http://www.asyura2.com/10/social8/msg/569.html
Tweet |
(日刊ゲンダイ2012/1/30)
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-4890.html
橋下、東国原、横山ノック、青島幸男などなど、TVタレントが政界にやすやす進出し偉ぶってきた偽装民主主義国の悲劇と喜劇
タレント弁護士だった橋下徹・大阪市長が率いる「大阪維新の会」に、政治家がこぞって秋波を送っている。
「3月旗揚げ?」なんていわれる石原新党も「維新の会」頼みだし、みんなの党は「我々とアジェンダは同じ」(渡辺喜美代表)と蜜月ぶりをアピール。民主、自民、公明も、幹部がこぞって橋下と面会し、気味が悪いほどの擦り寄りぶりだった。
で、橋下はというと、すっかり強気なのだ。「維新政治塾」をつくって、400人規模の塾生を集めると息巻いている。この中から次期衆院選に大量の候補者を出す計画だという。
この政治塾の講師には東国原・前宮崎県知事や中田宏・前横浜市長らの名前が挙がり、すでに松井大阪府知事が打診したりしている。醜聞まみれのブン投げ首長コンビである。
おぞましい光景ではないか。
◆芸人が現実の政治動かすおぞましさ
橋下という政治家の評価は分かれるとして、「維新の会」というネーミングや衆院選に200〜300人立てるという大ボラ、東国原、中田宏が出てくるウサンくささはどうだ? そこに今年80歳になる石原が「東京より国家が大事だ」とか言ってシャシャリ出てきて、橋下と組もうというのである。
作家の三好徹氏はこう言った。
「政治というのは常に時代を先取りして、国を引っ張っていかなければならない。そうした政治的パワーが政治を動かし、政治家を束ね、離合集散させていく。それが健全な姿なのに、なぜ、80歳の石原氏が出てきて新党なのか。ちょっと知名度があるからだけでしょう?
◆目を覆いたくなる最近の政治家のバカぶり
こうなった背景にはTVの影響もあろうが、もちろん、国会議員の質の低下が挙げられる。
無教養を絵に描いたような野田を見ていると、絶望的になってくるのだが、バカは野田だけじゃないのだ。元朝日新聞記者で大平正芳の最期を描いた「権力の病室」の著者、国正武重氏はこう言った。
「池田勇人が所得倍増計画を作ったときに秘書官として支えたのが大平正芳や宮沢喜一といった大蔵官僚です。でも、池田は官僚の言いなりにはならなかった。経済活動を発展させていく上で、哲学、思想があったし、官僚を上回る力量を備えていたからです。ここが力量がないので官僚に頼る野田首相との決定的違いです。その大平は後に首相になったが、生誕100周年で刊行された全5巻の著作全集を読むと、政界屈指の知性派といわれた理由がよく分かる。知性、教養だけでなく、人間の情にも通じた政治を心がけていた。死の病床にあっても見舞いに来て会えない人がいると、自作の漢詩を書いて送る人でした。それに対し、小泉元首相は郵政選挙の際に日本記者クラブで行われた記者会見で、『自民党がいいねと君が言ったから29日は投票に行こう』なんて歌を披露していた。この辺が節目でしたね。以後、どんどん首相は劣化している」
中曽根だってロクな首相じゃなかったが、就任の際に大学ノート三十数冊の政権構想をしたためていた。
それに対し、ダジャレしか言えない野田の寒々しさ。どっちが上島竜兵だかわからなくなるというものだ。
◆カラッポTV芸人がいきなり首長
その一方で、芸人も変わった。大衆を相手に笑いを取ることを業にしてきたくせに、簡単に政治に打って出る。もともと、大衆の笑いと権力とは相いれないものだ。そこを平気で跳び越えて、ふんぞり返る。強烈な違和感を覚えるのだ。マトモな先輩芸人であれば、「この身の程知らずがッ」と頭を小突いたのではないか。
「江戸の落語や歌舞伎は常に大衆の立場に立って、お上や金持ちを批判したものです。『てやんでえ』と啖呵を切って、観客をスカッとさせる芸もある。常に権力を笑いにするのが芸人なのに、昨今はそんな芸人が選挙のたびに候補者として騒がれ、実際、選挙に出る人もいる。おかしな現象ですよ。それじゃ、彼らに政治信条があるかというと、テレビ芸人は政治的に無色が求められている。彼らは政治にはそぐわないのです」(芸能評論家・肥留間正明氏)
前出の三好徹氏も「参院の全国区ならイザ知らず、自治体の首長ともなれば、大統領だ。人気投票であってはならない」と言った。これがマトモな見方だ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。