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26日午前3時50分頃、東京都国分寺市本多の牛丼店「すき家国分寺本多店」に男が押し入り、男性アルバイト店員(20)に包丁のようなものをちらつかせ、「金を出せ、レジを開けろ」と脅し、現金約5万5000円を奪って逃げた。 店内には店員が1人だけで、けが人はなかった。警視庁小金井署は強盗事件として捜査している。 発表によると、男は25歳前後で身長約1メートル75のやせ形、いずれも黒の帽子、トレーナー、ズボンを身に着け、白いタオルで顔を覆っていた。
警察庁は、25日夜〜26日未明にすき家の全国の店舗を対象に抜き打ちで防犯体制を点検するよう全国の警察本部に指示。小金井署は国分寺本多店を含めた小金井・国分寺市内の4店舗を巡回する予定だったが、他に事件が発生したため同店は実施されなかった。
さて、すき家と言ったら強盗、強盗と言ったらすき家ですが、あまりに強盗がすき家に集中するために警察庁から異例の指導を食らったわけです。しかるに全国各地の警察署から抜き打ちで巡回が行われる最中ですら、強盗に入られてしまいました。こうなると、もはや笑い話です。例によって「店内には店員が1人だけ」とのこと。すき家側からすれば追加でバイトを増やすよりも大人しく金を渡した方が安い位なのかも知れませんが、防犯に協力してくれない企業に警察庁サイドが苛立っていたとしても何ら不思議に思うことはありませんね。
***「恒例の…」すき家強盗の無職男 自宅の床下に弟の遺体埋めた容疑で再逮捕(産経新聞)
実弟の遺体を自宅の床下に埋めたとして、埼玉県警捜査1課と川越署は29日、死体遺棄の疑いで、川越市砂新田、無職、児玉一男被告(33)=強盗未遂罪で起訴=を再逮捕した。県警によると、「弟を殺害して埋めた」と供述しており、県警は殺人容疑についても調べる。
調べでは、児玉容疑者は平成22年7月21日午前、自宅床下の地面に穴を掘り、同居していた実弟の会社員、英男さん=当時(30)=の遺体を埋めた疑いが持たれている。
児玉容疑者は今年9月、朝霞市内の牛丼店「すき家」に押し入り、「恒例のすき家強盗です」と店員を脅して逃げたとして、県警が10月8日に強盗未遂容疑で逮捕していた。
そして「恒例のすき家強盗」の中には、殺人と死体遺棄の容疑者もいたようです。現時点では容疑者ですので何とも言えませんけれど、強盗に手を染める人の中には相応に危険な人もいると考えられます。いつの日か、すき家の店員が刺された挙げ句に死体をどこかに埋められるなんてことがないとも限りません。やはり企業たるもの従業員の安全確保に対する一定の責任は求められるもので、「強盗に入る奴が悪い」では済まされないわけです。強盗に入られないための自衛策、従業員の安全を守るための対策を採ることは社会的責任として免れられるものではありません。しかるに、その辺の責任を放棄し続けてきたからこそ警察庁から直々に指導をさせる事態にまで発展したのでしょう。
***すき家、防犯強化で「試練」 人件費増で牛丼戦争に影響?(産経新聞)
外食最大手のゼンショーホールディングスが展開する牛丼チェーン「すき家」が試練に直面している。狙い撃ちの強盗多発を受け、警察庁が異例の防犯強化を要請。深夜帯の1人勤務を改め、複数体制にすることになった。人件費のコスト増が25億円に上るとの試算もあり、収益の圧迫は必至だ。小川賢太郎社長は、業界最安値の牛丼並盛り280円からの値上げを否定するが、すき家がリードしてきた「牛丼安値戦争」の帰趨(きすう)に影響が出るのは避けられそうもない。
「やっぱりちょっと怖かった」
すき家でアルバイト経験のある女性は、1人勤務についてこう漏らした。
警察庁関係者は「『すき家が隙だらけ』ではシャレにならない。被害者ではあるが、強盗を誘発している側面は否定できない」と指摘する。
同庁の調べでは、1〜9月に全国の牛丼チェーンで発生した強盗事件71件のうち9割に当たる63件がすき家で起きた。夜間はアルバイトの1人勤務で、レジが入り口近くに1台しかない店舗が多いことが要因とみている。実際、2人以上勤務でレジがカウンター内にある吉野家は6件、券売機方式の松屋は0件だった。
(中略)
***野村証券の繁村京一郎シニアアナリストは、現在1人勤務の店舗が約1千店あると仮定し、時給千円で7時間勤務のアルバイトを1人増やした場合、年25億円の負担増になるとはじき出した。これは23年3月期の連結最終利益47億円の半分以上が吹き飛ぶ金額だ。
そんなわけで流石に警察を真っ向から無視するのも限界なのか、今さらながらすき家では深夜帯の1人勤務を改めることになったと伝えられています。この結果、年25億円の負担増になるとのこと。計算してみて気づいたのですが、この数値はアルバイトの額面給与を積算しただけですね。社会保障費の事業主負担分とか、交通費や有給休暇など福利厚生の費用は含まれていないように見えます。大丈夫なんでしょうか? かつてすき家は「会社とアルバイトとの関係は、労働契約関係ではなく、請負契約に類似する業務委託契約である」と称して労働契約関係を否定し、雇用主としての責任から逃れようとした前科があります。こんなところでもやはり、従業員を切り捨てようとする思惑が窺えないでもありません。 参考、個人請負という名の過酷な”偽装雇用”(東洋経済)
ともあれ、バイトに渡す額面給与だけでも「連結最終利益47億円の半分以上が吹き飛ぶ金額」に達するそうです。それでも尚、業界最安値である牛丼並盛り280円からの値上げには否定的だとか。そこまで安くしなくとも、という気がするのですが、どうなんでしょうね。値下げすれば競合からシェアを奪いやすいというのもあるのでしょうけれど、そうやって業界全体の利益、ひいては日本全体の経済を損ねてきたのがこの十数年だったようにも思うところです。まぁ、むしろ安いものほど価格を気にされがちなところは否定しませんが……
この頃はTPPがらみで諸外国の脅威がことさらに喧伝されていて、門戸を開けば侵略を受けるみたいな話がまことしやかに語られがちです。外国から安価な商品やサービスが流入して国内産業が打撃を受けるみたいな想定もあるわけですけれど、ただ私が思うに今だって十分、国内産業同士で安値を武器に潰し合いを演じ、お互いの足を食い合っている状態なのではないでしょうか。前にちらっと、国際競争力がある農家は当然ながら国内の他の農家に対しても強い競争力を持つと書きました。外国との競争ばかりを無闇に恐れるよりまず、国内での競争に目を向けた方が良いのではないかという気がしてきます。
人件費や安全管理費を削って商品(サービス)の価格を下げ、それでシェアを伸ばす企業を賞賛してきたのが我々の社会でもありますが、そういう企業が蔓延ることのマイナス面も、もっと深刻に捉えられるべきです。低価格を武器にシェアを奪い続ける企業よりも、宅配ピザ業界のようにデフレの中でも価格の維持に成功している業界あたりの方が、よっぽど見習うべきところがあるのではないでしょうかね。ダンピングという概念もありますけれど、飲食業界にも少しは規制が必要な頃合いだと思います。その価格で従業員に適正な賃金を支払った場合にちゃんと利益が出ているのか、業界他社を潰すために無理をしていないか、その無理を従業員に押しつけていないか、タクシー業界のようには行かずとも、もうちょっと行政側は安値を売りにするビジネスに警戒感を持ってしかるべきでしょう。
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