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底辺校では、全く大学卒の意味がない時代になったか
http://www.news-postseven.com/archives/20110218_12849.html
底辺大学生 九九できない・アルファベットわからない
2011.02.15 10:00
大学への進学率が上がる一方で、底辺校といわれる大学では、学力の低い学生の存在に頭を悩ませている。千葉のある工業系大学で基礎数学の授業を受け持つ講師がいう。
「微分・積分など、高校レベルの学力がない程度ならばまだマシな方です。一次関数までレベルを下げてもまだ理解できない学生が多かったので、ひょっとしたらと思って九九の計算を解かせてみたんですが、全問正解したのは半数以下で仰天しましたよ」
こんな学生を、エンジニアとして就職させるのは不可能だ。埼玉大学教授の岡部恒治氏はこう語る。
「私が『分数ができない大学生』という著作を出してから10年が経ちますが、大学生の学力は当時よりもひどくなっている。現在、大学の半数以上は、正規の授業やゼミとは別に、小学生から高校生レベルの国語、数学などの補習授業を行ない、学び直させているんです」
埼玉の某大学で英語を教える講師はこう打ち明ける。
「ウチの大学では、中学1年生が最初に教わるI、MY、ME、YOU、YOUR、YOUといった人称代名詞から学び直しています。アルファベットの順番がわからず、辞書すらまともに引けない学生が多いですから仕方がない」
ついには、小学校の「国語」さえまともにできない大学生も出現している。中国地方の某大学では、学生と教員の間で「交換日記」をつけているという。学生は、「つまらなかった」程度しか書けない。そこで教員は、「いつ、どこで、何があって、どのように、つまらないのかを書かないと伝わらないよ」と、5W1Hを教えるところから始めている。
学力低下を嘆いているのは、“最底辺”の大学だけではない。名門・早稲田大学では「1万人シリーズ」と銘打ち、同大に入学する新入生約1万人に対し、インターネットを使ったリメディアル教育(補習授業)を施している。
科目は、日本語、数学、英語の3つ。例えば日本語の授業では、レポートの文献の引用の仕方について「書物に書かれている内容と自分の考えの区別が分かるように書く」といった基本的な事項を教えたり、毎週400字程度の作文を課して、クラス指導員がコメントと評価点をつけて返却したりしている。
※週刊ポスト2011年2月25号
新版 分数ができない大学生 (ちくま文庫)
少子化で必死 キャンパス見学しただけで合格通知出す大学も
2011.02.18 10:00
少子化と大学数の増加で、受験生が募集人数を下回る定員割れが相次いでいる。昨年春は、私大の約4割が定員割れだった。つまり、受験勉強を一切しなくても「名前さえ書けば合格」できる学生が急増しているということだ。
そんな学生の受け皿になっているのがAO入試である。90年に日本で初導入されて以来、広がり続けており、昨年度は全私大の入学者の10.5%がAO入試による入学者だった。AOとは、「アドミッション・オフィス」の略で、直訳すると「入試事務局」。
一般的な大学入試は学科試験を受けるのに対し、AO入試では職員で構成される入試事務局が「総合評価」で合否を判断する。“学科試験を受けないでも合格できてしまう”のがミソだ。そのため、定員割れに苦しむ大学では、AO入試を乱発している。
多くの大学は授業やキャンパスを高校生に公開する「オープンカレッジ」を行ない、入学生を増やそうと取り組んでいる。ある学校では、見学に来た高校生に名前や趣味、部活などを書き込む「履歴書」を提出させるという。
そして、なんとその場で「AO入試を行なった」として合格通知を渡すというのだ。こんなことを繰り返していれば、学力低下が解決するはずがない。そもそも学ぶ意欲のない者を大学に入れていることが間違いなのだ。
※週刊ポスト2011年2月25号
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