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わたし、公僕でがんばってました。[作]古林海月(中経出版)
かつて、とある女性だけの集まりで、その場にいた女性が「え、あんた公務員なん!?」と、非常に侮蔑を込めた言い方で相手の女性に向かっていっていたのを見たことがある。言われた方の女性は、慣れた風で「そうなんですよ〜すみません」的な態度で受け流していた。正直言って、私は公務員をあんなに毛嫌いする人たちがいることを知らなかったので、非常に驚いた。嫌う理由は「親方日の丸で、倒産の心配もないし、楽な仕事で高い給料もらいやがって」といったところであろうか。
別に私が元公務員の娘だから言うのではないが、公務員だってピンからきりまで、いろんな職種やいろんな人がいるわけで、一概に「楽な仕事」ばかりではないと思うのだが。そういう疑問を持っていたので、書店でこのタイトルを見かけた時に迷わず手に取った。阪神大震災にみまわれたH県で、著者が1993年から2002年までの9年間を県職員として働いた体験をつづっている。
地味な絵柄で語られる公務員の日々は、地味だが誰かがやらねばならない仕事ばかりだ。著者の配属は、芸術文化課に2年、県立大学事務に4年、福祉事務所3年(庶務経理2年、ケースワーカー1年)。
公務員がなりたくない職種ベスト3は、生活保護のケースワーカーと、県道などを作るための用地買収、そして収税だそうだ。最終的に、著者も生活保護のCWとして働いた1年で胃潰瘍と十二指腸潰瘍になったり、生活保護費を減額された受給者に「訴えてやる」と脅されたりして、最終的には救急車のお世話になって辞める決意をしたという。
「親方日の丸は下っぱ力士を守ってくれません。ストレスで病気になったり過労死、自殺する位なら思い切って辞めるのも手です」と古林。在職中に死亡した国家公務員の死因ワースト3はがん、自殺、心臓病(平成17年)。同世代の国民と同じだという。「公務員だけ楽をしていたらこうはならないでしょう」と訴える。
「公務員が楽だなんて、ごく一部の人を見て全体をバッシングするのはやめてほしいです」。そういえば、著者は神戸新聞の取材にもこんなことを答えていたなあ。よっぽど思いが強いんだろうなあ。
とりあえず、給料の内訳から、採用試験のあり方、異動、退職の仕方に至るまで、丸ごと一冊が公務員の仕事についてなので、公務員を知らない人にとっては未知の世界で非常に興味深く読めることだろう。公務員を目指す若者にも読んでほしい。
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