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一人の指導者の誤った判断で大きな組織が壊れていくのを見るのは、忍びない。怒り心頭に発して行ったことは大抵いい結果を産まない。物事のほどほど、ということが分からなくなった人はなるべく早くトップの座を後進に譲るべきである。
読売の渡辺主筆兼会長は、今や晩年の太閤秀吉化している。公共の存在とも言うべき読売新聞の紙面を私物化している。
誰もそのことに気が付かないのだろうか。もはや誰もこの無謀極まりない愚かな行為を押しとどめることは出来ないのか。
智慧のない人たちが多いという証拠である。巨人軍のGMであった清武氏が記者会見を開いて巨人軍の内部の人事情報や読売グループの批判をしたからと言って、直ちにすべての役職を解いて巨人軍から追放したり、ついには1億円の損害賠償請求訴訟を提起するなどという無茶をやってしまう。
何が一番いけないと言って、読売が原告になったことが一番いけない。読売にとって一番いけないことをやってしまったのに、どうもご本人たちは気づいていない。
これまでマスコミに登場してきた有識者の方々は新聞社を相手に批判することは躊躇われるのだろうから、私が書いておく。今回の提訴は、読売の株主にも、読売の従業員にも読売の読者にも、さらには読売巨人軍のフアンにも良くない。
清武氏が読売の信用を毀損したから損害賠償を求めるなどと、読売の信用問題を持ち出したのが実は一番拙劣だった、ということをやがて思い知るはずだ。この訴訟は読売の豊かな資金力をバックにした読売の総力を挙げての戦いで、攻勢に出た読売の勝利は確実だ、ぐらいに思っているかも知れないが、実はまったく違う。読売の信用を前面に出したことで、アッと言う間に読売は守勢に回ることになる。
「読売の信用」なるものの実態を読売側が詳らかにしなければならなくなるのだ。そもそも人の信用とか会社の信用の中身を明らかにすることは難しい。信用を勝ち取るためには大変な努力が必要であり、その勝ち取った信用の全貌を立証するためにはそれこそ膨大な証拠が必要となる。読売の信用棄損を言うのであれば、訴訟を起こした原告側でまずこれを立証しなければならない。ここをお座なりにしたのでは大した訴訟にならないから、原告代理人団の作業はおそらく困難を極めるだろう。
おそらく、裁判所の求釈明に次ぐ求釈明で忙殺されることになろう。訴訟を起こしたはずなのに訴訟を起こした原告が何か責められているような感じになる。
滅多矢鱈、信用棄損など持ち出さないことだ。信用という極めて実態の掴み抜くいものを持ち出すと訴訟の論点が無限に拡大する。信用という正体不明のものが争点になると、実は反論する材料がそれこそ5万と出てくるものだ。読売が抱える様々な不祥事やスキャンダルをすべて暴き立てることが可能となる。武器を相手に渡すようなものだ。
私ならこんなことはさせない。
腹立ち紛れでやってしまうと人はこんなにも愚かになる、という証左である。
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