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*****陰気な西洋人と陽気な日本人
聖書とは簡単にいえば、マイノリティの自らがいかにメジャーに虐げられたか。そしてそれに正しく対処した。だから最後は我々が勝利する、という物語だ。なんと西洋人はこんな陰気な話を何千年も読み、考えてきたという。日本人にはとてもじゃないが、陰気臭くてついていけない。
現に虐げられたマイノリティのユダヤ人から生まれたこの陰気な物語は、下層の人々に共感されたのだろう。民族闘争が日常する西洋では、破れた民族は下層となり、生まれにまでつながる徹底的な格差と搾取が生まれる。
それに対して日本も中国という大国の周辺のマイノリティと言えるが、島国のために征服された経験がなく、独自の王国を築いてきた。また豊かな環境から農業また商業が発達し、比較的豊かに暮らしてきた。天皇を頂点とした階級性はあったが西洋の場合と違った。
日本では天皇を頂点とする縦の階級性はまた、天皇を中心とした横の「職の体系」でもあった。擬似的な単一民族の日本人として互いに役目(職業)を分担しあう。だから職においてそれぞれが等しく役目を負っている尊重があった。
たとえば武士は実質的な支配層になったあっとも、天皇から授かった治安維持、政治という職業面を維持しつづけた。将軍とは征夷大将軍職である。農民層は環境に大きく作用されるために飢饉など苦しい時期はあるが、村の自治は農民自身ににまかされているし、年貢さえを収めれば仕事そのものは自由であり、努力代は自らの懐に入る。
このような自主性から日本の農民は自ら文字を学び本を読み、法に精通し、また農作業を研究した。彼らは全般的に自由で陽気であった。このような傾向は強く縦の支配下にあった西洋の農民には見られないだろう。
*****近代化で日本人は陰気になり、西洋人は陽気になった
日本人がこのような陽気さを失っていったのは明治時代以降の近代西洋化からだ。国民一致の規律体制、場所、時間を拘束する機械労働、またキリスト教的禁欲倫理、儒教的な厳格さが導入された。さらにいままでの日本文化は否定され、西洋的価値が美化されることでコンプレックスが植え付けられる。日本人は国際ルールに該当しない半未開人と見下す西洋人の見方がそのまま、日本人自身の中に移植されていく。
そして互いに監視し合い、西洋化しなければ世間の恥として集団からのけ者にされた。日本人は勤勉、厳格な家長制度、男尊女卑、集団主義、恥の文化、大和魂、西洋のものまねがうまい、日本の農民は虐げられてきたなど日本の陰なイメージはこの時に生まれた。
職に高いプライドを持ち、また金がたまれば仕事を休む、自分のペースで自由に働く。外から家の奥まで筒抜けで、人前で裸体をさらすことも気にせず、複数とセックスを娯楽として楽しむ陽気な日本人は失われた。
もう1つの西洋人の明るいイメージはアメリカ人による。アメリカ人の陽気さは新大陸という開放性からくるのだろう。その意味でアメリカ大陸とは大国コンプレックスのキリスト教徒が見つけた「約束の地」なのかもしれない。日本人のアメリカ人好きは日本人の本来の陽気さと共鳴するからかもしれない。
*****現代の陽気な日本の若者
しかし一方で日本人の本来の陽気さはそう消えるものではない。たとえば子供、若者である。キリスト教圏では子供は厳しく躾けられるのに対して、日本人はいまも子供に寛容であり、自由奔放に育てられる。日本ではいまも「職の体系」の文化が継承されており、大人になることは職をえることを意味する。だから逆に就職するまでは子供、若者は甘やかされる。
たとえば日本の女子高生や男子大学生を西洋のそれらと比較すればいかに社会から寛容に扱われているかよくわかる。このために彼らは「かわいい」や「オタク」など日本独特の陽気な文化を生みだされている。
また彼らの文化が性に開放的であるのも特徴的である。最近、オタク文化の性表現が西洋からの圧力で規制されようとしている。またCNNが秋元康にAKBに関する性倫理についてきびしい発言をして話題になっている。日本人からすると気にもしないことだが、彼らのキリスト教的禁欲倫理からは奔放すぎるのだろう。
しかし一方でその若者たちのセックス離れが社会問題になっている。これは彼らがセックスをキリスト教的な「純愛」の先の崇高なものへ結びつけているからだ。彼らもなんでもいいからセックスを経験することが簡単だろう。それでは彼らのプライドが許さないだの。
このナイーブさはキリスト教徒以上かもしれない。が、またクリスマスを一年でもっともセックスする日へと結びつける日本人の安易な西洋化という陽気な一面でもある。西洋人に対して陰気にふるまいながら、日本人は唯一の非西洋人として、この陽気さで西洋人と渡り合ってきた。(以下略)
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