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FRIDAY フライデー 平成23年7月8日発行 6月24日発行
講談社
原発事故対応であまりのダメっぷりを晒した経営トップの〝○恥〟過去。
経団連副会長も務めていた1年半前の「上野デート」を公開する！
（写真）問題の写真を見せると、清水社長は3秒ほど見入った後、無言で立ち去った。後ろの社員も興昧津々だった
東京・上野の老舗旅館前。初老の紳士と30歳前後と思しき美女のカップルが、玄関から姿を見せた。解放的な気分がそうさせたのか、男はスーツのボタンを外したまま。女性とリラックスした雰囲気で言葉を二、三かわすと、警戒することもなく二ヤケ顔を晒す。よほど会話が弾んでいるのだろう、美女の口元からも白い歯が覗いた。時刻は夜10時過ぎ。街灯がが路上の二人を浮かび上がらせた───。
このニヤケ男こそ、だれあろう東京電力の清水正孝社長（87）である。撮影されたのは'09年の12月。この1年半後、福島第一原発が爆発寧故を起こし、まさか、自分が世界的な〝公害企業〟のトップとして名を馳せることになろうとは、思ってもいなかったことだろう。
気になる美女の正体、二人の関係については後述するとして、まずは、原発事故以降、清水社長が東電トップとして世間に見せつけたダメっぶりを振り返ってみよう。
土下座しても罵声
3月11日、震災が発生し福島第一原発が壊滅的な打撃を受けていた時、清水社長は東京の本社に不在だった。東電側は、「関西財界人との懇談のため関西に出張していた」と説明したが、妻と秘書を連れて奈良観光をしていたことを毎日新聞がスッバ抜いた。奈良市内のホテルに泊まり、震災当日の午後は平城宮跡地を訪れ、その後、東大寺のお水取りを見物する予定だったという。地震の連絡を受けて急遽、東京に戻ろうとしたが、何とか乗り込んだ自衛隊の輸送機がストップをかけられるなど、初動の遅れが不運を呼び、結局、本社に出社したのは翌日の午前10時という体たらくだった。
「しかも、事故の2日後の3日13日の会見以来、マスコミから雲隠れし、一時は〝自殺説〟まで流れた。その後、ホテルなどで静養していたことが分かりましたが、3月29日には、高血圧とめまいを理由に入院。4月6日に退院し翌日出社するまで、約10日間の空白を作った。これは、未曾有の事故災害を起こした企業のトップとしてはあり得ないことでした。
また、復帰後も頑なに『事故という言葉を使わず、『事象』と言い張ったり、東電の賠償が免責規定に該当すると言ったり、無神経な発言を繰り返して被災者を憤慨させてしまった。5月に被災地の避難所に入って土下座までしたが、罵声を浴びるばかりでした」（全国紙経済部記者）
結局、頼りにならない社長には任せられないと、勝俣恒久会長（71）が前面に出てきて、清水氏は完全にカヤの外に追いやられた。清水氏が副社長を務めていた頃、何度か食事をしたことがあるという経営評論家の針木康雄氏が言う。
「清水さんは勝俣さんの後を受けて社長に就任しましたが、慶應ボーイの彼は、東電を代表する図太さを持つ勝俣さんとは対照的に、内向きすぎた。社長就任の2年後には黒字化を達成しましたが、カリスマ性はほとんどなかった。こんな時期に社長になっているのが、気の毒と言えば気の毒。本来のトップは、こういう混乱時にこそ力を発揮するものですが……。清水さんの就任時に震災が起きてしまったことは、東電にとっても、清水さんにとっても不幸でした」
清水氏は'08年、東電はじまって以来初の私大出身の社長となった。同年、経団連の副会長にも就任したが、原発爆発という前代未聞の有事への対応は荷が重すぎたのだろう。かくて清水社長は、6月28日の定時株主総会で退任し、その後は顧問に就任することになる。次期社長には、京大卒で企画部出身の西澤俊夫常務（60）が決定している。
（写真）美女と旅館から出てきた清水社長は、ニヤケっ放し。社長就任2年目で経団連の副社長も務めていた頃である。
写真を見つめて固まった
極秘デート現場の話に戻ろう。気になる相手の女性は誰なのか。二人について知る東電関係者が説明する。
「経済、金融情報を配信するアメリカの情報サービス会社『フルームハーグ』の記者です。原油価格やエネルギー関連の動向を記事にするのが仕事でした」
ある経済誌記者によれば、この女性の評判は上々だった。
「もともとエネルギー関係の業界紙から転職したのですが、英語が堪能で頭の回転も速い。酒も強く、飲むと明るくなるタイプですね。ただ、今はもう転職してしまい、ブルームハーグにはいません」 デートが目撃された'09年というと、'07年の新潟県中越沖地震で停止していた柏崎刈羽原発が再稼働した年で、東電は3年続いた赤字決算の返上が見え始めた時期。清水社長もほっと一息ついていた頃である。それにしてもこの二人、女性担当記者と取材対象者の関係に過ぎなかったのだろうか。冒頭にある老舗旅館で二人きり──というのは、ビジネスライクな関係とは言いがたい。この旅館は高級割烹を兼ねていて、料理はスッポンコースが一人1万5000円から、会席中国料理が7000～8000円。部屋はすべて個室で完全予約制である。旅館だからもちろん宿泊施設もある。この日、二人は午後7時ごろ旅館に入り、3時間ほどで出てきた。清水社長の大きなキャリーバッグ（上の写真参照）も気になる。
前出の東電関係者がこう説明する。
「実は、清水社長は、彼女と頻繁に密会していました。六本木にある古民家を再利用した料亭にも行っています。手をつないだり、彼女のお尻に手をやって撫でたりしていたこともあります。彼女にプレゼントを渡していたこともあります」
女性記者とその取材対象者が不適切な関係に陥ることはままあるが、果たして事実はどうなのだろう。
6月21日午後、福島県庁の正面玄関にワンボックスカーが横付けした。降りてきたのは、ブルーの作業着姿の清水社長。
この日は、次期社長の西澤氏と一緒に、福島県の佐藤雄平知事を表敬訪問したのである。記者は、清水社長を直撃。ツーショット写真を直接見せた。
「社長、この女性に見覚えがありますか」
清水社長は、無言のまま写真に見入った。美女のこと、あるいは妻のことでも考えていたのだろうか。その間3秒ほど。
「社長、この女性と上野の旅館に宿泊されたのではないですか？」
改めてこう切り出したが、清水社長は無言のまま庁舎内に入っていった。代わって、広報グループがこう答えた。
「清水に確認したところ、この女性はエネルギー担当の記者だと認識していました。清水は副社長時代に広報担当役員として各社の記者らと懇談会を持つ機会も多かったので、そうした関係ではないでしょうか。ただし、高級料亭などで記者と二人きりで取材を受けるようなことは、当社では常態化していません」
清水社長は、今回の福島訪問を最後のご奉公と決め、6月28日の株主総会でひっそりと退任するつもりだったようだ。
しかし、美人記者との恥過去については無言のまま。この先、顧問としてどのような采配を振るのだろうか。
（写真）よく見ると、清水社長はキャリーバックを転がしていた。これは出張帰りの荷物なのだろうか、それとも…
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