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【医療事故被害者からの便り】
投薬治療事故で夫を亡くした宮城県の伊藤さんが、しばらく前にFAXで便りをよこした。いつもながら読むと気が滅入る。背後で大学病院・医師会などが、不条理な鑑定でもって病院側の悪徳弁護士を支援して対抗、医学に無知な裁判官を翻弄してしまう。彼女の悲劇に有能な医療弁護士や一部善良な医師らが立ち上がって裁判を支えても、それでも法廷は病院と製薬会社の側に軍配を上げた。最高裁にまでも裏切られてしまったのだから、この世に神も仏もいない心境であろう。
市民・家庭の主婦として彼女は「権力社会の汚さ」を知り、怒りに震えている。人間としての平等な権利を奪われる、騙される現状を、それでも無関係な第3者・多くの市民はわかってくれない。このことが「権力者をますます横暴にさせている」と分析・断定する。
実に鋭い視点であるが、被害の当事者になっても、一般的にここまでの理解に到達することはないだろう。多くは諦めてしまう。それが嘘と隠ぺいをはびこらせる社会を維持存続させているのだが。医療事故に反省も謝罪もないのだから、事故は次々と繰り返される。
不注意・過失によって人命は奪われている。「謝罪することが医師の最高の良薬」という真理に到達しない日本の医療現場である。
【多数と特権の横暴】
民主主義は多数決原理によって動く。他方、少数意見を重視する。二律背反を裁くのが政治や司法である。人類は法治でもって公正を期しているのだが、ここにも多数が割り込むと不公正・不条理な社会が実現することになる。
過ちを犯しても許されるわけだから、これはもう原始の社会である。弱肉強食の畜生のレベルで、社会混乱の原因である。政治不信・行政不信はいうまでもない。人々に抵抗権が正当化されるだろう。
「目には目を、歯には歯を」の法則が適用されかねない。西欧文明とイスラムの対決には、現在これが通用している。相手をとことん叩き潰すまで繰り広げられる。こんな事態が、日本でも?断じて起こしてはならない。
したがって、伊藤さんが言うように「人間平等」「法の下の平等」が約束される社会にならなければならないのである。圧力団体の日本医師会・大学病院の特権が、今後とも被害者の人権を侵害し続けることは許されない。
【大野事件に対する医師会の不条理】
彼女は福島県立大野病院事件について語りかけてきた。筆者には随分昔のことのようで、忘れかけて記憶になかった事件である。事件の年表まで送信してくれた。2004年12月のことで、帝王切開手術中に患者が死亡した。
マスコミが大騒ぎしたお陰で、県の事故調査委員会が3カ月ほどかけて調査報告書を提出した。県警が捜査に乗り出し、看護師や担当医を取り調べた。外来・入院カルテの捜索と差し押さえと、周辺関係者の取り調べへと捜査は拡大。病理・医学の鑑定書が作成され、2006年2月に担当医逮捕、翌月起訴した。
医師逮捕に驚愕したのは医師会と霞が関の官僚らだ。伊藤さんによると、医療者が騒ぎ出し、ブログで被害者を誹謗中傷する書き込み相次いだ。
【ブログの書き込み規制を】
この書き込みなるものを最近になって知ったのだが、匿名ばかりで無責任の限りを尽くして、相手を誹謗する。ネット社会の悪しき一面である。これは断固規制する必要があろう。当局の責任である。
悪しき医師団の書き込みに裁判も揺らいでしまった。真実を主張した医療関係者を叩き潰すのである。「協力した医師が病院を追放される」というのである。筆者も帝京大学で見聞した。
【裁判は政治決着】
結局、裁判所は無罪判決を言い渡した。業務上過失致死事件は闇に葬られてしまった。筆者の目には、法廷外で医師会・厚生官僚と法務官僚の間で闇取引があったと見る。厚生族議員も動いた。事件の外での政治的な駆け引きが、決着をつけたものである。
法治・民意を排除した判決をした裁判官は、いまどうしているだろうか。出世しているに違いない。しかし、関係者の心に深い傷を負わせたことはいうまでもない。
【腐敗する特権組織】
日本記者クラブで手にした「中国通信」(2011年8月4日)の冒頭に胡錦濤総書記の7・1演説が出ている。中国の官僚腐敗もひどすぎるためなのだが、それゆえに彼は「人民を最高の位置に」と党員に呼びかけている。
「一人一人の共産党員が、人民を心の中の最高の位置に置き、人民の主体としての地位を尊重し、人民の創造精神を尊重し、人民を師と仰ぎ、政治的英知の増大と執政能力の増強が、人民大衆の創造的実践の中に深く根ざしたものになるようにすべきである」
なかなかすばらしい言葉だ。日本の総理大臣からは聞こえては来ない。
明治以来、日本は官尊民卑・男尊女卑の悪弊が温存されている。群れることで保身に長ける人々・組織・団体が目立つ。それが人間の命を扱う医療の現場でも、公然とまかり通っている。
腐敗する特権社会のままでいいわけがない。
2011年9月19日8時40分記
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