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Der Spiegel の特集記事パート2です。
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パート2:強欲と放蕩な生活スタイル
初めに全ての惨事を引き起こしたのがトップの人間達であると言うことは誤りであろうか?。 それは、ジョセフ・アッカーマンが CEO を務めるドイツ銀行が途方も無い財務数値を発表した事を含んでいる。 ドイツの金融紙ハンデルスブラットが11月の記事で「この危機の解決へ貢献することに対して、銀行はどれほど確固たる姿勢を持っているのか」とアッカーマンに問うた時、「現時点で課題は残念な方向へ向かいつつある」と彼は返答したのだ。 市場はこの論争に対してネガティブに反応した。 彼の発言した事が脅威であると受け取られたのだ。 需要を創出する人々は、彼等自身が銀行に敵対している事に気付いたのである。
先週木曜日のドイツ銀行の年次総会で、「銀行は”収穫”を得る最中にあった」とアッカーマンは勝ち誇ったのである。 しかし何の収穫なのであろうか?。 そして、如何なる種から得たものであろうか?。 投資銀行部門だけでも予想年間利益100億ユーロの内60億ユーロの貢献をすると期待されている。 過度に強欲な投資銀行が最初に金融危機を引き起こしたという事を我々は既に忘れてしまったのだろうか?。
ドイツ銀行は、その過程で重要な役割を果たした。 米国政府はドイツ銀行の関連会社を告訴しているのだ、無謀な住宅ローンの融資慣行を非難しながら。 依然としてアッカーマンは世界中の経営方針を決めているのだ。 金融市場における主要なプレーヤーの一人として、どのような条件の下で国家は金を借りることができるのかという事を決定する作業について彼は責任の一部を負っているのである。
格付機関も又、世界の政治に参加し続けている。 動揺する素振りを見せずに彼等は信用格付けを発行しており、それによって国家全体の運命が左右されるのだ。 何故ならば彼等が国債の金利を決定しているからである。 ベルギーは、その AA+ の評価を失う危険に晒されている。フィッチは、ベルギーの見通しを ”安定的” から ”ネガティブ” へ改訂した。 巨大格付け機関が有毒な有価証券を含む資産の束へポジティブな評価を与えた為に引き起こされた金融危機について、彼等が責任の一部を負っていたという事を我々は既に忘れてしまったのだろうか?。
【非難と厚かましさ】
そう、これが新しい主人達はどのように見えるかという事である。 彼等は実質的に金融危機の第1幕に責任があり、第2幕では厚かましい存在なのだ。 彼等は非常に神経過敏で、貪欲であり、数字だけに興味を持っているのである。 これらの数字は彼等が政治を操縦する方向を示しているのだ。
しかし、何故政治家達は制御され、操縦される事に甘んじているのか?。 なぜ、単純に金融市場の支配を許さないという態度を彼等は示さないのか?。 その答えは、政治の世界は銀行に依存しているので彼等にはできないという事であり、その事を非難するしかないのである。 もしも、どっぷりと借金に浸かっていなかったならば、ギリシャは金融危機の渦中に陥ったりしなかったであろう。 ギリシャは身の丈以上の金を借り、常に更なる借金を必要としたのである。 彼等自身の自堕落な生活スタイルの為に信用への中毒状態となったのだ。 その結果、この国は、格付機関、金利そしてアッカーマンのような奴等の計算の手足となったのである。
原則として、これはドイツを含むユーロ圏のすべての国に適用される。 ドイツの財務大臣は簡単にあらゆる融資を提供する事も可能であるが、彼は格付けや金利、アッカーマンの計算等に過度に依存しているのだ。 ドイツは、ユーロを介してギリシャ、アイルランド、ポルトガルの問題に巻き込まれており、自らの財務状態は全ての懸念を払拭できる程に壮大という訳でもない。 ドイツ政府が最善だと考える事を単純に実行することはできないのだ。 ドイツは、自らも混乱に巻き込まれるのを避けるべく常に骨を折る必要があるだ。
【市場の支配】
ここで、節度の無い政策 -- 国民へ可能な限り多くを与える一方、彼等へは可能な限り少ない負担を課す事に熱心な -- が宿をとるべく家に戻って来るのである。 このような政策が我々に高い生活水準を与えたのだ;しかし現在、ユーロの結果の一部として、それは金融市場の支配という問題を我々にもたらしたのである。
このように、それは現在の災難によって倒産している銀行の事だけではないのだ。 政治家達も又、非難される側の一部なのである。 しかし、これだけでは無い。 我々、一般市民も又非難されるべきなのだ。 我々は、金融機関から高いリターンを期待していないだろうか?。 そして我々は、寛大な補助金や社会保障給付を受けながら、より少ない政府からの税負担を期待してないだろうか?。
換言すれば、金融問題とユーロ危機は私たち自身の願望を反映したものなのだ。 銀行や政治家達は我々の要求に応えようとする事で我々を顧客又は有権者として利用しているのであるから、我々も銀行や政治家達の立ち振る舞いの一部となっているのだ。
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ドイツのメディアですから、PIIGS の問題に関しても 「救済する側が被る不合理な負担(迷惑)」 という認識が根底にあるように感じますね。 しかし、ドイツを含む世界の経済が一部の銀行家達に支配され、結果として政治家達も銀行家に隷属するという現状については、(ドイツ国民も含めた)一般市民の側の責任というのを指摘しているのです。
「現在の歪んだ社会/経済の構造を生じせしめたのは、結局の所、有権者である我々一般市民がおバカであるからだ。」 というのがパート2の論旨のようです。
次回に続く・・・
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