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米政府の報告書が指摘した日本の人権問題
http://www.asyura2.com/10/social8/msg/421.html
投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 01 日 12:26:07: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110713/106861/?P=2
米政府の報告書が指摘した日本の人権問題
 

 2011年、今年のCSRを巡る世界の議論の中心テーマは「人権」である。国連の「企業と人権に関する指針原則」の公表(3月)、国際金融公社の「社会・環境面の持続可能性に関するパフォーマンス・スタンダード」の改訂(5月)、OECD多国籍企業ガイドラインの更新(5月)などについては、これまで本稿でも触れてきた(「米国でのOECDガイドライン違反提訴は日本企業への警鐘」、「世界で着々と進む「企業行動規範」の強化」の項参照)。
日本の外国人研修・実習制度を米国が問題視

 そんななか、6月27日にショッキングな報道が飛び込んできた。米国の国務省が毎年発行する、世界の人身売買の実態をまとめた年次報告書「2011 Trafficking in Persons Report」で、わが国の外国人研修・実習制度について「保証金による身柄拘束や行動制限、未払い賃金など、人身売買の要素がある」との指摘がなされたというのである。

 早速、報告書を参照してみた。そこには以下のような記述があった。

 「日本政府は、外国人研修・実習制度について公的には、強制労働の存在を認めていない。しかし、マスコミやNGOは、借金による束縛、移動の制限、賃金や残業代の未払い、詐称行為、本来とは異なる雇用主への派遣など、人身売買の状況に匹敵する数々の要素をはらんでいることを明らかにしている。研修生の大半は中国人でブローカーに1400ドル以上の手数料を支払うとともに、4000ドル以上の保証金を強要されて制度を利用する申請を行う。2010年末に中国人研修生を対象に実施されたNGOの調査では、研修・実習を途中で放棄したり、不当な取り扱いを告発した場合に、保証金がブローカーによって差し押さえられてしまうケースも報告されている。また、パスポートや法的文書が取り上げられてしまっている例や、脱出や相互のコミュニケーションをさせないよう移動が厳しく管理されている例もある」

 この制度で、わが国に入国した研修生(財団法人国際研修協力機構が支援している民間受け入れ分)は、2007年がピークで年間に7万1762人に達している。最長2年間だった滞在期間が最長3年間に延長された1997年と比べると、その数は実に約2.6倍に拡大している。リーマンショック後のわが国経済の景気低迷により、2008年が6万8150人、2009年が5万64人と減少しているが、研修から技能実習への移行者数は、2007年が5万3999人、2008年が6万2520人、2009年が6万2207人と推移している。こうしてみると、現在でも15万人以上の外国人がこの制度を通じて、わが国の経済活動に関与していると想像される。

 その実態を数字で見ると、以下のような特徴が挙げられる。
(1)従業員規模で1〜100人の小企業が全体のほぼ3分の2を受け入れている(2006年)
(2)外国人研修生の平均研修手当は9万4566円(1997年)から6万5612円(2006年)へと、およそ10年間で2万8954円も減少している
(3)2006年度の技能実習生への支給予定賃金(基本給)は、男性の平均額が12.3万円、女性の平均額が11.5万円、全体の平均額は11.8万円で、最低賃金(全国平均推計)とほぼ同額になっている
(4)1997年度から2006年度における技能実習生の失踪者数の推移を見ると、305人から1635人へと5.3倍に増加している(研修生の失踪者は、受け入れ企業が財団法人国際研修協力機構に報告する仕組みになっていないので把握されていない)

 こうした状況を鑑みると、すべての事例でそうだとはいえないものの、外国人研修・技能実習制度が極めて安価な労働力活用の受け皿になっている可能性は否定できない。事実、中小製造業の経営者からは、「外国人研修・技能実習生の働き手としての存在なしには経営は成り立たない」という声も聞く。そして、これまでも問題行動が指摘されることはあった。それが今回、米国国務省の年次報告書によって、その一部に強制労働に類似するようなケースがあることが、公的にも追認された。
人権デューデリジェンスに着手する企業は登場するか

 この意味は大きい。これまで、日本の大手企業のCSR担当者には「国内には、仮にサプライチェーンまで含めても、児童労働や強制労働などはありえない」という認識が共通にあった。しかし、現実には死角があったのである。もちろんCSR担当者を置くような大手企業が直接的な問題の当事者であるケースはほとんどないだろう。それでも、問題をはらむ小企業のサプライチェーンの川下には、多くの大手企業が存在するはずである。ISO26000の文脈を援用するなら、こうしたサプライチェーンに連なっている状況が、人権侵害への加担と見なされる可能性は十分にある。

 残念ながら、筆者の知るかぎり、この問題にCSRの観点から光を当てた日本企業は、これまでなかった。では今回、米国国務省の年次報告書で明確な指摘がなされた以上、大手企業はどう動くだろうか。「出稼ぎ目的の研修・実習生の実態と、極めて安価な労働力活用の手段と捉える企業の思惑が合致している限り問題はなくならないとして依然、口を噤む」か、「政府に取り締まりや法的な処罰の強化を要請する」のか、それとも「取引先が外国人研修・技能実習生を受け入れているのか、受け入れている場合には適切な手続か、強制労働の実態がないかを確認する」取り組みを始めるのか。この問題に対して、いわゆる人権デューデリジェンスに着手する日本企業が現れるかは、大いに注目されよう。

 「社会や環境に関する問題意識を、その事業活動やステークホルダーとの関係の中に、自主的に取り入れていくための概念」だとされるCSR。それがどこまで日本の大手企業に定着したかの試金石を、今回の米国国務省の年次報告書は突きつけている。  

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コメント
 
01. 2011年8月01日 21:37:05: ErqGkEoGuc
言った者勝ち、と言わんばかりのアメリカは一国の財政を一民間企業であるFRBに匙を投げている国である。
自国の財布さえ管理できない国にとやかく言われる筋合いは無い。
日本人雇用が減る中、だぶつく日本人労働者を何とかするのが国家の仕事ではないのか?
人権侵害と非難される位なら、外国人労働者は全員祖国にお帰り頂き、鎖国をするべきである。

02. 2011年8月02日 12:02:42: 3Sz5bSNGFo
今、日本で声を大にして、問われなくてはならない人権問題は・・
アメリカの対日干渉もどきの、請け売り投稿(日経)より・・

[フクシマ放射能棄民]と[被曝子供実験]に見られる・・民族生存権という名の人権であるである。

このsci投稿はピントがずれておる。(・・いつものことだが)


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