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[【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/syakai/134723
ゲンダイネットより
日本の教育制度はガタガタになる
東大が秋入学に向けて突き進んでいるようだ。学内のワーキンググループが入学時期のあり方を検討。7割の国がやっている秋入学に移行すれば、国際的な評価が上がり、留学生の受け入れや送り出しも増えるとの中間報告をまとめた。年度内の正式決定を目指すという。
英国の情報会社は昨年、東大の世界ランキングを25位とした。05年の11位から大幅ダウンである。日本一のブランドが色あせているのは明らかだ。順番をつけられるのなら、少しでも上につけたい。ビリになるよりも1位がいいに決まっている。
ただ、それが日本の教育にとって、どれだけ重要なのか。順位が上になれば、教育の質もアップするというわけではない。むしろ、東大の“暴走”は教育を混乱させる恐れが強いのだ。
東大が秋入学を決めれば、京大や阪大など旧帝大も足並みをそろえるだろう。私立大学も同調する公算が大きい。ほとんどの大学が、春に入試を実施し、秋に受け入れるスタイルになる。東大はこの半年間のズレについて、勤労体験やボランティアなどに充てればいいとしているが、腰掛けのパート体験にどんな意味があるのか。
米国では、高校卒業後に3年間ぐらい働き、学びたいことが見つかれば大学を受験するというパターンが多い。まずは働き、自主的に大学進学を目指すのだ。ルールで決められているからと半年間だけ働いたところで、意識や価値観が変わるだろうか。教わる姿勢だったのが学ぶ姿勢に変わる可能性は極めて低い。
高校サイドも大変だ。「卒業したんだから勝手にしてくれ」と放り出すことはできない。就業体験をさせてくれる企業を探したり、追加授業を用意したりと、何らかの対策が必要になるだろう。大学にあわせて、秋入学に移行するところも出てくるかもしれない。
となると今度は中学が問題を抱えることになるが、こちらは義務教育だから国が動かなければムリだ。独自の対策は立てられない。そんなゆがみがあちらこちらで出そうだ。
経済界は「半年間で力をつけられる。大いにやって欲しい」(米倉経団連会長)と歓迎しているが、大して効果がないうえに教育制度はいびつになる。百害あって一利なしだ。
霞が関には東大出身が多い。さぞや母校の地位低下にカリカリしていることだろう。入学時期の移行はすんなり認められるのかもしれない。だが、それで現場を混乱させるのは許されない。
東大は、あまりに身勝手が過ぎる。
【高橋乗宣】
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