」を舞台とした新たな種類のいじめや、ネット掲示板で「鬼女(きじょ)」と呼ばれる人々の人権侵害まがいの「犯人捜し」を促している。荒廃する教育現場の実態を追う。
◇教師はなぜ無力なのか
◇もう、逃げ場がない
◇「鬼女」とは何者なのか
教師はなぜ無力なのか/いじめに対応できない学校
大津市で起きたいじめ事件は、学校が抱える問題の深刻さを改めて浮き彫りにした。教室で子どもたちと向き合う教師は今、何を考えているのか。彼らの本音を聞いた。
突然、教育委員会からかかってきた一本の電話で、その事実は発覚した。
「ネットに開設されたあるブログの中で、御校の中学2年のAが実名でいじめを受けている」
Aは、西日本の公立中学校に通う2年生の女子生徒。担任の女性教師(31)は、そのブログを実際に見るまでは、Aへのいじめを信じられなかった。
明るく面倒見のいいAは、クラスの人気者だ。運動部に所属し、夏の県大会には2年生ながら出場。成績は普通だったが、決していじめの対象となる空気は持ち合わせていなかった。
たしかに最近になって欠席が目立っていたが、仕事に忙殺され本人と直接話す機会を逃していた。県下では有数の進学実績を誇る学校で、深刻ないじめや校内暴力など目立った事件はこれまでなく、学校側もそれを自負していた。
だから、いったん事が起きると、同僚から集中砲火を浴びる。進学を控える3年生の学年主任からは、Aの件について「一日も早く片付けて」と嫌みたっぷりに言われた。
◎一転して教師が標的
ブログの存在を知らされた夜、自宅でそれを見た。芸能人やスポーツ選手も利用している大手ブログサイト。内容は、加害者の生徒が携帯電話を使って書いたと思われる日々のつぶやきだったが、書き手の特定はむずかしかった。被害者であるAの名字の一部はイニシャルだが、明らかに個人が特定できる。
「ワキ臭い。着替えの時には避難、避難」「最近、アイツ調子乗ってない?」
この書き込みから1週間で、ブログへのコメントは10人を超えた。明らかに同じクラスだと特定できる人物もいた。
「あいつキモい。2限目の休み時間になったら全員無視」「男子にも声かけて徹底シカト」
ホームルームの時間に、Aの名前は出さずに、クラスにいじめが存在すること、それはブログ上で行われていることを明かして注意喚起した。
一転して今度はAではなく、自分が標的となった。翌日の書き込みには、「ウザイ」「先生は関係ない」などの言葉が書き込まれ、その後は「洋服がダサイ」など自分の容姿に関するコメントが続く。さらにブログへのアクセスの際にパスワードが要求されるようになった。
Aは不登校になった。被害者が警察沙汰にしない限り、学校側からは手が出せない。何人かクラスの生徒から聞き取りをして、加害者の目星はついた。クラスでも数本の指に入る優秀な女子生徒で、担任である自分への対応もすこぶるよかった・・・
続きを読む
止まらない「いじめ問題スパイラル」 「鬼女」から「教師自殺」まで210円(税込)
著者ライター・中原一歩、庄村敦子/AERA編集部・本田靖明、山根祐作、井上和典、直木詩帆、岩田智博 出版社朝日新聞出版 出版媒体AERA
滋賀県大津市のいじめ事件でクローズアップされたのは、いじめという現象を前に、なすすべもなく立ちすくむ日本社会の姿。教育現場では、管理職や教育委員会、保護者、生徒との板挟みになる教員が、慢性的な過重労働や管理強化の中で、生徒間の問題に効果的に対処できない現実がある。他方、ネットの発展は、「裏サイト」を舞台とした新たな種類のいじめや、ネット掲示板で「鬼女(きじょ)」と呼ばれる人々の人権侵害まがいの「犯人捜し」を促している。荒廃する教育現場の実態を追う。[掲載]AERA(2012年7月30日号、10800字)
ビューアで読む
http://astand.asahi.com/webshinsho/asahipub/aera/product/2012072500013.html
《いじめられている君へ》
三浦雄一郎さん
関連トピックス
富士山
三浦雄一郎さん
[PR]
■思い切って学校休もう
僕(ぼく)は今、79歳。君たちのおじいさんと同じくらいかもしれない。70歳と75歳の時に世界最高峰(さいこうほう)のエベレストに登った。2回目は抜けるような青空で、地球を見渡すような景観(けいかん)だった。
来年、80歳でまた登ろうと思っている。人生は長い。夢や生きがいは、年齢に関係なく持つことができるんだ。
僕は青森市で生まれたけれど、父が公務員(こうむいん)だったから転校ばかりしてた。小学校は5校、中学は4校も通った。方言のせいで仙台や東京の学校ではからかわれた。転校するたび、まず友だちを作るよう心がけた。
東京の中学では、まだよく知りもしない子を登山に誘い、6人ほどで神奈川・丹沢(たんざわ)の塔ノ岳(とうのだけ)に登った。頂上で富士山を見て万歳(ばんざい)した。そこまではよかったけど、帰りに道に迷(まよ)ってしまった。電車に乗り遅れ、駅で一晩過ごした。でも、おかげで連帯感(れんたいかん)が強まった。
友人関係がうまくいかず、いじめがひどいなら、学校を休んじゃおう。いじめる連中(れんちゅう)は弱みにとことんつけ込んでくる。1学期でも、1年でも休むといい。休めば先生も心配する。それでダメなら転校だってできる。
僕は通信制(つうしんせい)高校の校長もしている。いじめられた経験を持つ子もたくさんいる。1日しか中学に通わなかったという子も。でも、同じような体験をしていれば、お互いの痛みが分かり、仲良くなれる。中学はほとんど休んでいたのに、高校では無遅刻(ちこく)・無欠席を通した子もいた。
人生をトータルで考えれば、学校を休むくらい、大したことじゃない。君の居場所は必ずある。僕の学校に来てもいい。そしたら一緒に山に登ろう。(みうら・ゆういちろう=冒険家)
http://www.asahi.com/national/update/0803/TKY201208030810.html?ref=rss
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。