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17歳のアリ地獄 低年齢化するミナミの“闇”
産経新聞 5月20日(日)12時23分配信
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訪れる客も、そこで働く従業員も、ともに低年齢化しつつある夜の大阪・ミナミ(写真:産経新聞)
【関西の議論】
全国有数の歓楽街、大阪・ミナミ。10代の男女が夜ごと繰り出し、キャバクラ、風俗、ホストそれぞれの立場で客を求める。最近では小学6年生の女児に客引きをさせたガールズバーが摘発されるなど、夜のミナミの「低年齢化」が目立つ。深みにはまった少年少女は容易には抜け出せず、ある女子高生は、ホストに貢ぐため借金を重ね、風俗店でのアルバイトで返済するという“あり地獄”に。華やかなネオンの輝きとは対照的に、足元の闇は濃く、深い。
【フォト】 小6がガールズバーで働いた「理由」と「事情」
■わたしの「口座」
ある風俗店の従業員控室。高校生のエミ(18)の隣で、女の子が泣きじゃくっていた。
「うちの口座がな、『色恋(いろこい)違う』っていうねん」
口座は送金先。つまり、なじみのホストを指す。その彼から「恋ではなく仕事の付き合い」と告げられたのが号泣の原因のようだ。エミの風俗店で働いていたのは同じような境遇の子ばかり。エミもそうだった。
17歳の夏、初めてミナミのホストクラブへ行った。友達は「1回行ってみたら面白かった」という単純な理由でエミを誘った。初回料金は5千円以下。横に付いたのが拓也(22)だった。帰り際に店の外まで送ってもらう「送り指名」の相手に選んだ。すぐに好きになった。最初に送り指名したホストが、後に口座になることが多いのだという。そんな業界の慣習にも、今は詳しい。
2回目以降は一気に料金が上がる。エミの場合は数万円から、多いときで10万円くらい。酒も飲んだ。未成年者への酒類提供は風営法違反だが、だれも気にしない。支払いで現金が足りなければ、ツケを意味する「未収(みしゅう)」扱いになる。店に対してはホストが未収を肩代わりする形になり、客はホストからの取り立てに追われる。
拓也は言った。「おれをナンバーワンにしてくれ」。エミの未収はかさんだ。高収入のアルバイトとしてあっせんされたのが風俗店勤務だった。初めて会った夏の日から、まだ2カ月しかたっていなかった。
■気が付けば「エース」
風俗店関係者からは「どこまでできるか、勝負やで」と発破をかけられた。「試されてる」と思った。拓也への気持ちを形で見せたかった。客1人を相手すれば、エミの取り分は最低5千円。2人で1万、10人で5万円…。年が暮れるまでに、拓也に300万円以上注ぎ込んだ。夜の風俗アルバイトを終えると拓也の店に行き、そのまま翌朝まで。「いつもオーラス(オープンからラストまでの略)やった」
「リシャール」に「ルイ13世」といえば、どちらも1本数十万円という超高級ブランデーだ。それを何本か注文したのだろう。400万円の未収を抱え、途方に暮れる女の子をエミは見たことがある。エミは中学生のころから自傷行為(リストカット)を繰り返すなど、精神的に不安定な側面もあった。一度言い出したら後には引かない性格だ。それでも、エミだけが特別変わっているわけではない。まわりの子も似たり寄ったりだった。
未成年者から金を絡め取る見えない「システム」が、夜のミナミには存在する。昔も今も変わらない。
「お金があれば振り向いてくれるって、勘違いしてた」。年が明けて、エミはようやく気が付いた。「しっかり努力して働けよ」と拓也にしかられたのがきっかけだった。「死ぬから止めないで」 そうメールを送り、大量の睡眠薬を一気に飲み込んだ。薄れる意識の中でもう一度メールした。今度は「たすけて」。返信はなく、もちろん助けにも来なかった。一時は危篤状態に陥った。
店に行くことはもうない。今では「恨むことはできへん。といって、特別な感情はもうない」と淡々と話す。ホストは一番の上客を「エース」と呼ぶ。エミの表情に一瞬、さみしげな影がよぎった。「私が彼のエースだった」
■ホストの言い分
グリコのネオンサインが瞬く道頓堀の戎橋。ホストのヒロシ(23)はスマートフォンをいじりながら、人混みに顔を向けた。他店の客引きは左右に目を配り、若い女性グループを物色中だ。「なってない。レベルが低いよ」。同時並行で、常連客にメールくらいしないと−。ヒロシの視線はスマートフォンに戻った。
この世界に入ってまだ1年半だが、店での売り上げはトップクラスという。月に約1千万円を稼ぎ出したこともあるそうだ。戎橋に来るのは客引きのためではなく「単なる暇つぶし」。景気が悪いとは思わない。ホストの稼ぎは実力次第だ。「未収はつくらない。キャッシュ優先。1人2〜3万円をコツコツと。確実に給料をもらうためにはそれが一番」。では何人相手にすれば、月1千万円に届くのだろうか。
周囲のホストは大体20代で、10代は少ないという。上下関係は厳しく、言葉遣いひとつで鉄拳が飛んでくることも。だから10代はすぐに辞めていく。客はどうだろう。「未成年に酒?ない、ない」。発覚して警察に摘発でもされたら「(店側から)後でボコボコにされる」。そのうえ営業停止になれば、売り上げ相当額の借金を背負わされることになる、というのだ。「未成年相手にバカはしない」とヒロシは強調した。一方で、未成年であろうと骨までしゃぶるホストがいることは否定しなかった。あくまで「うちの店は違う」というスタンスだ。
■補導は10万人
2008年のリーマン・ショックは、大阪の夜の街も飲み込んだ。特に客を接待するキャバクラやホストクラブなどの落ち込みが目立つという。大阪府警によると、当時2500件近くあったこうした店舗は、昨年末には1976店まで減った。統計でフォローできるのは、営業許可を取得している店だけだ。数字に表れない無許可の違法店舗も、山ほどつぶれているという。
「リーマン以前の4分の1くらいになっているのでは。ミナミはどこも不景気ですよ」と業界関係者は語る。人件費を抑えるために安いバイト代で未成年者を働かせるケースも少なくないとみられる。府警が昨年補導した未成年者は約10万1千人。ここ数年間、ほぼ横ばいで推移している。
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最終更新:5月21日(月)12時37分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120520-00000522-san-soci
18歳・女子高生はなぜガールズバーで死んだのか
2012/02/25 12:40
衝撃事件の核心
【衝撃事件の核心】
大阪・ミナミの繁華街にあるガールズバーでアルバイトをしていた現役女子高校生(18)が死亡した。ガールズバーは、カウンター越しに若い女性バーテンが酒などを提供してくれる店として人気を集めており、「安い価格で、クラブやキャバクラと同じような若い女性と一緒に飲める」とのうたい文句で、店舗数はここ数年で全国的に急増している。一方で、一部のガールズバーでは、警察当局の規制が必ずしも十分に行き届いておらず、不当に高額料金を請求する「ぼったくり」など“犯罪の温床”になっているとの指摘もある。女子高校生はなぜガールズバーで働き、そして亡くなったのか。発祥の地とされる大阪・ミナミのガールズバーの実態に迫った−。(佐藤裕介)
■女子高生店員の死
「同僚女性の意識がなくなった」
12日午後0時35分ごろ、大阪市中央区東心斎橋のガールズバー「SORA」の経営者の男(27)から119番があった。消防隊員などが駆けつけると、若い女性が店内の床にあお向けで寝た状態で死亡していたという。
大阪府警南署によると、女性は同店アルバイトで、大阪府内の公立高校に通う女子生徒(18)。目立った外傷などはなかったが、司法解剖の結果、女子生徒の死亡推定時刻は同日午前7時ごろと判明。死因は不明で、同署は急性アルコール中毒の可能性もあるとみて詳しい死因を調べている。
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南署や関係者によると、女子生徒は11日午後11時ごろから勤務。12日早朝から、酒に酔った様子で店内で寝ていたという。店内で寝泊まりしていた男が12日正午すぎ、女性生徒の意識がないのに気づいた。
「12日午前5時ごろ、床で寝ていた女子生徒に声をかけたが返事があったので、そのままにして自分も店内で寝ていた」
男は調べに対し、こう説明しているという。
南署は保護責任者遺棄致死容疑なども視野に、女子生徒の死亡の経緯についても慎重に調べている。
■店員6人が18歳未満
同店は飲食店としての営業許可を取得しておらず、南署は14日、食品衛生法違反(無許可営業)容疑で、同店経営者の阪田淳容疑者(27)=24日に処分保留=を逮捕。24日には、労働基準法違反(年少者の深夜業使用)容疑で再逮捕した。
調べに対し、阪田容疑者は「18歳未満だと知りながら接客させていた」などと容疑を認めている。
再逮捕容疑は今月11日午後10時から12日午前5時にかけ、同店で、府立高校の女子生徒(16)と17歳の少女3人の計4人に客引きや接客をさせたとしている。
また、阪田容疑者は調べに対し、「店で未成年者の女性店員を7人雇っていて、そのうち6人が18歳未満だった」などと供述しているという。
南署によると、同店では、男性客は3千円で飲み放題。女性店員は、客引きに成功すると250円、客から酒をおごってもらうと1杯あたり200〜800円が支給されるシステムだったという。
■なぜ現役高校生が…
女子高生は未成年のため、飲酒は法律で認められていない。
女子生徒が通っていた高校の男性教頭は「学校としてはアルバイトは許可していなかった。詳しいことは女子生徒のプライベートでもあり答えることはできない」と言葉少なに語った。
同店のホームページには当初、店員の女性たちの名前や年齢、趣味などといったプロフィルが顔写真とともに掲載されていたが、女子生徒に該当する「18歳」と表示された店員はいなかった。
だが、捜査関係者によると、同店には女子生徒の他にも複数の未成年の女性店員が勤務していたという。
同店付近のガールズバーで働く女性(22)も「このあたりのガールズバーでは20歳未満の店員がけっこう普通にいるし、それ目当てで店に通っている客もいると思います」と打ち明ける。
■発祥の地・大阪
業界関係者らによると、ガールズバーは7、8年前に大阪で誕生。クラブやラウンジと比べると低価格で女性バーテンダーとの会話を楽しめることから人気に火が付き、全国各地の歓楽街で急増するようになった。
だが、店舗が増え、他店との競争が激しくなると、男性客に「おさわり」を許すなどの違法な接客に手を染める店や「ぼったくり」まがいの高額請求をしたりする店も出現するようになったという。
本来のガールズバーは、一般的なバーやすし店などと同じ「飲食店」の扱いとなるため、食品衛生法上の飲食店営業許可で営業することが可能だ。クラブやキャバクラのように女性店員が客の隣に座って接待するには、風俗営業法の届け出が必要となってくる。
ミナミ周辺では、警察が平成16、17年ごろに性風俗店への規制を強化。廃業に追い込まれ、ガールズバーに「転職」する性風俗業者も少なくなかったという。
■「3千円だけ」の呼びかけにつられる男たち
「若い子たくさんいるんで、3千円だけなんで、ガールズバーどうですかー」
ネオン輝くミナミの繁華街を歩くと、たちまち多くのガールズバーの女性店員に呼び止められた。
大阪・ミナミの雑居ビル4階にある店に入った。店内には3人の女性店員がカウンター内で男性客の相手をしていた。
女性店員は3人とも21歳で、服装はジーンズに赤色のシャツを着た店員と長いスカートの店員2人で、思ったよりも露出は少ない。
「お仕事帰りですかー」「このあたりでよく飲むんですか」
たわいもない会話が少し盛り上がり出すと、「私、ウイスキー好きなんですけど、少しだけ飲んでもいいですか」とやってきた。
男として、満面の笑みをみせる女性の「お願い」をむげに断るのは、至難の業だ。
女性店員は自分のグラスにウイスキーの水割りを注ぎ、そのまま飲み始める。女性店員は、その後も「もう1杯同じやついただきますね」などと、約1時間半で計4杯飲んだ。
結局、こちらはビールを2杯(計3千円)飲んだが、女性のドリンク料金は1杯あたり2500円で、店を出るときに支払ったのは1万3千円だった。
■取り締まり強化
大阪府警は、違法なガールズバーに対する取り締まりを強化している。
南署は昨年、客引き行為や無許可営業など、ガールズバーに関する違法行為を計33件摘発した。これは、昨年のガールズバーに関する大阪府内全体の摘発数(44件)の4分の3を占める多さだ。
南署幹部は「管内は大阪府内でも有数のガールズバー密集地帯。今後も、違法な客引きや営業を行っているガールズバーに対しては、厳しい取り締まりの実施を徹底していく」と話している。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/547168/
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