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http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20110214-japonaises-proces-conserver-leur-nom-jeune-fille
日本/司法
記事発表:2011年2月14日月曜日
最終更新:2011年2月14日月曜日
日本の女性が結婚前の姓を保持するために訴訟を起こす
RFI
4人の日本女性が結婚前の姓の保持を望むとともに、夫の姓を名乗ることを女性に課した1898年施行の法律の廃止を求めて、2011年2月14日月曜日、東京の法廷で訴訟を起こした。彼女たちは他に、損害賠償の請求もしている。
RFI東京駐在記者フレデリック・シャルルの報告
原告の一人は75歳だ。塚本協子(つかもときょうこ)氏は、50年以上の間、夫の姓を使うことを強制されたことにより、精神的な傷を受けたと語った。同氏はまた、こうして被った感情的な苦痛に対して損害賠償も求めている。
塚本協子氏は、夫の姓を名乗ることを女性に強制する1898年施行の法律は、夫婦の平等な権利を保障した日本国憲法に反すると考えている女性たちの運動に参加している。「私の姓は、私の人格を反映するものだ」と、塚本協子氏は明言する。私生活では、同氏は結婚前の姓を使っている。公的な書類では、同氏は夫の姓を使うことを強要されている。
中道左派の与党・民主党は、この法律の廃止を約束した。しかし、連立与党の一員である小政党・国民新党は、これに反対している。国民新党の党首である亀井静香氏には、同じ一つの家族がなぜ別々の姓を使わなければならないのか、理解できない。同氏によれば、これは日本の文化に反する。
この問題について、日本国内の意見は分かれている。37%が法律の改正を支持しているが、35%が反対している。日本は、夫婦同姓を強制する制度を維持する、先進国では稀な国の一つだ。国連は差別的であるとして、この条項の廃止を勧告している、
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(投稿者より)
先日、夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法に記された「個人の尊厳」と「両性の平等」に反するとして、5人の方が東京地裁に告訴しました。このことを伝えたフランスRFIの記事です。誤訳があるかも知れません、ご容赦ください。
源頼朝の夫人は北条政子で、足利義政の夫人は日野富子でした。夫婦同姓が制度化されたのは明治民法からです。かつての武家に浸透していた、家父長権の強い儒教思想と親和性が高い、やはり家父長権の強いドイツ民法が取り入れられたとのことです。
同じ儒教社会である、韓国・中国では、夫婦別姓が一般的です。親を尊ぶのなら親の姓を生涯名乗るのは当然だ、という考えが根底にあるようです。どちらの国にも戸籍制度は存在するので、技術的には日本でも夫婦別姓は可能なのでしょう。
ところで、「個人は家に属し、家は長男が相続し、家を相続した者が家長となり、家長としての権限を行使する」というのが、日本の伝統的な家族制度の原則ですが、長男にその資質がなければ他の男子、適当な男子がいなければ娘に婿を取らせ、娘もいなければ夫婦養子をとり、家業と財産を継がせる、ということは広く行われていました。
商家や農家などでは、夫婦が協力して家業を行い子供を育てるのは当たり前で、子供を産まない嫁には三行半が突きつけられましたが、その一方で、器量が足りないと見なされた入り婿もかなり肩身の狭い思いをしたようです。家庭が産業を持ち、そこでは女性も重要な労働力でしたから、このような家では、歴史の教科書で教わったような「男尊女卑」とは、事情はかなり異なったようです。
主観的な見方で申し訳ないのですが、今回の原告となった女性の方々の職歴を見たとき、高校教師、短大講師、フリーライターなど、チームプレーをする必要があまりない、知的な職業の方が主になっているようです。権利意識が強いように見えるのも、納得できるところです。
国民新党の反対により、この民法改正は立ち消えになりました。亀井静香氏のホームページを訪ねると、トップページで、「お腹こわすな 風邪ひくな 雨の降る日は 傘となり 雪の降る日は 温もりを 与えてくれた お母さん」と御自身が歌われています。このようにお歌いになる方が、夫婦別姓に賛成するはずがない、それも分かります。
夫婦別姓を認めるべきか、私には分かりません。ただ、「夫の姓を使うことで、精神的な苦痛を受けた」という主張には、個人的にはついていけません。現在の民法の条項を残したまま、結婚前の姓を通名として認めるような法的な根拠を与え、その通名でも法律上の権利を行使できるように諸制度を整えれば、それだけで解決できる問題にも思えます。
同じ出来事について伝えた、AFP通信の記事を下に付しておきます。ただ、私の個人的な見方ですが、すでに夫婦共働きが珍しくなく、夫婦別姓を求める動き自体も数十年前からあったものですので、訴訟の社会的背景の記述には納得できない部分があります。
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「夫婦別姓認めないのは憲法違反」、男女5人が東京地裁に提訴
【2月14日 AFP】(一部更新)結婚の際に旧姓を捨てて夫の姓にすることをほとんどの女性に強いている民法の規定が、夫婦同等の権利を定めた憲法に違反しているとして、女性4人と原告女性の夫1人の男女5人が14日、国を相手に賠償や民法規定が違憲であることの確認などを求めて東京地裁に訴えを起こした。
この訴訟は、日本で男女平等を今以上に実現しようといううねりの中で起きた出来事だといえる。日本では、結婚した女性は退職して主婦になり、育児に努めるべきだとの社会的な圧力が依然として強い。しかし、長引く景気低迷のなかで、結婚後も仕事を続けたいと希望する女性は増えている。職場での姓も変えたくないという女性も多く、夫婦別姓を認める制度を求める声が高まっていた。
原告の1人で富山市の元教諭、塚本協子(Kyoko Tsukamoto)さん(75)は、50年以上にわたり公的な場で夫の姓を使わざるを得なかったことで精神的苦痛を受けたと語る。塚本さんはプライベートでは旧姓を用いていたが、法的書類やパスポート、クレジットカードなどには夫の姓を使わなければならなかった。塚本さんは、塚本協子として生まれ、塚本協子として死ぬことが自分の望みだと語った。
■世論は二分
民法750条は結婚した夫婦が同じ姓を名乗ることを規定している。ほとんどの場合、妻が夫の姓を名乗ることになる。
現在の民法は1898年に施行されたもので、当時は全国民に初めて姓が義務づけられてから間もない時期だった。日本は第2次世界大戦後に新憲法が公布されたものの、民法の夫婦の姓の規定は、夫の姓を名乗ることを義務とすることから、夫婦で別姓を名乗ることを禁止することに変わった程度だった。
2009年に民主党(Democratic Party of Japan、DPJ)が政権交替を実現すると夫婦別姓を認める民法改正への期待が高まったが、当時の連立与党だった国民新党(People's New Party、PNP)が強く反発した後に、改正は急速に立ち消えた。
夫婦別姓をめぐる世論は、最近の政府調査によると、民法改正に賛成が37%、反対が35%で二分されている。
■国連は勧告
原告の打越さく良(Sakura Uchikoshi)弁護団事務局長は、国連(UN)が日本に対し「差別的な」制度を廃止するよう勧告しているにもかかわらず、男性に偏った氏名制度を採用していると指摘する。
2009年に国連の女性差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination Against Women、CEDAW)は、日本が男女平等に向けた取り組みで成果を上げておらず、特に夫婦同姓の制度を指摘した。
打越氏は、政治の議論が中断しているので、訴訟で問題が進展することを期待すると語った。
■訴訟で「進展を期待」
日本の司法制度では、裁判所が個別の訴訟ごとに違憲判決を下すことができ、国会に是正を求めることができるが、たとえ最高裁で違憲判決が出た場合でも法令の改正を強制することはできない。
しかし、原告らは勝訴により夫婦別姓を認める方向に進展すると期待している。
原告の1人、加山恵美(Emie Kayama)さん(39)は、姓を法律が決めるのでなく個人が選択するべきだと主張する。加山さんの婚姻届は、夫婦の姓が別々だったため、地元当局に受理を拒否されたという。
姓が異なっているというだけの理由でその2人が結婚していないと考えるのは間違っている、と加山さんは語る。また、夫に自分の姓を名乗らせることもいやだという。なぜならば、夫に自分と同じ悩みを感じさせたくないからだ、と加山さんは語った。
(c)AFP/Shingo Ito
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