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釧路の男女遺体:妻病死後、認知症の夫凍死 介護支援受けず/北海道
毎日新聞 2012.01.21 地方版
釧路市のアパートの一室で12日、夫婦とみられる男女2人の遺体が発見された事件は、釧路署のその後の調べで、最初に女性が病死し、その後、認知症を患う男性が面倒を見てもらう人がいなくなって凍死したらしいことが分かった。2人は生活保護や介護サービスなどの支援を受けず、近所付き合いもほとんどなかったといい、高齢者の支援ニーズを周囲がくみ取る難しさを浮き彫りにする形となった。
同署によると、死亡したのは同室に住む夫(84)と妻(72)とみられる。司法解剖の結果、妻は死後約40日、夫は同約20日経過。妻の詳しい病名は分からなかった。室内のストーブは運転状態のまま灯油が切れた状態だったといい、妻が死亡した後に燃料切れでストーブが消え、夫が凍死したとみている。
市や近所の人の話では、夫婦は少なくとも十数年前から同室に居住。年金で暮らしていたようだが、家賃は昨年11月まで欠かさず納めていた。また、09年6月から1カ月間、夫は介護保険による「要介護2」の認定を受け、デイサービス(通所介護)を1カ月間受けているが、半年後に認定が切れて以降、サービスの再申請が行われた記録はなかった。
近くに住む女性は「奥さんには『市の世話になったら』とよく言っていたのだけど」と残念がる。
市では昨年度から、75歳以上の高齢者などの訪問調査を行う「高齢者実態把握事業」を始めているが、全市をカバーするには4年かかる見込み。調査を拒否されたり、何回行っても所在不明だったりのケースも少なくないといい、木村俊宏・介護保険課長は「現状では決して万全とは言えない。地域の人たちによる『見守り』のような何らかの仕組みが必要かもしれない」と話している。【山田泰雄】
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