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“震災離婚”急増で加速する「非婚社会」の衝撃 (岡林俊夫/Diamod Online)
http://www.asyura2.com/10/social8/msg/358.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2011 年 5 月 22 日 18:17:14: Je/tdYZdw47GA
 

http://diamond.jp/articles/-/12341
■「自己責任論」では片づけられない「非婚社会」の現実
「価値観の多様化により未婚者が増えるのなら、それ自体を問題にすべきとは思わない」としながらも、しかし、非正規労働者であるために、結婚したくてもできないという人もいます。職業訓練も十分に受けられず、正規労働者になるのも難しいなど、本人の努力で対応できることには限界があるのに、それを“自己責任”と片付けてしまうのはどうでしょうか。男性が正社員になり、専業主婦の妻や子どもを養う時代は終わろうとしています。非正規労働者であっても結婚しやすい社会、独り暮らしの人も生きやすい世の中を作るべきだと思う。
今回の地震でパートナーが見せた素顔に、幻滅する女性たちが続出しているという。思わず引いてしまう男性の言動にはこんなものがあるそうだ。
・「ニュースを見ているとき、一緒にいるのが不快になるほど行政や東電関係者に罵声を浴びせる」
・「震災直後、過度な買い占めに走った」
・「せっかく節電しているそばから、電気のスイッチをバチバチと入れる」 
・パートナーや家族そっちのけで、自分だけ助かろうとする姿に信頼を失う女性もいる。
・「地震の時、家族を顧みず自分だけ逃げてしまった」
・「放射能が怖いからと、こっそり自分用ガスマスクを購入していた」などなど――。
 それだけならまだいいのだが、時には夫に愛想を尽かし、離婚話に発展するケースもあるようだ。
■阪神淡路大震災後も離婚は急増、親離れできない妻が夫に愛想を尽かす?!
 このままでは震災離婚が急増するのでは――
そんな警鐘を鳴らすのは、岡林法律事務所 代表弁護士の岡林俊夫さん。じつは、阪神淡路大震災の後も離婚が急増し、社会問題となった。兵庫県立女性センターには、震災後3年間でおよそ1500件もの離婚相談が寄せられている。
「以前からしっくりいかなかった夫婦仲が、震災によって危機的状況になる場合は多いよう。死生観を問い直すことで、それまで目をそらしていた問題に向き合おう、という気持ちになるのでしょう」
では、震災前、離婚をめぐる状況はどうだったのだろうか。
若くして結婚したものの、経済的にも精神的にもなかなか自立できない……。最近の離婚相談から浮かび上がるのは、そんなカップルの姿だったようだ。
「とくに若年層の間で離婚が急増していました。厚生労働省の人口動態統計によれば、2009年の離婚総数は25万3000件。そのうち、結婚から20年以上経ったカップルの離婚件数は17%ですが、5年未満では36%と倍以上。当事務所でも、結婚5年未満の若い人からの離婚相談がこの3、4年で2〜3割増えています」
 中でも目立つのは、200〜300万円台と年収の低い夫を持つ女性からの相談だ。
「別れたい理由として価値観の違いなどを掲げる相談者が多いのですが、よく聞いてみると経済的な問題が大きい。『夫の収入が減った』『どこに勤めても長続きせず、何度も転職を繰り返す』などなど。家計の破綻が夫婦仲をこじらせ、互いの価値観も受け入れられなくなってしまう、というパターンのようです」
若年カップルの離婚のもうひとつの原因が「親の存在」である。
『専業主婦の母親を見て育ったから、結婚後も自分が働かなきゃならないなんて全然想定していませんでした』
若い妻たちからそんな不平の声が上がっているというのだ。
稼ぎも家事も、なるべく公平に分担しようという友達型カップルが増える一方、「大黒柱の夫と専業主婦の妻」という、かつての典型的な夫婦像を理想とする女性が少なくないらしい。
親の干渉も激しくなっている。
経済力のない娘の夫に失望し、「そんな男とはさっさと別れなさい」と仲を裂こうとする親。自ら弁護士事務所に赴き、離婚に動く親もいる。
「若いカップルの親は、年齢もまだ比較的若く体力もある。若い男性に比べて収入も高いので、発言力があるのです。子どもたちも、親の力を頼らないと結婚生活が成り立たないことが多く、つい耳を貸すようになるのでしょう。娘や息子への援助が、皮肉にも彼らの精神的、経済的な自立機会を阻害していると言えますね」
親の若い頃と違い、今どきの若者をめぐる雇用情勢はかなり厳しい。だが、妻側の親はそれが理解できず、娘の夫の収入が減ると「甲斐性なし」のレッテルを貼ったりする。もっとも、専業主婦としてバッチリ家事や子育てをしてきた姑にしてみれば、今どきの妻もまた、「嫁失格」に思えるのかもしれない。
いずれにしても、こうした親世代の「昭和的価値観」に影響され、つい相手を自分の父親、母親と比べてしまうカップルは珍しくないだろう。
■“離婚格差時代”にワリを食う、若妻たちの悲惨な現実
そんな状況の中、起こったのが今回の地震だった。
「震災後、社会には不透明な未来への不安感が蔓延し、みんなが自信を失いつつある。『このパートナーに一生をゆだねていいのか』と、あらためて懐疑的な気持ちにとらわれる人が増えているのでしょう」(岡林さん)
確かに、「大黒柱としての夫」を求める妻にしてみれば、自分を置いて逃げだす男など言語道断モノに違いない。
だが、結婚相手を見つけるのが昔より難しくなったように、離婚を取り巻く状況も厳しさを増しているのが現実だ。
岡林さんによると、不況が深刻化する中、夫の収入が低いために養育費を回収できず、貧困生活に陥る離婚女性が増えているという。それでも自分の父親が現役のうちは、実家でゆとりある暮らしができるだろうが、親が年金生活に入るとそうもいかなくなってくる。
好条件の離婚を狙う妻たちの「離活」が話題になったことがあるが、「一般的に離婚でハッピーになれるのは、子育てが一段落し、経済的にも安定したカップルの場合」と岡林さん。離婚にも世代間格差が広がっているのだ。
離婚はもちろん個人の自由だが、万が一、親に影響されて決意した離婚であれば、踏みとどまったほうが賢明かもしれない。
■マメな「修活」で妻の愛をつなぎとめよ
では、夫側は妻に逃げられないため、どんな心構えが必要になるのだろう。
まず、妻と同様、相手に自分の親と同等の役割を求めないことだろう。そのうえで、妻の父親と同等かそれ以上に信頼に足る夫であることを、相手に示すことが大切なのではないだろうか……。
「たとえ収入はいまいちでも、家事やちょっとした気遣い、愛情表現などで、夫婦関係は維持できるもの。3組に1組が離婚するというこの時代、懸命に婚活して結婚しても、離婚のリスクはつねにつきまとう。折に触れ、互いの関係を修復、リセットする『修活』が必要なのでは」(岡林さん)
厳しい経済情勢の中、夫婦のあり方も変わりつつある。その現実を受け止め、お互いの結びつきを強固にしていかない限り、絆は簡単に断ち切れてしまう――。これまでの結婚観からの「リセット」が、震災後の今こそ求められるのかもしれない。
■30〜40代男性の4人に1人が20年後「独り暮らし」に
「20年後の2030年、今の30〜40代男性が50〜60代になったとき、4人に1人が“独り暮らし”をしている可能性が高い」
藤森克彦さん みずほ情報総研主席研究員。国際基督教大学大学院行政学研究科修了。2008年2月まで日本福祉大学大学院社会福祉学研究科・非常勤講師。著書に「単身急増社会の衝撃」(日本経済新聞社)など
国の将来推計に基づいて、こんなショッキングな指摘をしているのが、みずほ情報総研の主席研究員、藤森克彦さんだ。
独り暮らしといえば、“夫と死に別れた高齢女性”のイメージがあるが、「今後は中高年男性でも独り暮らしが増えていく」と話す。
2005年現在、50代男性に占める単身世帯の割合は13%。1985年の5%から大きく上昇した。この傾向が続けば、2030年になると、50代男性(現在の30代)の23%、60代男性(現在の40代)の25%が単身世帯になる見込みだという。
■なぜ中高年男性の一人暮らしが増えていくのだろう。
「中高年男性で単身世帯が増えていく主な理由は、未婚者が増加していること。例えば50歳男女の未婚者の割合を見ると、1980年には男性3%、女性4%にすぎませんでした。ところが、2005年には男性16%、女性7%と急増。50歳男性の6人に1人が未婚者になっています。
この傾向が続くと、2030年には50歳の未婚者の割合は、男性が29%、女性が23%になるとみられています。90年代以降、結婚や世帯形成のありかたは、私たちが想像する以上に変化しているのです」
男性の未婚率が女性を上回る要因のひとつは、医学の進歩。もともと出生数の多い男性乳幼児の死亡率が低下したため、結婚適齢期の男性の数が女性より多くなった。実際、2005年の20〜34歳人口を見ると、男性の方が38万8000人も多い。
■「男余り」と「非正規社員急増」で“結婚難時代”が到来
このほか、藤森さんは次のような問題も挙げる。
「もちろん、価値観やライフスタイルの変化、お見合いや社内結婚が減ったことも大きい。しかし、最大の要因のひとつは女性側の変化でしょうね。働いて収入を得られるようになり、結婚を急がなくていい人が増えた。
興味深いのが、厚生労働省が2005年に行った調査です。これによると、20〜30代未婚女性の8割以上が『いずれ結婚するつもり』と回答しています。ところが、独身でいる理由の第1位は、『適当な相手にまだめぐり会わない』となっている。
別の言い方をすれば、多くの未婚女性が、いい相手が出てくるまで待てるようになった、ということ。かつては夫の収入に依存する女性が多かったので、結婚が生活の安定に結びつく面があった。しかし女性の経済力が向上した今、あわてて結婚する必要がなくなっているのです」
第3の要因は男性側の変化だ。
90年代以降、非正規労働者が急増したことが、男性未婚者の増加につながった。ちなみに、男性雇用者に占める非正規雇用者の比率は90年には9%に過ぎなかったが、2010年には18%。25〜34歳の結婚適齢期に限って見ると、3%から13%と4倍以上に跳ね上がっている。
なお、2007年の厚生労働省の調べでは、20〜34歳男性の独身者のうち、その後5年間に結婚した人の割合は、非正規労働者では12%。正規労働者(24%)の半分だ。
■「年収300万円が結婚の分岐点」。
今月11日、内閣府が公表した統計結果は、さまざまなマスメディアに取り上げられた。それによれば、20〜30代男性の既婚者は、年収300万円未満なら約9%。300万〜400万円になると26%程度と、3倍近くなるという。
だが国税庁の調査では、年収300万円以下の男性は全体の25%だ。非正規労働者の場合、年収200万円未満はじつに59%にのぼっている。
「独身貴族」は続かない?!
■単身世帯の老後は想像より悲惨。単身世帯の生活は、高齢になると2人以上世帯より苦しくなる――
藤森さんの分析結果から、こんな厳しい現実も浮かび上がってきた。
「単身世帯は持ち家率が2人以上世帯より低いため、消費支出に占める家賃や地代の比率が高くなりがち。また、外食費などもかさみがちです。一方、2人以上世帯では、子どもの教育費や住宅ローンなどの支払いが終わると、暮らしにゆとりが生まれやすいといえます」
もちろん、単身世帯と一口に言っても、ヒルズ族からネットカフェ難民まで、収入の程度はさまざまだ。
問題は、低所得のため結婚できない単身者の老後。現在、単身男性に占める貯蓄残高150万円未満の人の割合は、60代で21%、70歳以上でも17%にのぼる。「借家に住む単身者は、無業になれば家賃を払えず、住宅を失うリスクも高い」と藤森さんは指摘する。
 また親が要介護状態になれば、兄弟がいない場合、自分が介護をしなければならない。こうした「シングル介護」の負担が重圧となり、ついには仕事を失う可能性もある。
もちろん既婚男性も、こうしたリスクと無縁ではない。高齢になれば配偶者と死別する可能性があるのは当然として、前述したように離婚率も高まっている。誰がいつ単身者になるかわからないのが現実だ。「会社」と個人の絆が希薄化したように、「家族」というセーフティネットもまた、弱まっているのだろう。
 

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コメント
 
01. 2011年9月24日 06:36:49: otr5w0NFqU
なるほどと思えるが正直片手落ちな印象を受けます。
1.夫を東京に残して逃げた妻もいる
2.急いで結婚する必要がないといっても結婚適齢期自体は変化しているわけではないので結婚できないリスクは高くなる
3.そもそも何ら改善案を出しておらず男を煽っている印象を受ける

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