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いつから幼児化したのだろうか? 漫画世代と言い、草食男子と言われた世代ではない。今、もっとも幼児化したのは今度の原発事故でも「安全だおじさん」に変身した人のようにおもう。つまり、すでにリタイアした年代の男性がもっとも愚かなように感じる。
でも、タクシーに乗って運転手さんと話しても、一日の乗降客が1000人にも満たないような駅の前の喫茶店に入っても、ヨーロッパ通貨危機や落ち葉と人生の関係を話し合うことができる。
地震に襲われれば沈着冷静、世界の見本になるような民族なのに、世界から見るとまるで幼児化した集団、一人ぼっちの大人が集まった国のようだ。
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世界で日本だけが温暖化防止といってCO2(二酸化炭素)の削減をしているのに、重要なエネルギーの議論をするときに「CO2を削減できるから、この発電の方式が良い」と語られる。重要な決定を意味のない根拠に求めるのだから、どうしたのだろうか? 世界で誰もやっていないのに、日本の中だけでは「みんなで渡れば怖くない」というように見える。
あれほど大きく、影響力の強いアメリカは世界の自動車用ガソリンの53%を消費していて、一向に「脱石油」をしようとしていない。あれぐらい大きな国だから、ひとたび路線を間違えると修正は聞かずにまっさかまさに落ちることはよくわかっている。だから、仮にアメリカが「石油が枯渇するか、あるいは原油価格が上がる」と思っていたら、鉄道敷設や原発を始めるはずなのに一向にその気配は見えない。
もちろん1988年に自らぶち上げた「政治問題としての温暖化」も農業が立ち直ったので、すっかり熱意を失ってなにもやっていない。アメリカはTPPを進めるような強力な政策立案力をもった国だ。それが、意味もない「節電」や「脱石油」、まして「低炭素社会」などを進めるはずもない。
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世界情勢も哲学もすべての人が語れる日本。温暖化と節電で騙される日本人。どちらが本当なのだろうか? それとも「優れた個人」と「愚かな集団」をともに演じる特別な回路があるのだろうか? どう考えても、「節電」も「脱石油」も無意味、まして「温暖化」など無意味なのに、なぜそれが日本の合意なのだろうか?(武田邦彦)
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